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コラム
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2021/04/16

エネルギー速報:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(つらつらコラム2021年4月16日)

ダイジェスト

・4月8日発表の天然ガス在庫は各社予想67Bcf増に対して61Bcf増で今週も強気な内容だった
・4月9日時点の天然ガス在庫量は1845Bcf(有効容量の43.3%)と在庫増加が続き、過去5年平均を上回った
・4月8日から4月14日の期間の天然ガス供給量は95.4Bcf(前週比1.3Bcf減少)、生産量とカナダからの輸入量がともに減少
・4月8日から4月14日の期間の天然ガス国内需要量は88.5Bcf(前週比2.1Bcf減)
・国内需要の内訳は発電需要が1.3Bcf増、住宅・商業用需要が3.4Bcf減、工業用は0.4Bcf減。住宅・商業用需要が減少
・LNG輸出用需要は11.1Bcfと前週比0.5Bcfの微減、能力上限に近い好調な輸出が続いているが、輸出基地のメンテナンスで今後同様の減少が見込まれる
・メキシコ向けパイプライン輸出需要は1.0Bcf増加した6.5Bcf
・今週以降寒波の到来が予想されているが、その後は広い範囲で平年以上の気温となる見通し

週間天然ガス在庫総評

 EIAが4月15日木曜日に発表した4月9日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で61Bcfの増加で1845Bcfとなった。今週も各社予想の67Bcf増加を下回る強い内容となった。前日の天然ガス相場は1日の始めは小幅な値動きだったが、強気な在庫発表の他に気温低下予報、順調な輸出を材料に上昇した。図1は天然ガス在庫量を過去5年の平均・変動幅と比較しているが、現在の在庫量は過去5年平均(図1赤線)とほぼ同量であるが総量で上回った。

図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

 表1はアメリカの地域別在庫の内訳となる。アメリカの全ての地域で天然ガス在庫は増加となった。全米の在庫量は1845Bcfで平年(5年間の平均)に比べて11Bcf多く、前年比で242Bcf少なくなっている。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の39.3%、有効容量(4261Bcf)の43.3%となっている。

表1 アメリカの天然ガス在庫量(出展 EIA)

天然ガス供給

 表2は4月8日から4月14日の間の天然ガス供給量の内訳となる。天然ガスの生産は91.4Bcfと前週より0.9Bcf減少、カナダからの輸入は3.9Bcfと前週から0.4Bcfの減少となった。これにより天然ガスの総供給量は95.4Bcfとなり前週と比べて1.3Bcfの減少となった。パイプラインのメンテナンスによりカナダからの天然ガス供給は減少している。

表2 天然ガス供給内訳(出展元 EIA)

天然ガス需要

 表3は4月8日から4月14日の間の天然ガス需要量の内訳となる。需要量全体は88.5Bcfと前週比で2.1Bcfの減少となった。
 アメリカ国内需要は64.7Bcfと前週比で2.4Bcfの減少となった。住宅・商業用の暖房用需要を中心に需要が低下している。内訳では発電需要が1.3Bcf増加した25.1Bcf、工業需要は0.4Bcf減少した22.6Bcf、住宅・商業用需要は3.4Bcf減少した17.0Bcfとなった。
 輸出需要ではメキシコ向けパイプライン輸出が前週比1.0Bcf増加した6.5Bcf、LNG輸出は輸出基地のメンテンナンスにより前週比で0.5Bcf減少した11.1Bcfだった。パイプラインのメンテナンスが終了したことでメキシコ向けの天然ガス供給が増加している。

表3 天然ガス需要セクタ別内訳(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

3月9日時点3月16日時点3月23日時点3月30日時点4月6日時点
原油用309基318基324基337基337基
天然ガス用92基92基92基91基93基
表4 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

 表4はベーカー・ヒューズ社が毎週金曜日に発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。4月9日発表の現在最新のレポート(4月6日時点)によると稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から横ばいの337基、天然ガス採掘用リグ稼働数は2基増加した93基だった。リグの総数はどちらの用途でもない2基のリグを加えて前週から13基増加した432基と大幅に増加している。

今後の見通し

LNG輸出

 図2はNGI社が提供している天然ガスパイプライン流量でLNG輸出量の推定値となる。先週も解説したが、4月8日には10Bcfを一服しているが、これは輸出基地の内、Corpus-Christi基地がメンテナンスに入ったためで、今後輸出量がこれまでより減少すると見込まれる。EIAによれば4月8日から4月14日の間に全米6か所のLNG輸出基地に寄港したLNGタンカーは20隻で73BcfのLNGが輸出されている。

図2 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

 図3はNOAAが今日発表した10日後から14日後(4月23日から4月29日)の気温予報で太平洋岸や山岳地域では平年以上の気温となるが、五大湖周辺を中心に平年以下の気温となる見通し。図4は4月15日にNOAAが発表した1か月予報となる。全国的に平年以上の気温となる見通しとなっている。寒波の到来で一時的な冷え込みが予想されているが、その後は全国的に気温が上昇する見込み。

まとめ

 4月15日木曜日発表の4月9日時点の天然ガス在庫は各社予想の67Bcf増を下回った61Bcf増と強気な内容となった。この日の天然ガス相場は在庫が強気な内容となったことと合わせて、好調な天然ガス輸出や来週の寒波による気温低下で暖房用需要が増加するとの見通しから上昇した。
 発表された4月8日以降の天然ガス需要の内訳をみると、先週下げ止まりを見せていた住宅・商業用セクタの需要が大きな幅での減少となった。一方で、直近1週間のLNG輸出需要は日量11.2Bcf付近でメンテナンスの影響でやや減少しているが、筆者が考えていたほど減少しておらず、好調な輸出が続いている。
 現在、来週以降の気温低下予想が天然ガスの支援材料となっていたが、最新の予報では従来予想されていたほどは気温が低下しないされており、天然ガス相場は次の支援材料を探している状態だと思われる。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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