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コラム
column

2021/04/02

エネルギー速報:OPECプラスの5月以降の減産枠決定とEIA週間原油統計(つらつら分析2021年4月2日)

ダイジェスト

・OPECプラスは日量で5月に35万バレル増産、6月に35万バレル増産、7月に40万バレル増産を行う予定
・サウジアラビアが行っている自主減産日量100万バレルは5月以降は取りやめ
・原油在庫は87万バレル減少
 原油生産量は日量1110万バレルと前週から10万バレルの増加
 輸出入では輸入量が614万バレル、輸出量が317万バレルで297万バレルの輸入超過
 製油所稼働率は2.2%向上し原油処理量は55万バレルの増加
 
・ガソリン在庫は173万バレル減少
(生産量+輸入量)<(出荷量+輸出量)で在庫が減少
 ガソリン生産量は76万バレル増加、輸入量は22万バレル減少
 ガソリン出荷量は73万バレル増加、輸出量は11万バレル増加
・留出油在庫は254万バレル増加
 (生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)で在庫が増加
 留出油の生産量は13万バレル増加、輸入量は22万バレル減少
 留出油の出荷量は52万バレル増加、輸出量は42万バレル減少
・原油と石油製品を合わせた在庫量は19億2810万バレルで前週より130万バレルの減少
・オクラホマ州クッシング在庫は78万バレル増加した4706万バレル、クッシングのタンク容量は約7600万バレルで貯蔵率は61.9%

OPECプラスの会合で5月以降の減産量が決定

 OPECは3月31日、4月1日両日に総会を開き、OPECプラスはOPEC総会後に4月の会合を開催した。会合では5月から7月の減産量が決定された。表1はOPECプラスの減産量と前月からの増産量、OPECプラスの増産量に占めるサウジアラビアの増産量と今後の自主減産量のまとめとなる。
 OPECプラスは5月に日量35万バレル、6月に35万バレル、7月に40万バレルの増産を行う。表に示す通り、OPECプラスの増産量の多くはサウジアラビアの増産で占められている。また、サウジアラビアが現在行っている日量100万バレルの自主減産は5月に取りやめられる。これにより4月と比較して5月には日量135万バレル、6月には170万バレル、7月には210万バレルの増産となる。

4月 5月 6月 7月 
OPECプラス減産量(万バレル/日量)690655620580
OPECプラス増産量(前月比)(万バレル/日量)0353540
 内サウジアラビアの増産量(万バレル/日量)0253540
サウジアラビアの自主減産(万バレル/日量)100000
4月に比べた増産量(万バレル/日量)0135170210
表1 4月(現状)の減産幅と5月~7月の減産量(筆者調べ)

 OPECプラスは増産に舵を切ったが、需要回復分を補えないとの見方から市場の反応は鈍く原油相場は2ドル以上上昇して引けている。


EIA週間統計の総評

 水曜日にEIAの週間在庫統計が発表された。製油所の稼働率が2.2%上昇し、原油消費量は55万バレル増加した1494万バレルとなっている。原油在庫は87万バレルの減少となった。石油製品ではガソリン在庫が173万バレルの減少、留出油在庫は273万バレルの増加、WTI指標原油であるオクラホマ州クッシングの在庫は78万バレル増加した4706万バレルだった。
 原油生産は前週から10万バレル増加した日量1110万バレル、原油輸入量は前週比で52万バレル増加した日量614万バレル、輸出量は日量69万バレル増加した日量317万バレルとなった。輸出入全体としては297万バレルの輸入超過となっている。戦略備蓄(SPR)の放出は0だった。原油と全ての石油製品を合わせた在庫は19億2810万バレルと前週比で130万バレルの減少となった。

原油と石油製品の在庫(表2)

 原油の在庫は87万バレル減少した5億180万バレル、ガソリン在庫は173万バレル減少した2億3050万バレル、留出油在庫は254万バレル増加した1億4410万バレル、オクラホマ州クッシングの原油在庫は78万バレル増加した4706万バレルだった。

API統計 EIA統計今週EIA統計前週EIA統計2週前EIA統計3週前
原油(万バレル)390増87減192増239増1379増
ガソリン(万バレル)600減173減20増47増1186減
留出油(万バレル)260増254増380増25増550減
クッシング在庫(万バレル)78増193減52減52増
表2 原油・石油製品在庫 (出展元 EIA)

 図2は原油在庫の過去2年分の推移、図2はガソリン在庫の過去2年分の推移、図3は留出油在庫の過去2年分の推移となる。それぞれの図は今年の在庫推移(青線)と過去5年間の在庫レンジ(灰色)とを比較している。ガソリン在庫が過去5年間の在庫レンジを割り込んでいる。留出油在庫も在庫レンジの下限近くまで減少した。

図1 原油在庫推移(出展元 EIA)
図2 ガソリン在庫推移(出展元 EIA)
図3 留出油在庫推移(出展元 EIA)
原油生産と輸出入、戦略備蓄(日量)(表3と表4)

 表3原油の生産量と輸出入についてまとめている。原油生産量は前週比で10万バレル増加した日量1110万バレルとなった。原油輸入量は前週比で日量52万バレル増加した614万バレル、輸出量は日量69万バレル増加した317万バレルとなった。Adjustmentは需要と供給それぞれの不確実性(計算のずれなど)のつじつまを合わせて相殺するために需給の計算に加えられる。今週の統計ではAdjustmentが22万バレル増加した74万バレルで在庫を増加させる形で調整が加わっている。

原油生産と輸出入今週前週2週前3週前4週平均前年
同時期
原油生産(万バレル/日)111011001090109010761300
戦略備蓄増加(万バレル/日)000000
原油輸入(万バレル/日)614562532565577604
原油輸出(万バレル/日)317248252263283315
Adjustment(万バレル/日)74527352998
表3 原油生産と戦略備蓄、輸出入 (出展元 EIA)
*Adjustmentの-はマイナス補正を意味している

 輸入国の国別内訳と前週からの増減は表4の通り。今週はカナダとブラジル、ロシア、エクアドルからの輸入が減少している一方で、メキシコ、ナイジェリアからの輸入が減少している。長らく輸入がなかったロシアからの輸入が再開されて約1か月たっている。

輸入国輸入量(万バレル/日)前週輸入量(万バレル/日)増減(万バレル)
カナダ366341+25
メキシコ4961-12
サウジアラビア3428+6
イラク810-2
コロンビア129+3
エクアドル2413+11
ナイジェリア816-8
ロシア165+11
ブラジル297+22
表4 輸入量国別内訳(出展元 EIA)
石油製品生産量(日量)と製油所稼働率(表5)

 表5は主要石油製品の生産と輸入(供給)についてまとめたものとなる。製油所稼働率は2.2%向上した83.9%となり、製油所への原油投入量は55万バレル増加した日量1494万バレルとなった。石油製品の生産ではガソリン生産が前週比で76万バレル増加した日量933万バレル、ジェット燃料生産が11万バレル増加した日量114万バレル、留出油生産が13万バレル増加した日量473万バレルだった。製油所稼働率の上昇に伴い原油投入量が増加した。

製油所稼働率等今週前週2週前3週前4週平均前年度
同時期
原油投入量(万バレル/日)149414381343123113761489
製油所稼働率(%)83.981.676.169.077.782.3
ガソリン生産(万バレル/日)  933857887900894745
ガソリン輸入(万バレル/日) 619391577673
ジェット燃料生産(万バレル/日)1141039890101112
ジェット燃料輸入(万バレル/日)2410361122
留出油生産(万バレル/日)   473460422370431496
留出油輸入(万バレル/日)  446652475212
表5 石油製品生産量(供給) (出展元 EIA)
石油製品供給(日量、需要)(表6)

 表6は主要石油製品の出荷量(需要)と輸出量の内訳一覧となる。前週比でガソリン出荷量は日量73万バレル増加した889万バレル、ジェット燃料の出荷量は33万バレル増加した日量136万バレル、留出油の出荷量は52万バレル増加した日量411万バレルだった。

石油製品
出荷量(日量)
今週前週2週前3週前4週
平均
前年
同時期
ガソリン出荷(万バレル/日)889816844872866665
ガソリン輸出(万バレル/日)544358675567
ジェット燃料出荷(万バレル/日)13610310184106133
ジェット燃料輸出(万バレル/日)5383520
留出油出荷(万バレル/日)411359402448405390
留出油輸出(万バレル/日)70112684774149
表6 石油製品出荷量(需要) (出展元 EIA)
石油製品需給(日量)

 原油の需要側では製油所稼働率が前週比で2.2%上昇して83.9%まで向上し、原油消費量は前週より55万バレル増加した日量1494万バレルとなった。製油所の稼働率が2月の寒波前まで上昇し、原油消費量が増加した。
 主要な石油製品ではガソリン生産量が前週比で76万バレル増加した933万バレル、輸入量は32万バレル減少した61万バレルとなった。ガソリンの出荷量は73万バレル増加した889万バレル、輸出量は11万バレル増加した54万バレルだった。出荷量と輸出量の増加でガソリン在庫は減少に転じた。
 次に留出油は生産量が13万バレル増加した473万バレル、輸入量は22万バレル減少した44万バレルだった。留出油の出荷量は52万バレル増加した411万バレル、輸出量は42万バレル減少した70万バレルとなった。生産量の増加と輸出量の減少で在庫が増加した。
 ジェット燃料生産量は11万バレル増加した114万バレル、出荷量は33万バレル増加した136万バレルだった。
 石油製品全体の出荷量(需要)は前週比で161万バレル増加した2031万バレルとなった。原油在庫が87万バレルの減少、ガソリン在庫が173万バレルの減少、留出油の在庫が254万バレルの増加で、全ての石油製品在庫に原油在庫を加えた全石油在庫は前週比で130万バレル減少した19億2810万バレルだった。

石油製品価格(表7と表8)

 表7はニューヨーク港渡しの石油製品のスポット卸売価格となる。今週のガソリン卸売価格は約3セントの上昇、ディーゼル燃料卸売価格は約2セントの下落となった。前年同時期は新型コロナウイルスの感染が急拡大による原油価格の急落で15.50ドルだったが、約1年で原油価格が4倍となっている。

スポット卸売価格
(ニューヨーク港渡し)
3/263/193/123/5前年同時期  
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
1.9251.8902.2112.0500.550
ディーゼル燃料
(ドル/ガロン)
1.8021.8221.9581.9511.085
原油
(ドル/バレル)
60.9361.4365.5966.0815.48
表7 石油製品受渡価格 (出展元 EIA)

 表8は全米の石油製品の小売価格の全国平均を週ごとに集計した結果で、今週のガソリン小売価格はほぼ横ばい、ディーゼル燃料の小売価格は約3セントの値下がりとなっている。

小売価格3/293/22  3/15  3/8  3/1  前年同時期    
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.8522.8652.8532.7712.7112.005
中間グレードガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.2513.2653.2413.1503.0842.473
プレミアムガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.5063.5163.4953.4103.3442.716
ディーゼル燃料価格
(ドル/ガロン)
3.1613.1943.1913.1433.0722.586
表8 石油製品全国価格 (出展元 EIA)

今後の見通し

 原油生産量は日量1110万バレルと前週から10万バレルの増加となった。需要面では製油所の稼働率が前週比で2.2%の上昇となり、原油消費量は112万バレル増加した日量1494万バレルとなった。原油輸出入は日量297万バレルの輸入超過で、輸入量が前週比で日量52万バレル増加した日量614万バレル、輸出量が69万バレル増加した日量317万バレルとなった。原油消費量と輸出が増加したことで原油在庫が減少した。
 ガソリンは出荷量と輸出量の増加で在庫減少になった。
 留出油は生産量の増加と輸出量の減少で在庫増となった。
 全ての石油製品の出荷量は日量161万バレル減少した2031万バレル、全ての石油製品と原油を合わせた在庫は、130万バレル減少した19億2810万バレルだった。
 今週、OPECプラスは会合を開き5月から7月の減産幅を決定した。会合前には据え置きとの観測も流れていたが、OPECプラスは増産に舵を切った。ただし、今回の増産量ではアメリカや中国を中心とした経済回復による需要回復分を補えないとの見方から市場の反応は鈍く昨日の原油相場は2ドル以上上昇して引けている。今後は新型コロナウイルスの感染拡大がいつごろまでに収まって、経済回復期間に入るのかに注目が集まるが、新型コロナウイルスの変異種など不確定要素が大きい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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