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コラム
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2021/04/21

エネルギー速報:リビアの原油生産の減少(つらつらコラム2021年4月21日)

ダイジェスト

・リビアの原油生産量は直近数か月の間日量100万バレル越えの生産量を維持しているが、4月は100万バレルを割り込む見通し
・リビア統一政府は予算の手当てを約束しているが未払いとなっており、NOCが十分な資金を得られないことで、リビア各地の油田の生産が無期限に停止している
・今回の輸出現象とは別に、石油施設の警備隊への給与支払い遅延に起因する石油施設占拠の可能性が1月に続いて浮上している

リビアの原油生産の現状

図1 リビアの原油生産量(2021年3月まで)(出展元 Bloomberg)

 図1に示すリビアの原油輸出は2020年1月からの内戦で100万バレルを割り込む状況となった後、9月に反政府武装勢力や後援する諸外国との停戦が成立すると、12月には内戦発生前の水準である日量125万バレルまで速やかに回復した。その後、リビアは日量100万バレルの原油生産量が維持されていたが、2021年4月に入って一部の油田が生産停止となり原油生産量が数か月ぶりに日量100万バレルを下回った。原油先物市場はリビアの減産を支援材料に18時頃に昨日の高値を付けたが、新型コロナウイルスの感染が拡大していることを材料に売られて下落で引けている。

生産の一部停止

図2 リビア国内の油田・ガス田と輸送インフラ(出展元 EIA)

 図2はリビアの産油地帯とパイプライン、輸出港などの輸送インフラを示している。昨日、リビアの国営石油会社(NOC)はエジプト国境に近い東部のHariga港からの原油輸出を停止(フォース・マジュール)した。合わせて、リビア中央銀行が資金の供給を拒否したため、NOCの子会社Arabian Gulf Oilが運用する原油生産用ポンプが停止したことに起因するとの声明が出された。今回、Arabian Gulf Oilは油田の通常生産量の90%に当たる日量28万バレルの原油を減産することを余儀なくされているが、減産の期間は明らかになっていない。これ以外の生産者も資金不足による苦境に立たされており西部のNOC子会社Sirte Oillも同様の理由で日量2万バレルの減産を余儀なくされていると報じられている。

今後の見通しと課題

 リビアはアフリカ大陸最大の原油埋蔵量を誇るのに加えて、算出する原油は軽質原油が多い。軽質原油はガソリンと中間留分(灯油や軽油)の割合が多いためヨーロッパや中国の製油所に人気があり価値が高い原油となっている。先月成立した統一政府の予算でも石油産業は需要視されており16億ドルの資金が国営石油会社へ割り当てられた。しかし、NOCによれば今年受け取った保守管理予算は必要額の2%とされる予算不足で原油生産が困難となっているところに、中央銀行が資金支出を拒否するという異常事態となっている。また、NOCとは別に財務省とオイルガード(石油施設の警備隊)との間で給与支払い遅延問題が発生しており、1月に発生した占拠事件のように支払いが行われるまで原油輸出施設が占拠される可能性が高まっていると報じられている。リビアの政治的な混乱が安定した原油生産や輸出を妨げる状況が続いている。NOCは2021年度中に日量145万バレル、2年以内に日量160万バレルの原油生産を目指していると伝わるが、前途は厳しそうだ。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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