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コラム
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2021/04/23

エネルギー速報:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(つらつらコラム2021年4月23日)

ダイジェスト

・4月22日発表の天然ガス在庫は各社予想46Bcf増に対して38Bcf増で今週も強気な内容だった
・4月16日時点の天然ガス在庫量は1883Bcf(有効容量の43.3%)と在庫増加が続き、過去5年平均を上回っている
・4月15日から4月21日の期間の天然ガス供給量は95.8Bcf(前週比0.4Bcf増加)、パイプラインのメンテナンスが終わりカナダからの輸入量が増加
・4月15日から4月21日の期間の天然ガス国内需要量は95.3Bcf(前週比6.7Bcf増)
・国内需要の内訳は発電需要が0.6Bcf増、住宅・商業用需要が5.0Bcf増、工業用は0.8Bcf増。寒波の到来による暖房用需要の増加で住宅・商業用需要が増加
・LNG輸出用需要は11.6Bcfと前週比0.5Bcfの増加、輸出基地のメンテナンスで先月の11Bcf台後半よりやや需要が減少しつつも好調な輸出が続く
・メキシコ向けパイプライン輸出需要は0.4Bcf減少した6.3Bcf
・冬の暖房シーズンが終わった4月1日時点の欧州の天然ガス在庫は貯蔵容量の31%
・4月30日以降は寒波が抜けて平年並みの気温となり、その後は広い範囲で平年以上の気温となる見通し

週間天然ガス在庫総評

 EIAが4月22日木曜日に発表した4月16日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で38Bcfの増加で1883Bcfとなった。今週も各社予想の46Bcf増加を下回る強い内容となった。天然ガス相場は1日の始めは寒波の後退で売られていたが、強気な在庫発表や順調な輸出を材料に上昇した。図1は天然ガス在庫量を過去5年の平均・変動幅と比較しているが、現在の在庫量は過去5年平均(図1赤線)を総量で上回っている。

図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

 表1はアメリカの地域別在庫の内訳となる。今週は山岳地域以外の地域では天然ガス在庫は増加、山岳地域は横ばいとなった。全米の在庫量は1883Bcfで平年(5年間の平均)に比べて12Bcf多く、前年比で251Bcf少なくなっている。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の40.1%、有効容量(4261Bcf)の44.2%となった。

表1 アメリカの天然ガス在庫量(出展 EIA)

天然ガス供給

 表2は4月15日から4月21日の間の天然ガス供給量の内訳となる。天然ガスの生産は90.6Bcfと前週より0.8Bcf減少、パイプラインメンテナンスの終わったカナダからの輸入は5.1Bcfと前週から1.2Bcfの増加となった。これにより天然ガスの総供給量は95.8Bcfとなり前週と比べて0.4Bcfの増加となった。

表2 天然ガス供給内訳(出展元 EIA)

天然ガス需要

 表3は4月15日から4月21日の間の天然ガス需要量の内訳となる。需要量全体は95.3Bcfと前週比で6.7Bcfの増加となった。
 アメリカ国内需要は71.0Bcfと前週比で6.4Bcfの増加となった。寒波の到来に伴い住宅・商業用の暖房用需要を中心に需要が増加している。内訳では発電需要が0.6Bcf増加した25.7Bcf、工業需要は0.8Bcf増加した23.4Bcf、住宅・商業用需要は5.0Bcf増加した21.9Bcfとなった。
 輸出需要ではメキシコ向けパイプライン輸出が前週比0.4Bcf減少した6.3Bcf、LNG輸出は0.5Bcf増加した11.6Bcfだった。

表3 天然ガス需要セクタ別内訳(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

3月16日時点3月23日時点3月30日時点4月6日時点4月13日時点
原油用318基324基337基337基344基
天然ガス用92基92基91基93基94基
表4 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

 表4はベーカー・ヒューズ社が毎週金曜日に発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。4月16日発表の現在最新のレポート(4月13日時点)によると稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から7基増のの344基、天然ガス採掘用リグ稼働数は1基増加した94基だった。リグの総数はどちらの用途でもない1基のリグを加えて前週から8基増加した439基と大幅に増加し、2020年5月初旬以来の水準まで回復している。

今後の見通し

LNG輸出

 図2はNGI社が提供している天然ガスパイプライン流量でLNG輸出量の推定値となる。4月13日以降11Bcf台前半で推移している。EIAによれば4月15日から4月21日の間に全米6か所のLNG輸出基地に寄港したLNGタンカーは20隻で73BcfのLNGが輸出されている。

図2 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

 図3はNOAAが今日発表した10日後から14日後(4月30日から5月6日)の気温予報で太平洋岸のカリフォルニアや大西洋岸では平年以上の気温となるが、五大湖周辺からアメリカ西部にかけては平年並みの気温となる見通し。図4は4月15日にNOAAが発表した1か月予報となる。全国的に平年以上の気温となる見通しとなる。今後は寒波の後退により全国的に気温が上昇する見込み。

欧州の天然ガス在庫

 欧州の天然ガス在庫について紹介する。図5と図6は欧州の天然ガス在庫の推移を示している。冬の暖房シーズン(10月1日~3月31日)が終わった4月1日の時点での天然ガス在庫は1087Bcfで貯蔵容量の31%となっている。この数字は暖冬だった前年より44%低く、過去5年間の平均と比べても11%低くなっている。

まとめ

 4月22日木曜日発表の4月16日時点の天然ガス在庫は各社予想の46Bcf増を下回った38Bcf増と強気な内容となった。この日の天然ガス相場は在庫が強気な内容となったことと好調な天然ガス輸出を材料に上昇した。
 発表された4月15日以降の天然ガス需要の内訳をみると、先週下げ止まりを見せていた住宅・商業用セクタの需要が寒波の到達により大きく増加した。直近1週間のLNG輸出需要は日量11Bcf台前半付近と好調な輸出が続いている。来週は寒波の後退で暖房用需要の減退が見込まれることが懸念材料となると考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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