会員限定ページへログイン

IDとパスワードは半角英数字で入力してください。
最新情報をすぐに閲覧したい方は有料メルマガ登録(まぐまぐ!)をしてください。

  • ◆ ID
  • ◆ パスワード

コラム
column

2021/04/27

穀物速報:クロッププログレスレポートと南米産地の見通し(つらつらコラム2021年4月27日)

ダイジェスト

・寒波の影響で農作業が止まったためコーンの農作業進展は平年よりやや遅れ、大豆の農作業進展は平年並み
・アメリカのコーンベルト西側では土壌が乾燥が続いている
・ブラジルでは大豆の収穫が約91%終了、2期作目のコーンの主要産地では4月の降水量は例年を下回り作柄悪化懸念が高まった
・アルゼンチンの大豆の収穫率は4月約7%、コーンは約14%でそれぞれ平年の28%、25%と比較すると大幅に遅延

クロッププログレスレポート

 USDAが26日に発表したクロッププログレスレポートを解説する。

アメリカ産コーンの農作業の進展率

 表1は公開されたコーンの作付率を前年度と過去5年間の平均と比較したものとなっている。寒波の到来で中西部の州を中心に農作業が止まったため、作付の進展率は過去5年平均よりやや遅れている。なお、表中の赤字はコーンベルト西側、青字はコーンベルト東側の州を示しており、*印のついた州はコーンの作付面積が500万エーカーを超えるコーンの主要生産州を示している。

コーン作付率2020/4/252021/4/182021/4/252016-2020
avg.
コロラド156119
*イリノイ33122328
*インディアナ1671412
*アイオワ3442022
*カンザス22152027
ケンタッキー41264132
ミシガン3252
*ミネソタ3431818
ミズーリ23142044
*ネブラスカ172615
ノース・カロライナ60406260
ノース・ダコタ332
オハイオ3487
ペンシルヴァニア15
*サウス・ダコタ7144
テネシー33264844
テキサス67606664
ウィスコンシン10165
18州平均2481720
表1 コーンの作付率(出展元 USDA)

 表2はコーンの発芽率を同様に前年と過去5年平均と比較したものとなる。発芽率はまだ低く全国平均並みの発芽率となっている。

コーン作付率2020/4/252021/4/182021/4/252016-2020
avg.
コロラド
*イリノイ123
*インディアナ121
*アイオワ
*カンザス3167
ケンタッキー131139
ミシガン
*ミネソタ
ミズーリ41512
*ネブラスカ1
ノース・カロライナ37133727
ノース・ダコタ
オハイオ
ペンシルヴァニア
*サウス・ダコタ
テネシー1251815
テキサス52515451
ウィスコンシン
18州平均3234
表2 コーンの発芽率(出展元 USDA)
アメリカ産大豆の農作業の進展率

 表3は大豆の作付率を示している。前年度と過去5年間の平均と比較したものとなっている。平年よりやや早い進展となっている。*印のついた州は2020年の大豆の作付面積が500万エーカーを超える大豆の主要生産州を示している。

コーン作付率2020/4/252021/4/182021/4/252016-2020
avg.
アーカンソー11122621
*イリノイ165186
*インディアナ10494
*アイオワ8163
カンザス221
ケンタッキー174145
ルイジアナ32101533
ミシガン3151
*ミネソタ
21
ミシシッピー29153734
*ミズーリ2133
*ネブラスカ733
ノース・カロライナ42143
ノース・ダコタ
オハイオ258
*サウス・ダコタ112
テネシー784
ウィスコンシン221
18州平均7385
表1 大豆の作付率(出展元 USDA)
土壌乾燥率

 表4は畑(表面と土中)の乾燥度を示している。USDAの発表は極度の乾燥、乾燥、普通、湿潤の4段階になっているが、最下位の極度の乾燥の畑の割合を示している。コーンベルト西側のノース・ダコタ州やサウス・ダコタ州を始めとして乾燥度合いが前週よりやや悪化している。

乾燥度合い:
表面(前週)
乾燥度合い:
表面
乾燥度合い:
土中(前週)
乾燥度合い:
土中
イリノイ1011
インディアナ2233
アイオワ661010
カンザス4688
ミネソタ4455
ミズーリ0000
ネブラスカ4659
ノース・ダコタ50535052
オハイオ2234
サウス・ダコタ24242526
ウィスコンシン1312
48州平均11131314
表4 畑の乾燥率(出展元 USDA)

南米の天候と作柄情報

 農業コンサルタントのDatagro社によるとブラジル産の大豆の91.3%の収穫が終了した。雨が少ないため過去5年平均の89.4%より進捗が早くなっている。また、今シーズンの大豆の収穫量は1億3610万トンとなりアメリカを抜いて世界最大の生産国となった。ブラジルのコーン産地では来週後半にかけて大量の雨は降らない見込みで乾燥が続く見通し。
 アルゼンチンでは国内の食料価格の高騰の抑制のため月曜日に穀物輸出関税が引き上げられた。4月15日時点の大豆の収穫率は約7%、コーンの収穫率は14%で平年の28%、25%に比べて大きく遅れている。4月に入ってアルゼンチンでは雨が降り続いたことが要因となっている。今後1週間は乾燥が続き、気温も上昇する事で農作業の進展が見込まれる。

まとめ

 アメリカでは寒波の襲来で中西部を中心に農作業が停滞したが大きな畑の被害報告は入っていない。大豆とコーンの農作業の進捗率は平年並みの状態となっている。ブラジルでは大豆の収穫は順調で、収穫量も1億3100万トンと世界一の大豆生産国となるのが確実となった。一方で2期目のコーンについては産地で降水量が平年を下回り続けるなど乾燥がさらに悪化しており、作柄悪化への懸念が高まっている。アルゼンチンでは悪天候により大豆とコーンの収穫が例年より遅れている。また、国内の食糧価格の抑制のため関税引き上げによる輸出制限策がとられており、このことは大豆相場の支援材料となった。
 今後の大豆相場は前述の寒波が支援材料となった他、需給ひっ迫による大豆油の上昇や、前述のアルゼンチンの輸出関税の引き上げなどを材料にした上昇が続いている。ただし、ブラジル産の大豆が間もなく市場に出回ると考えられることから上げは長続きしないと考えている。
 一方、コーン相場はブラジルで乾燥懸念が高まっていること、アメリカの寒波による作付遅れ懸念、気候変動サミットで宣言されたCO2削減を目指してコーンを原料としたエタノールの増産が進むとの観測から1週間で2日ストップ高となっている。需給のひっ迫はしばらく続くと考えられるが、アメリカとブラジルの天候情報に注意していきたい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

Contact

お問い合わせ

お問い合わせ、アポイント予約は
こちらからお気軽にご連絡ください。

Register

有料メルマガ登録

有料メルマガ登録をしていただいた方は
鍵マークのついた記事もご購読いただけます。