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コラム
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2021/04/05

エネルギー速報:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(つらつらコラム2021年4月5日)

ダイジェスト

・4月1日発表の天然ガス在庫は各社予想19Bcf増に対して14Bcf増で強気な内容だった
・3月26日時点の天然ガス在庫量は1764Bcf(有効容量の41.4%)となり在庫増加に転じた。
・3月25日から3月31日の期間の天然ガス供給量は95.4Bcf(前週比0.2Bcf減少)、カナダからの輸入量が減少
・3月25日から3月31日の期間の天然ガス国内需要量は92.5Bcf(前週比4.3Bcf減)
・国内需要の内訳は発電需要が0.4Bcf増、住宅・商業用需要が4.3Bcf減、工業用は0.5Bcf減。暖房用需要(住宅・商業用需要)が
今週も大きく減少
・LNG輸出用需要は11.6Bcfと横ばい、能力上限に近い好調な輸出が続く
・メキシコ向けパイプライン輸出需要は0.1Bc増で横ばい
・気温予報では今後1か月の間広い範囲で平年以上の気温となる見通し

週間天然ガス在庫総評

 EIAが4月1日木曜日に発表した3月26日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で14Bcf増加となり各社予想の18Bcf増加より強い内容で在庫量は1764Bcfとなった。天然ガス在庫が今回の発表より増加に転じている。図1は天然ガス在庫量を過去5年の平均・変動幅と比較しているが、過去5年平均(図1赤線)と比較するとやや早く在庫増加に転じた。

図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

 表1はアメリカの地域別在庫の内訳となる。アメリカ中西部以外では天然ガス在庫は増加か横ばいとなった。全米の在庫量は1764Bcfで平年(5年間の平均)に比べて50cf少なく、前年比で225Bcf少なくなっている。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の37.6%、有効容量(4261Bcf)の41.4%となっている。

表1 アメリカの天然ガス在庫量(出展 EIA)
*Rは前週からの改定値

天然ガス供給

 表2は3月25日から3月31日の間の天然ガス供給量の内訳となる。天然ガスの生産は91.3Bcfと前週より0.2Bcf増加、カナダからの輸入は4.1Bcfと前週から0.3Bcfの減少となった。これにより天然ガスの総供給量は95.4Bcfと前週から0.2Bcfの減少となった。

表2 天然ガス供給内訳(出展元 EIA)

天然ガス需要

 表3は3月25日から3月31日の間の天然ガス需要量の内訳となる。需要量全体は92.5Bcfと前週比で4.3Bcfの減少となった。
 アメリカ国内需要は68.4Bcfと前週比で4.4Bcfの減少となった。今週も住宅・商業用の暖房用需要を中心に需要が低下している。内訳では発電需要が0.4Bcf増加した24.8Bcf、工業需要は0.5Bcf減少した23.0Bcf、住宅・商業用需要が4.3Bcf減少した20.6Bcfとなった。
 輸出需要ではメキシコ向けパイプライン輸出が前週比で0.1Bcfの微増、LNG輸出は前週比で横ばいとなる11.6Bcfだった。

表3 天然ガス需要セクタ別内訳(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

3月2日時点3月9日時点3月16日時点3月23日時点3月30日時点
原油用310基309基318基324基337基
天然ガス用92基92基92基92基91基
表4 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

 表4はベーカー・ヒューズ社が毎週金曜日に発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。4月1日発表の現在最新のレポート(3月30日時点)によると稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から13基増加した337基、天然ガス採掘用リグ稼働数は1基減少した91基だった。リグの総数はどちらの用途でもない2基のリグを加えて前週から13基増加した430基と大幅に増加している。

今後の見通し

LNG輸出

 図2はNGI社が提供している天然ガスパイプライン流量でLNG輸出量の推定値となる。3月23日以降のLNG輸出量は11.0Bcf超えの高水準で推移している。EIAによれば3月25日から3月31日の間に全米6か所のLNG輸出基地に寄港したLNGタンカーは24隻で87BcfのLNGが輸出されている。

図2 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

 図3はNOAAが今日発表した10日後から14日後(4月12日から4月18日)の気温予報で太平洋岸北部を除き平年以上の気温となる見通し。図4は3月31日NOAA発表の1か月予報となる。全国的に平年以上の気温となる見通しとなっている。4月下旬にかけては太平洋岸北部では冷え込みが見られるが、全体的に気温は上昇する見通しで暖房用需要は伸びないと考えられる。

まとめ

 4月1日木曜日発表の3月26日時点の天然ガス在庫は予想の19Bcf増を下回った14Bcf増と強気な内容となった。また天然ガス在庫が増加に転じて、冬の需要シーズンが終わり本格的に春となった。この日の天然ガス相場は小幅な値動きが続いていたが在庫が予想より増加しなかったことを好感して上昇したが、上げは長続きせずに利食い売りが入って引けている。
 発表された3月25日以降の天然ガス需要の内訳をみると住宅・商業用の暖房用需要が4.3Bcf減と今週も大きく減少した。一方で、直近1週間のLNG輸出需要は11Bcf前半から後半に達しており、アメリカのLNG輸出能力の限界に近い好調な輸出が続いている。
 4月下旬までの天気予報は平年以上の気温となっており、暖房需要の大きな増加はもはやないだろう。今後は夏の需要期までは在庫が一方的に増加する時期に当たり、好調が続いているLNG輸出の動向が相場を左右する状況がしばらく続くと考えられる。

 


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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