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コラム
column

2021/04/06

穀物速報:クロッププログレスレポート開始(つらつらコラム2021年4月6日)

ダイジェスト

・今週からUSDAがクロッププログレスレポートの公開を開始した。
・アメリカのコーンベルトの西側の土壌はやや乾燥しており、春の雨が待たれる
・ブラジルの2期作目のコーンの主要産地では降水量が不足しており、成長の遅れや成長期中に乾季が訪れることで作柄が悪化する事が懸念されている

アメリカの大豆とコーンの作業シーズンの開始

 USDAが今週からクロッププログレスレポートの公開を開始し、本格的に農作業のシーズンが始まった。なお、今回のレポートでは大豆の作業割合については進捗がなく公開されていない。
 今後の農作業の大まかな進展をカレンダーに直すと以下の通りになる。相場から見ると農作業カレンダーを反映して今月から穀物相場は天候相場と言われる天候情報(雨や気温)が重要な意味を持つ時期へ移行して収穫期前まで続く。収穫期になると需給情報(輸出量や消費量の情報)で相場が上下する需給相場と言われる時期となる。

3月4月5月6月7月8月9月10月11月
大豆作付発芽開花受粉着さや成熟収穫
大豆相場需給相場天候相場需給相場
コーン作付発芽シルキングドウデント成熟収穫
コーン相場需給相場天候相場需給相場
表1 農作業と相場カレンダー(筆者作成)

大豆とコーンに必要な栽培条件はほぼ同等だが、大豆の生育期間はコーンよりやや短い。この生育期間の差を利用して4月が長雨となり作付が遅れた場合や大豆価格が上昇しコーンより利益が見込まれる場合にはコーンから大豆への転作が行われる可能性がある。今月の天気予報や農作業の進展状況には特に注意が必要となる。5月6月は需給報告での作付面積情報と農作業の進展情報が注目される。7月になると開花と受粉時期(コーンではシルキング期)となる。この時期には適度な雨が必要なため、再び天候情報が重要となってくる他、需給報告内の生産量と期末在庫の予測が重要となってくる。10月以降は収穫待ちとなるため早霜や凍結以外の天候情報は重要ではなくなり需給相場へ移行する。

農作業の進展率

 表2の左側3列はコーンの作付割合を前年度と過去5年間の平均と比較したものとなっており、太字が今シーズンの作付割合を示している。発表直後のこともありほとんど農作業は進展していない。
 表2の右端の2列は畑の乾燥度を示しており、USDAが極度の乾燥、乾燥、普通、湿潤の4段階で発表している中で、最下位の極度の乾燥の畑の割合を示している。赤字はコーンベルト西側、青字はコーンベルト東側の州を示しており、*印のついた州はコーンの作付面積が500万エーカーを超えるコーンの主要生産州を示している。コーンベルト西側の南北ダコタ州やアイオワ州、カンザス州で土壌が乾燥していることが分かる。これらの地域では春の雨による状況の改善が待たれている。

コーン作付率2020/4/42021/4/42016-2020
avg.
乾燥度合い:
表面
乾燥度合い:
土中
コロラド1329
*イリノイ11
*インディアナ25
*アイオワ812
*カンザス12367
ケンタッキー22
ミシガン67
*ミネソタ126
ミズーリ1200
*ネブラスカ59
ノース・カロライナ51500
ノース・ダコタ5952
オハイオ44
ペンシルヴァニア03
*サウス・ダコタ2525
テネシー11400
テキサス5655531917
ウィスコンシン75
18州平均222
表2 コーンの作付割合(出展元 USDA)

ブラジルのコーン作付け情報

 ブラジルでは輸出の主力となる2期作目のコーンの作付が進んでいる。ただし、ブラジルで3番目に2期作目のコーンの収穫量の多いゴイアス州を例にとると例年では2月末には作付が終了しているが、大豆の収穫遅れにより半分以上のコーンが3月に植えられており、単純に考えると平年と比べて4週間程度作付が遅れている。また、ゴイアス州では直近2週間で雨がほとんど降っておらず、コーン畑の一部では発芽が不十分となり植替えが必要となる畑も出ている。畑の土壌水分が不足し始めており初期の生育の遅れで更に収穫が遅れることや、成長期中に乾季が始まることでコーンの作柄が低下することが懸念されている。ブラジル国内では国内供給のひっ迫とコーンの作付遅れで収穫量が予想より減少するとの見方から穀物相場が歴史的な高水準にあると報道されている。

まとめ

 アメリカでは今年のクロッププログレスレポートの公開が始まった。今シーズンの農作業の進展ペースががどうなるかはいまだ判然としないが今後大豆とコーンの農作業が本格化する。現状で、これまでのコラムでも紹介してきたが、コーンベルトの西端では冬の降水が少なかったことから乾燥が懸念されており、春の雨による乾燥の解消が望まれている。
 ブラジルではコーンの作付はほぼ終了したものの、大豆の収穫が遅れたことから半数の畑で4週間程度の作付遅れが発生していると見込まれる。また、北部産地のゴイアス州では直近2週間の降水量が少なく、一部の畑では降水量の不足のため作付遅れに加えて、コーンの発芽・成長遅れによる収穫の更なる遅延の発生が懸念されている。ブラジルの状況が確定するまでコーン相場は高止まりが続くと予想している。

 


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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