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コラム
column

2021/05/13

穀物速報:5月のUSDA需給報告と今後の見通し(つらつら分析2021年5月13日)

ダイジェスト

・大豆(アメリカ)
 2021/2022年シーズンの予想が始まる
 大豆の生産量は前シーズンより2.70億ブッシェル増加した44.05億ブッシェルと予想
 需要面では油脂用が0.35億ブッシェル増加するが輸出が2.05億ブッシェル減少、総需要は44.20億ブッシェルと1.55億ブッシェルの引き下げとなった。これは期初在庫の減少で大豆の供給が1.35億ブッシェルの引き下げとなり輸出したくてもする大豆がない状況となるためと考えられる
 2021/2022年の予想期末在庫は1.40億ブッシェルで2020/2021年シーズンから0.20億ブッシェルの増加
 在庫は直近7年でも最低水準で需給のひっ迫が続く

・コーン(アメリカ) 
 2021/2022年シーズンの予想が始まる
 前シーズンと比べて生産量は8.08億ブッシェル引き上げられ149.90億ブッシェルとなる見通し。
 需要面ではバイオエタノール用で2.25億ブッシェルの増加を見込むが輸出用では3.25億ブッシェルの引き下げとなり、総需要は1.05億ブッシェル引き下げられた147.65億ブッシェルとなる見通し
 2021/2022年シーズンの予想期末在庫は2020/2021年シーズンの予想期末在庫から2.50億ブッシェル増加した15.07億ブッシェルとなり市場予想(ロイター調べで13.44億ブッシェル)を上回る弱気な結果となった
 USDAと同日に発表されたブラジル食料供給公社(Conab)の5月のコーンの生産量予測は前月から300万トン引き下げられた1億600万トン

・世界需給
 乾燥の為ブラジルのコーン生産量が700万トン引き下げられた1億200万トンとなった一方で大豆生産量は1億3600万トンで据え置き
 アルゼンチンのコーン生産量は4700万トンで据え置かれたが、大豆生産量は50万トン引き下げられた4700万トンとなった
 世界需要は大豆・コーン共に引き下げとなったが、生産量もほぼ同様に引き下げられたため、需給バランスには大きな変化がない

総評

 USDAは日本時間5月12日25時に5月の穀物の需給報告を発表した。今回の報告ではアメリカの2021/2022年シーズンの収穫量予測が出ることや、南米ブラジルのうち、豊作となった大豆生産量と乾燥による収量減が懸念されているコーン生産量が注目材料となった。
 2021/2022年シーズンの大豆の生産量は前シーズンより2.70億ブッシェル増加した44.05億ブッシェルと予想されている。ただし、期初在庫が少ないため供給量は2020/2021年シーズンを1.35億ブッシェル下回る見込みで、総需要量も1.55億ブッシェルの引き下げとなった。需要面の内訳では圧搾(油脂)用が0.35億ブッシェルの引き上げ、輸出用が2.05億ブッシェル引き下げとなった。輸出の減少は需要減ではなく、供給量が減ったために輸出したくてもこれ以上輸出できない状況となっていることが要因。2021/2022年シーズンの予想期末在庫は2020/2021年シーズンの期末在庫と比べて0.20億ブッシェル引き上げられた1.40億ブッシェルとなったが、2019/2020年シーズンの3分の1以下の量であり需給のひっ迫は続く見通し。価格予想は1385セントと約20%の大幅な上昇となっている。
 2021/2022年シーズンのコーンの生産量は前シーズンと比較して8.08億ブッシェル引き上げられた149.90億ブッシェル、供給量が1.50億ブッシェル引き上げられた162.72億ブッシェルとなる見込み。消費側ではバイオエタノール用が2.25億ブッシェル引き上げられた52.00億ブッシェルとなったが、輸出が3.25億ブッシェル引き下げられ24.50億ブッシェルとなる見通し。2021/2020年シーズンの期末在庫は2020/2021年シーズンから2.50億ブッシェル引き上げられた15.07億ブッシェル、価格は30%上昇した570セントとなる見込み。
 世界の大豆生産では南米アルゼンチン産は4700万トンと50万トンの引き下げ、ブラジル産は1億3600万トンで据え置かれた。南米産コーンではアルゼンチン産が4700万トンで据え置き、乾燥の続くブラジル産は1億200万トンと700万トンの大幅引き下げとなった。需要面では主要輸入国の内、ロックダウンの続く欧州向けが大豆で74万トン、コーンで400万トンの引き下げとなった。中国向けは大豆コーン共に大きな変化がなかった。世界需要では大豆・コーン共に引き下げとなったが、生産量もほぼ同量引き下げられたため、需給状況は大きな変化がなかった。
 大豆相場は期末在庫が増えたものの需給ひっ迫の状況が続くとの見方から買われる場面もあったが、期末在庫の増加を受けて利食い売りが出て下落した。コーン相場は一時ブラジル産の生産量引き下げを受けて買われたが、市場予想と比べて期末在庫が予想外の弱気な内容となったことで利食い売りが優勢となり下落で引けた。

需給-大豆-

 表1が大豆の2019/2020年シーズン(旧旧穀)の需給予想と2020/2021年シーズン(旧穀)、2021/2022年シーズン(新穀)の需給見通しで、2020/2021年シーズンについては前月の報告と比較している。

           2019/2020年
シーズン
(旧旧穀)
(5月時点)
2020/2021年
シーズン
(旧穀)
予想
(4月時点)
2020/2021年
シーズン
(旧穀)
予想
(5月時点)
2021/2022年
シーズン
(新穀)
見通し
(5月時点)
作付面積(万エーカー)      7610831083108760
収穫面積(万エーカー)7490823082308670
単収(ブッシェル/エーカー)47.450.250205080
期初在庫(億ブッシェル)9.095.255.251.20
生産量(億ブッシェル)35.5241.3541.3544.05
輸入(億ブッシェル)0.150.350.350.35
供給合計(億ブッシェル)44.7646.9546.9545.60
消費合計(億ブッシェル)39.5245.7545.7544.20
 内圧砕(油)(億ブッシェル)21.6521.9021.9022.25
 内輸出(億ブッシェル)16.8222.8022.8020.75
期末在庫(億ブッシェル)5.251.201.201.40
平均価格(セント/ブッシェル)857112511251385
表1 大豆の需要と供給見通し(出展元 USDA)
*2019/2020年、2020/2021年の内、作付面積、収穫面積、単収、期初在庫は実測値
*2021/2022年の内、作付面積、収穫面積、単収、期初在庫は推定値

 今月の報告では2021/2022年シーズン(新穀)の予想が始まった。作付面積や生産量、収量などの増加で生産量は2020/2021年シーズンを1.70億ブッシェル上回る見込み。ただし、期初在庫が少ないため供給量(生産量+期初在庫)が2020/2021年シーズンを1.35億ブッシェル下回る見通し。2021/2022年シーズンの需要面では圧搾(油脂)用が0.35億ブッシェルの引き上げとなったが、輸出用が2.05億ブッシェル引き下げられた。輸出の減少は需要が減少したのではなく、大豆供給量が減ったためで輸出したくてもこれ以上輸出できない状況となっている。総需要量は1.55億ブッシェルの引き下げとなった。2021/2022年シーズンの予想期末在庫は2020/2021年シーズンの期末在庫と比べて0.20億ブッシェル引き上げられた1.40億ブッシェルとなったが、2019/2020年シーズンの3分の1以下であり需給のひっ迫は続く見通し。価格予想については約20%の大幅な上昇した1385セントとなっている。

需給-コーン-

 表2はコーンの2019/2020年シーズン(旧旧穀)の需給予想と2020/2021年シーズン(旧穀)、2021/2022年シーズン(新穀)の需給見通しで、2020/2021年シーズンについては前月の報告と比較している。

           2019/2020年
シーズン
(旧旧穀)
(5月時点)
2020/2021年
シーズン
(旧穀)
予想
(4月時点)
2020/2021年
シーズン
(旧穀)
予想
(5月時点)
2021/2022年
シーズン
(新穀)
見通し
(5月時点)
作付面積(万エーカー)      8970908090809110
収穫面積(万エーカー)8130825082508350
単収(ブッシェル/エーカー)167.5172.0172.0179.5
期初在庫(億ブッシェル)22.2119.1919.1912.57
生産量(億ブッシェル)136.20141.82141.82149.90
輸入(億ブッシェル)0.040.020.020.02
供給合計(億ブッシェル)158.83161.27161.27162.72
消費合計(億ブッシェル)139.63147.75148.70147.65
 内飼料用(億ブッシェル)58.9757.0057.0057.00
 内工業・種子・食品用(億ブッシェル)62.8764.0063.9566.15
  内エタノール用(億ブッシェル)48.5749.7549.7552.00
 内輸出(億ブッシェル)17.7826.7527.7524.50
期末在庫(億ブッシェル)19.1913.5212.5715.07
平均価格(セント/ブッシェル)356430435570
表2 コーンの需要と供給見通し(出展元 USDA)
*2019/2020年、2020/2021年の内、作付面積、収穫面積、単収、期初在庫は実測値
*2021/2022年の内、作付面積、収穫面積、単収、期初在庫は推定値

 今月の報告では2021/2022年シーズン(新穀)の作付面積などの予想が始まった。2021/2022年シーズンの生産量は2020/2021年シーズンと比較して8.08億ブッシェル引き上げられた149.90億ブッシェル、供給量が1.50億ブッシェル引き上げられた162.72億ブッシェルとなった。消費側ではバイオエタノール用が2.25億ブッシェル引き上げられた52.00億ブッシェルとなったが、輸出が3.25億ブッシェル引き下げられ24.50億ブッシェルとなる見通し。これにより2021/2020年シーズンの期末在庫は2020/2021年シーズンから2.50億ブッシェル引き上げられた15.07億ブッシェル、価格は30%上昇した570セントとなる見込み。

世界需給のダイジェスト

大豆

 2020年/2021年シーズン(旧穀)の世界の予想生産量は前月の3億6319万トンから約24万トン引き下げられた3億6295万トンとなった。主要国生産国ではアメリカ産が1億1255万トンで据え置き、南米ではアルゼンチン産が4700万トンで50万トンの引き下げ、パラグアイ産が990万トンと20万トンの引き上げ、ブラジル産は1億3600万トンで据え置きとなった。アルゼンチン産が乾燥の影響で減少、パラグアイ産は逆に天候に恵まれたため増産となった。
 需要側では世界全体の消費量が4月の3億6955万トンから約22万トン引き下げられた3億6933万トンとなった。主要輸入国である中国の需要が20万トン引き下げらられた1億1450万トン、欧州需要は74万トン引き下げられた1792万トンとなった。

コーン

 2020年/2021年シーズン(旧穀)の世界の予想生産量は前月の11億3705万トンから859万トン引き下げられた11億2846万トンとなった。主要生産国ではアメリカ産が3億6025万トンで据え置き、アルゼンチン産が4700万トンで据え置き、ブラジル産が1億200万トンと700万トンの引き下げ、南アフリカ産が1700万トンで据え置き、ロシア産が1387万トンで据え置き、ウクライナ産が3030万トンと80万トンの引き上げられた。
 乾燥の続くブラジル産が前月の報告と比べて700万トンの大幅引き下げとなった。
 世界の予想需要は前月の11億5619万トンから約678万トン引き下げられた11億4941万トンとなった。主要輸入国のうち欧州が400万トン引き下げられた7330万トン、日本は20万トン引き下げられたた1540万トン、韓国が1140万トンで据え置き、メキシコは35万トン引き下げられた4350万トンとなった。中国需要は2億8900万トンで据え置かれた。

今後の見通し

 5月のアメリカの需給報告では2021年/2022年シーズンの大豆・コーンの予想が始まった。作付面積や収量の増加で大豆・コーン共に生産量が増加する見通し。大豆の在庫が引き続き過去7年で最低水準に近いため、生産量が増加しても供給量(生産量+期初在庫)が減少する見込みで、売る大豆のない輸出量が引き下げられた。コーンの期末在庫はバイオエタノール需要が景気回復やエコ政策の影響で2.25億ブッシェル引き上げられたものの、輸出量が3.25億ブッシェルの大幅引き下げとなったため、予想期末在庫は15.07億ブッシェルと事前予想外の増加となった。

 世界需給の内、供給面では前月の報告と比べて干ばつの続くブラジル産コーンの予想生産量が700万トンの大幅引き下げとなった。大豆の予想生産量はアルゼンチン産が乾燥の影響を受けて50万トンの引き下げとなったが、ブラジル産は1億3600万トンで据え置きだった。
 需要面では主要輸入国の内、ロックダウンの続く欧州向けが大豆で74万トン、コーンで400万トンの引き下げとなった。中国向けは大豆コーン共に大きな変化がなかった。世界需要では大豆が22万トン、コーンが442万トンの引き下げとなった。一方で生産量は大豆で24万トンの引き下げ、コーンで678万トンの引き下げとなり需給バランスには大きな変化はなかった。

 今後の大豆相場は世界の植物油需要が高止まりしているなどの理由で大豆の需給のひっ迫と高値は続くと予想されている。コーンについてはUSDAと同日に発表されたブラジル食料供給公社(Conab)のコーンの生産量予測は前月から300万トン引き下げられた1億600万トンだった。ブラジルの乾燥はまだ続いており最終的な収穫量が確定するとされる5月末までに更に被害が拡大するとの見方がありコーン相場が上昇を続ける可能性が残っている。引き続き南米の天候には留意が必要だが、市場の関心はアメリカでの農作業進展と作柄に移りつつあるので、毎週の農作業動向やアメリカの天候に注意したい。
 


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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