会員限定ページへログイン

IDとパスワードは半角英数字で入力してください。
最新情報をすぐに閲覧したい方は有料メルマガ登録(まぐまぐ!)をしてください。

  • ◆ ID
  • ◆ パスワード

コラム
column

2021/05/17

エネルギー速報:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(つらつらコラム2021年5月17日)

ダイジェスト

・5月13日発表の天然ガス在庫は各社予想75Bcf増に対して71Bcf増と2週間連続で強気な内容となった
・5月13日時点の天然ガス在庫量は2029Bcf(有効容量の47.6%)と在庫増加が続くが、好調なLNG輸出のために平年より在庫増加スピードが低く過去5年平均、前年度の在庫のいずれをも下回っている
・5月6日から5月12日の期間内の天然ガス供給量は96.7Bcf(前週比0.6Bcf増加)、天然ガス生産量が0.2Bcf増加、カナダからの輸入量が0.3Bcf増加
・5月6日から5月12日の期間内の天然ガス国内需要量は89.1Bcf(前週比4.3Bcf増)
・国内需要の内訳は発電需要が1.5Bcf増、住宅・商業用需要が5.0Bcf増、工業用は0.6Bcf増
・LNG輸出用需要は11.2Bcfと前週から横ばい
・メキシコ向けパイプライン輸出需要は0.3Bcf増加した6.2Bcf
・5月17日から2週間の間、アメリカ西部から大西洋岸にかけての地域では平年以上の気温、太平洋岸では平年並みの気温、山岳地域北側では平年以下の気温となる見通し

週間天然ガス在庫総評

 EIAが5月13日に発表した5月7日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で71Bcfの増加となり2029Bcfとなった。在庫の増加量は各社予想の75Bcf増加を下回り2週間連続で強い内容となった。天然ガス相場は低調な値動きが続いているが、強気な在庫発表を受けて1MMBtu当たり3ドル直前まで上昇した。図1は天然ガス在庫量を過去5年の平均・変動幅と比較しているが、現在の在庫量は過去5年平均(図1赤線)を総量でやや下回る状況が続いている。これは生産量が前年より横ばいにもかかわらず、LNG輸出が好調なことが影響していると考えられる。

Working Gas in Underground Storage Compared with Five-Year Range
図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

 表1はアメリカの地域別の在庫内訳となる。今週はすべての地域の天然ガス在庫が増加している。全米の在庫量は2029Bcfで平年(5年間の平均)に比べて72Bcf少なく、前年比で378Bcf少ない。輸出が好調なためか在庫の増加スピードが例年より低下している。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の43.2%、有効容量(4261Bcf)の47.6%となっている。

表1 アメリカの天然ガス在庫量(出展 EIA)
Cは在庫の修正が行われたことを示す

天然ガス供給

 表2は5月6日から5月12日の間の天然ガス供給量内訳となる。天然ガスの生産は91.8Bcfと前週より0.2Bcfの増加、カナダからの輸入は4.8Bcfと前週から0.3Bcfの増加となった。これにより天然ガスの総供給量は前週比で0.6Bcf増加した96.7Bcfとなった。

表2 天然ガス供給内訳(出展元 EIA)

天然ガス需要

 表3は5月6日から5月13日の間の天然ガス需要量内訳となる。需要量全体は89.1Bcfと前週比で4.3Bcfの増加となった。
 アメリカの国内需要は65.4Bcfと前週比で3.9Bcfの増加となった。内訳では発電需要が1.5Bcf減少した26.0Bcf、工業需要は0.6Bcf増加した22.1Bcf、住宅・商業用需要は暖房用需要の増加で前週比で5.0Bcf増加した17.4Bcfとなった。
 輸出需要ではメキシコ向けパイプライン輸出が前週比0.3Bcf増加した6.2Bcf、LNG輸出は前週から横ばいの11.2Bcfだった。

表3 天然ガス需要セクタ別内訳(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

4月13日時点4月20日時点4月27日時点5月4日時点5月11日時点
原油用344基343基342基344基352基
天然ガス用94基94基94基103基100基
表4 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

 表4はベーカー・ヒューズ社が毎週金曜日に発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。今回は2週分について解説する。5月7日発表のレポート(5月4日時点)の稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から2基増の344基、天然ガス採掘用リグ稼働数は9基増の103基、リグの総数はどちらの用途でもない1基のリグを加えて前週から11基と大幅増加した448基となった。5月14日発表のレポート(5月11日時点)の稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から8基増の352基、天然ガス採掘用リグ稼働数は3基減の100基だった。リグの総数はどちらの用途でもない1基のリグを加えて前週から5基増加した453基となった。ここ2週間で天然ガス採掘用リグ数が100基を回復するなどリグ数の増加が続いている。

今後の見通し

LNG輸出

 図2はNGI社が提供している天然ガスパイプライン流量でLNG輸出量の推定値となる。5月10日まではおおむね11Bcf以上で推移していたが、11日以降は減少して10Bcf台前半まで減少している。EIAによると5月6日から5月12日の間に全米6か所のLNG輸出基地に寄港したLNGタンカーは前週より1隻少ない21隻で前週比で10Bcf少ない74BcfのLNGが輸出された。

図2 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

 図3はNOAAが今日発表した10日後から14日後(5月24日から5月30日)の気温予報で山岳地域北側で平年以下の気温、太平洋岸や山岳地域南側では平年並みの気温、アメリカ西部から大西洋岸までは平年以上の気温となる見通し。図4は4月30日NOAA発表の1か月予報で引き続きアメリカの南側を中心に全国的に平年以上の気温となる見通しとなっている。

まとめ

 5月13日に発表された5月7日時点の天然ガス在庫は各社予想の75Bcf増を下回る71Bcf増と2週間連続で強気な内容となった。天然ガス相場も低調な動きが続いていたが、天然ガス在庫が強気な内容となったことをうけて発表後に上昇して高値を付けている。今回の発表では天然ガス生産が前週より0.2Bcfの増加と2週連続の増加となった。
 発表された5月6日以降の天然ガス需要内訳をみると、気温の低下により住宅・商業用需要が5.0Bcf増加したのが需要変動の中で最大だった。直近1週間のLNG輸出需要は5月10日までは11Bcf台だったが、11日以降はやや落ち込みおおむね日量10Bcf台前半付近で推移している。前週と比べてLNGの輸出は前週1週間で84BcfのLNGが輸出されたのに対して今週の統計では10Bcf少ない74Bcfの輸出となったが好調な輸出は続いている。
 直近ではリグ数の増加傾向や生産量の増加傾向が続いているが、輸出需要の増加で在庫の積み上がりスピードが低下している。これにより材料に乏しい状態ともなっている。今後、冷房シーズンが始まるまでのしばらくの間は、生産量や輸出需要についての調査会社の発表や、EIA在庫情報、天気予報などに相場が左右される状況が続くと考えられ、市場は値幅の小さい値動きが続くのではないだろうか。

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

Contact

お問い合わせ

お問い合わせ、アポイント予約は
こちらからお気軽にご連絡ください。

Register

有料メルマガ登録

有料メルマガ登録をしていただいた方は
鍵マークのついた記事もご購読いただけます。