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コラム
column

2021/05/03

穀物速報:ブラジルのコーン産地事情(つらつらコラム2021年5月3日)

ダイジェスト

・需給ひっ迫の見方によるコーン相場の上昇が続く
・4月30日のコーン相場はストップ高で終了
・乾燥が進むブラジルでは少なくとも2週間後までの雨が期待できない見通し
・農業コンサルタントや農業会社は相次いでブラジル産コーンの生産量予測の引き下げを始めている
・USDAによる次回の生産量予測の発表は5月12日、Conab(ブラジル食料供給公社)も12日を予定

コーン相場の高騰

 4月下旬のコーン相場はブラジルで乾燥が続き、2期作目のコーンの作柄が悪化するとの懸念やアメリカへの寒気の到来で農作業が遅れるとの懸念など需給のひっ迫の見方を材料に上昇を続けた。4月20日から27日の間に600セントから20%上昇し、一時720セントに到達した。限月乗り換えもあり一旦上げが一段落したが、30日には再びストップ高を記録している。

ブラジルでのコーン生産

図1 ブラジルの地図(出展元 農畜産業振興機構)
図2 クロップカレンダー(出展元 農畜産業振興機構)

 図1はブラジルの地図を図2はブラジルの穀物の生産スケジュールとなる。筆者が2期作目のコーンと呼んでいるものは、表作の大豆の次に植えられる2期作目(裏作)のコーンを指している。サフリナコーンとも呼ばれるが、これはポルトガル語で僅かな収穫のコーン位の意味合いで、元々は表作の後にとりあえず植えられたコーンで収穫は期待されていなかった作物だった。ところが、近年の品種の改良などの栽培技術の向上と作付面積の拡大から年々生産量が上がり、既に表作のコーンの生産量を抜き去ってブラジルのコーン輸出のほとんどを担う、”僅かな”などとはとても呼べない主要作物まで成長している。主要な生産州は中西部のマトグロッソ州、マトグロッソ・ド・スル州、ゴイアス州、南部のパラナ州などとなっている。

2020年/2021年シーズンのブラジル産コーン

 4月8日にConab(ブラジル食料供給公社)が発表した2021年のブラジルのコーンの予想生産量は約10900万トン、内サフリナコーンの生産量は約8000万トンとこれまでのサフリナコーンの生産記録である7500万トン(2019年/2020年シーズン)を更新すると考えられていた。ところが、2020年の秋の干ばつで表作の大豆の作付が遅れ、それに伴って大豆収穫の後に植えられる2021年のサフリナコーンの作付に通常より3週間から5週間の遅れが生じた。通常は2月中にはコーンの作付がほとんど終わっているところ3月中旬までずれ込んでいる。ブラジルでは4月までが雨季で5月から乾季となるため、それまでにコーンは水分を必要とする受粉期から粒が形成されるデント期までを終えていなければならない。しかし、作付遅れて約半分のコーンが最適な作付時期を逸しており、受粉期が5月からの乾季にずれ込み作柄が悪化する事が懸念されていた。加えて雨季の最後に当たる4月の降水量が場所によっては例年の半分以下となるなど、平年より少なくなったことが作柄悪化懸念を加速させている。

 図3は4月30日時点のブラジルの過去30日の平年との降水量の差を、図4は過去14日の平年との降水量の差を示している。図中、茶色であるほど降水量が少なく、緑であるほど降水量が多いことを示している。どちらもブラジルのサフリナコーンの主要産地であるマトグロッソ州以南で月の降水量が50mm以上少なくなっている。現地からの報告によれば、サフリナコーンの最大の生産州であるマトグロッソ州ではこのまま乾燥が続けば、コーンの生産量の最大50%が損失するという推計も出ている。被害は拡大しているが、最終的な損失が確定するのは5月終わりとなる見込み。

今後の見通し

 図5と図6はNOAAの降水予報で、図5は5月1日から7日までの図6は5月8日から14日までの平年との降水量の差を示している。図中、茶色であるほど平年より降水量が少なく、白が平年と同等、緑であるほど降水量が多いことを示している。サフリナコーンの主要生産地であるマトグロッソ州やパラナ州やマトグロッソ・ド・スル州、ゴイアス州といったサフリナコーンの主要産地(上記4州で全体の86.2%)では茶色が多く、平年以下の降水しかない地域か広がり少なくとも5月中旬まで畑の乾燥状態は大きく改善しないことを示している。これによりコーンの生産量が大幅に引き下げられる可能性が高まっており、既に毎週のように農業会社や農業コンサルタント会社による生産量推計の引き下げが続いている。ConabやUSDAの生産量推計が引き下げられれば、コーン相場の一段高が予想されるので生産量予測(Conabが日本時間5月12日21時、USDAが5月12日25時)に注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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