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コラム
column

2021/06/11

穀物速報:6月のUSDA需給報告と今後の見通し(つらつら分析2021年6月11日)

 

ダイジェスト

・大豆(アメリカ)
 2020/2021年シーズンの大豆需要のうち油脂用の圧砕需要が前月より0.15億ブッシェル引き下げられた21.75億ブッシェルとなったことから期末在庫が0.15億ブッシェル引き上げられた1.35億ブッシェル
 2021/2022年シーズンの期初在庫の引き上げにより期末在庫が0.15億ブッシェル引き上げられた1.50億ブッシェル
 需給のひっ迫がやや緩む見通し

・コーン(アメリカ) 
 2020/2021年シーズンのコーン需要のうちバイオエタノール用需要が0.72億ブッシェル引き上げられた50.50億ブッシェル、輸出用需要が0.75億ブッシェル引き上げられた28.50億ブッシェルとなった。これにより2020/2021年シーズンの期末在庫が前月の予想から1.50億ブッシェル引き下げられた11.07億ブッシェル
 2021/2022年シーズンの期初在庫の引き下げにより、期末在庫も1.50億ブッシェル引き下げられた13.57億ブッシェル
 USDAと同日に発表されたブラジル食料供給公社(Conab)の6月のコーンの生産量予測は前月から1000万トン引き下げられた9600万トン 
 需給のひっ迫が強まる見通し

・世界需給
 乾燥の為ブラジルのコーン生産量が350万トン引き下げられた9850万トンと1億トンを割り込んだ。一方で大豆生産量は1億3700万トンで100万トン引き上げ
 ブラジル以外の大豆・コーン生産国の2021/2021年シーズンの生産量は据え置き
 世界需要は需要側の変動幅は小さくほぼ据え置きとなった。供給面ではブラジルの生産量の変動が大きかった。生産が増加した大豆では需給ひっ迫が緩み、減少したコーンでは需給のひっ迫が強まる見通し

総評

 USDAは日本時間6月11日25時に6月の穀物の需給報告を発表した。今回の報告では乾燥による収量減が懸念されているブラジルのコーン生産量予想が注目材料となった。
 2020/2021年シーズンの大豆需要のうち油脂用の圧砕需要が前月より0.15億ブッシェル引き下げられた21.75億ブッシェルとなったことから期末在庫が0.15億ブッシェル引き上げられた1.35億ブッシェルとなった。このため2021/2022年シーズンの期初在庫(2020/2021年シーズンの期末在庫が引き継がれる)も1.35億ブッシェルとなり、同シーズンの供給量と期末在庫がそれぞれ0.15億ブッシェル引き上げられた45.75億ブッシェル、1.55億ブッシェルとなった。
 2020/2021年シーズンのコーン需要のうちバイオエタノール用需要が0.72億ブッシェル引き上げられた50.50億ブッシェル、輸出用需要が0.75億ブッシェル引き上げられた28.50億ブッシェルとなった。これにより2020/2021年シーズンの期末在庫が前月の予想から1.50億ブッシェル引き下げられた11.07億ブッシェルとなった。このため2021/2022年シーズンのコーンの期初在庫が1.50億ブッシェル引き下げられた11.07億ブッシェルとなり、同シーズンの供給量が1.50億ブッシェル引き下げられた161.22億ブッシェル、期末在庫も1.50億ブッシェル引き下げられた13.57億ブッシェルとなった。

 世界の大豆生産では南米ブラジル産が億3700万トンと100万トンの引き上げ、コーンでは乾燥の続くブラジル産は9850万トンと700万トンの大幅引き下げとなった。需要面では主要輸入国の輸入量は大豆・コーンともに据え置かれた。
 大豆相場は2020/2021年シーズンの期末在庫が1.35億ブッシェルと事前予想(1.22億ブッシェル、ロイター調べ)より増えたことで売りが加速し約20セントの下落となった。一方のコーン相場は2020/2021年シーズンのブラジル産の生産量引き下げ、ブラジルの生産量が引き下がった分アメリカの輸出が増加するとの見方、景気回復によるバイオエタノール用需要の引き上げにより期末在庫が1.50億ブッシェルの増加と予想(12.57億ブッシェル、ロイター調べ)外の強気な内容となったことで一時強く買われたが、利食い売りが優勢となり上げ幅を削った。

需給-大豆-

 表1が大豆の2020/2021年シーズン(旧穀)と2021/2022年シーズン(新穀)の需給見通しで、それぞれ前月の報告と比較している。

           2020/2021年
シーズン
(旧穀)
予想
(5月時点)
2020/2021年
シーズン
(旧穀)
予想
(6月時点)
2021/2022年
シーズン
(新穀)
見通し
(5月時点)
2021/2022年
シーズン
(新穀)
見通し
(6月時点)
作付面積(万エーカー)      8310831087608760
収穫面積(万エーカー)8230823086708670
単収(ブッシェル/エーカー)5020502050805080
期初在庫(億ブッシェル)5.255.251.201.35
生産量(億ブッシェル)41.3541.3544.0544.05
輸入(億ブッシェル)0.350.350.350.35
供給合計(億ブッシェル)46.9546.9545.6045.75
消費合計(億ブッシェル)45.7545.6044.2044.20
 内圧砕(油)(億ブッシェル)21.9021.7522.2522.25
 内輸出(億ブッシェル)22.8022.8020.7520.75
期末在庫(億ブッシェル)1.201.351.401.55
平均価格(セント/ブッシェル)1125112513851385
表1 大豆の需要と供給見通し(出展元 USDA)
*2020/2021年の内、実測値である作付面積、収穫面積、単収、期初在庫以外は推定値
*2021/2022年の内、作付面積、収穫面積、単収、期初在庫は推定値

 

 今月の報告での大きな変化は以下の通り。
2020/2021年シーズンのほとんどの項目は据え置きだったが、消費側で油脂用圧砕需要が0.15億ブッシェル引き下げられた45.60億ブッシェルとなり、2020/2021年シーズンの期末在庫は前月の予想から0.15億ブッシェル引き上げられた1.35億ブッシェルとなった。それ以外の項目は据え置きとなった。
2021/2022年シーズンの期初在庫が0.15億ブッシェル引き上げられた1.35億ブッシェルとなった。生産や消費が据え置きだったため、供給量や期末在庫も0.15億ブッシェル引き上げられて、それぞれ45.75億ブッシェル、1.55億ブッシェルとなった。それ以外の項目は据え置きだった。

需給-コーン-

 表2はコーンの2020/2021年シーズン(旧穀)、2021/2022年シーズン(新穀)の需給見通しをそれぞれ前月の報告と比較している。

           2020/2021年
シーズン
(旧穀)
予想
(5月時点)
2020/2021年
シーズン
(旧穀)
予想
(6月時点)
2021/2022年
シーズン
(新穀)
見通し
(5月時点)
2021/2022年
シーズン
(新穀)
見通し
(6月時点)
作付面積(万エーカー)      9080908091109110
収穫面積(万エーカー)8250825083508350
単収(ブッシェル/エーカー)172.0172.0179.5179.5
期初在庫(億ブッシェル)19.1919.1912.5711.07
生産量(億ブッシェル)141.82141.82149.90149.90
輸入(億ブッシェル)0.020.020.02002
供給合計(億ブッシェル)161.27161.27162.72161.22
消費合計(億ブッシェル)148.70150.20147.65147.65
 内飼料用(億ブッシェル)57.0057.0057.0057.00
 内工業・種子・食品用(億ブッシェル)63.9864.7066.1566.15
  内エタノール用(億ブッシェル)49.7550.5052.0052.00
 内輸出(億ブッシェル)27.7528.5024.5024.50
期末在庫(億ブッシェル)12.5711.0715.0713.57
平均価格(セント/ブッシェル)4.35435570570
表2 コーンの需要と供給見通し(出展元 USDA)
*2020/2021年の内、実測値である作付面積、収穫面積、単収、期初在庫以外は推定値
*2021/2022年の内、作付面積、収穫面積、単収、期初在庫は推定値

 今月の報告での大きな変化は以下の通り。
2020/2021年シーズンの消費側でバイオエタノール用需要が0.72億ブッシェル引き上げられた50.50億ブッシェル、輸出用需要が0.75億ブッシェル引き上げられた28.50億ブッシェルとなった。これにより2020/2021年シーズンの期末在庫は前月の予想から1.50億ブッシェル引き下げられた11.07億ブッシェルとなった。それ以外の項目は据え置きとなった。
2021/2022年シーズンのコーンの期初在庫が1.50億ブッシェル引き下げられた11.07億ブッシェルとなった。生産や消費が据え置きだったため、供給量も同様に1.50億ブッシェル引き下げられた161.22億ブッシェルとなった。更に供給量が減ったことで期末在庫も1.50億ブッシェル引き下げられた13.57億ブッシェルとなっている。

世界需給のダイジェスト

大豆

 2020年/2021年シーズン(旧穀)の世界の予想生産量は前月の3億6295万トンから約412万トン引き上げられた3億6407万トンとなった。主要国生産国ではアメリカ産が1億1255万トンで据え置き、南米ではアルゼンチン産が4700万トンで据え置き、パラグアイ産が990万トンとで据え置き、ブラジル産は天候に恵まれたことで生産量が1億3700万トンと100万トン引き上げられた。
 需要側では世界全体の消費量が4月の3億6933万トンから約34万トン引き下げられた3億6899万トンとなった。主要輸入国である中国の需要は1億1450万トンで据え置き、欧州需要も1792万トンで据え置かれた。

コーン

 2020年/2021年シーズン(旧穀)の世界の予想生産量は前月の11億2846万トンから343万トン引き下げられた11億2503万トンとなった。主要生産国ではアメリカ産が3億6025万トンで据え置き、アルゼンチン産が4700万トンで据え置き、ブラジル産が前月の1億200万トンから350万トン引き下げられた9850万トン、南アフリカ産が1700万トンで据え置き、ロシア産が1387万トンで据え置き、ウクライナ産が3030万トンで据え置きだった。
 乾燥の続くブラジル産が前月の報告と比べて350万トンの大幅引き下げとなった。
 世界の予想需要は前月の11億4941万トンから約47万トンと小幅に引き上げられた11億4988万トンとなった。主要輸入国のうち欧州が7330万トンで据え置き、日本は1540万トンで据え置き、韓国も1140万トンで据え置き、メキシコも4350万トンで据え置かれた。中国需要も2億8900万トンで据え置かれた。

今後の見通し

 6月のアメリカの需給報告では2020年/2021年シーズンの大豆消費の一部が減ったため大豆の予想期末在庫は1.55億ブッシェルと事前予想(1.22億ブッシェル、ロイター調べ)を上回る増加となった。一方で2020年/2021年シーズンのコーン消費のうち輸出用とバイオエタノール用が増えたためコーンの予想期末在庫は1.50億ブッシェル引き下げられた11.07億ブッシェルと事前予想(12.57億ブッシェル、ロイター調べ)を下回る減少となった。

 世界需給の内、供給面では前月の報告と比べてブラジル産コーンの予想生産量が350万トンの大幅引き下げとなったがそれ以外の国は据え置かれた。大豆の予想生産量はブラジル産が100慢トン引き上げられた1億3700万トンとなり、他の生産国は据え置きだった。
 世界需要では大豆が34万トンの引き下げ、コーンが44万トンの引き上げとなったが大きなへんかはなかった。一方で生産量は大豆で412万トンの引き上げ、コーンで343万トンの引き下げとなり大豆の需給ひっ迫はやや緩和、コーンの需給はさらにひっ迫が続く見通し。

 今後の大豆相場は大豆需給のひっ迫が解消に向かうと考えられ下落すると予想している。コーンについてはUSDAと同日に発表されたブラジル食料供給公社(Conab)の6月のコーンの生産量予測が前月から1000万トン引き下げられた9600万トンと1億トンを割り込んでいる。ブラジルでは一部で雨が降っているが遅すぎたとの評価となっている。引き続きブラジルのコーン産地の天候には注意が必要だが、市場の関心はアメリカでの農作業進展やコーンベルトで進んでいる高温乾燥が作柄に与える影響へ移りつつある。毎週月曜日に発表されるの農作業動向(クロッププログレスレポート)やアメリカの天候予報に注意したい。
 


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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