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コラム
column

2021/06/15

穀物速報:今週のクロッププログレスレポート(つらつらコラム2021年6月15日)

ダイジェスト

・コーンベルトは高温乾燥となったものの、大豆とコーンの農作業の進展率は平年を大きく上回り好調だった前年も上回るペースで進でいる
・前週はコーンベルトのほぼ全域で高温乾燥となり農作業に影響が出る懸念が高まったが、各地で雨が降ったことで高温乾燥懸念による上昇から下落に相場が反転しつつある
・現時点のコーンの作柄予想は豊作あるいは大豊作が68%、平年並が27%、凶作あるいは大凶作が5%と前週より悪化したため豊作の割合が70%を割り込む
・現時点の大豆の作柄予想は豊作あるいは大豊作が62%、平年並が30%、凶作あるいは大凶作が8%と前年と比べても悪化が進んでいる。
・アメリカ政府が燃料精製業者に対する救済策としてバイオ燃料の混合義務を緩和するとの報道

クロッププログレスレポートと市況

 昨日6月14日にUSDAは今週のクロッププログレスレポートを発表した。大豆・コーン市場はコーンベルトで恵みの雨が降り生育が順調に進むとの見方やアメリカ政府が燃料精製業者に対する救済策として高騰しているバイオ燃料の混合義務を緩和するとの報道が懸念材料となり下窓で始まり、NY時間前から終盤にかけてさらに売り込まれて下落で引けている。
 アメリカ国内で販売されている自動車用燃料にはバイオ燃料を混合する義務があり、ガソリンには10%以上のバイオエタノール(多くがコーン由来)、ディーゼル燃料には5%以上のバイオディーゼル(およそ半分が大豆油由来、残りはコーン油や廃棄植物油)が混合されている。

アメリカ産コーンの農作業の進展率

 高温乾燥懸念はあるが農作業自体は順調に進展している。表1は今週のコーンの発芽率を前週と前年、平年(過去5年の平均)と比較したものとなる。コーンの発芽率は平年と前年を上回るペースとなっている。*印のついた州は2020年のコーンの作付面積が500万エーカーを超えるコーンの主要生産州を示している。コーンの作付率を前週と前年度、過去5年間の平均と比較したものとなっている。

コーン発芽率2020/6/132021/6/62021/6/132016-2020
avg.
コロラド97688792
*イリノイ95939890
*インディアナ93889684
*アイオワ99969995
*カンザス94748691
ケンタッキー88859491
ミシガン83929777
*ミネソタ99969895
ミズーリ93919793
*ネブラスカ98959996
ノース・カロライナ10010010099
ノース・ダコタ71739086
オハイオ84839480
ペンシルヴァニア79688181
*サウス・ダコタ97939687
テネシー95969897
テキサス99909494
ウィスコンシン92909685
18州平均94909691
表1 コーンの発芽率(出展元 USDA)

 表2はコーンの作柄予想を示している。今週のコーンの作柄予想は豊作あるいは大豊作が68%、平年並が27%、凶作あるいは大凶作が5%となった。コーンベルトの高温乾燥の影響で前週と比べて作柄予想が悪化しており前年を下回っている。

コーンの作柄予想凶作あるいは大凶作平年並み豊作あるいは大豊作
2021年6月13日5%27%68%
2021年6月8日(前週)5%23%72%
2021年6月2日4%20%76%
前年5%24%71%
表2 コーンの作柄予想(出展元 USDA)
アメリカ産大豆の農作業の進展率

 表3は大豆の作付率を示していて、今週と前週、前年と平年(過去5年間の平均)と比較したものとなっている。作付の進展率は平年や前年を上回りまもなく終了の見込み。なお、表中の赤字はコーンベルト西側、青字はコーンベルト東側の州を示しており、*印のついた州は2020年の大豆の作付面積が500万エーカーを超える大豆の主要生産州を示している。

大豆作付率2020/6/132021/6/62021/6/132016-2020
avg.
アーカンソー85868788
*イリノイ93939587
*インディアナ93929686
*アイオワ99989995
カンザス88688280
ケンタッキー73748274
ルイジアナ97869298
ミシガン94979982
*ミネソタ9910010097
ミシシッピー95949594
*ミズーリ76658578
*ネブラスカ1009810096
ノース・カロライナ76727772
ノース・ダコタ88959795
オハイオ92899582
*サウス・ダコタ97979789
テネシー73727678
ウィスコンシン96979990
18州平均92909488
表3 大豆の作付率(出展元 USDA)

 表4は今週と前週の大豆の発芽率を前年と平年(過去5年平均)と比較したものとなる。今週も平年や前年を上回るペースで農作業が進展している。*印のついた州は2020年の大豆の作付面積が500万エーカーを超える大豆の主要生産州を示している。

大豆発芽率2020/6/132021/6/62021/6/132016-2020
avg.
アーカンソー74778280
*イリノイ82849175
*インディアナ83788871
*アイオワ92869383
カンザス71496359
ケンタッキー60576455
ルイジアナ90788594
ミシガン82879566
*ミネソタ97939786
ミシシッピー90839288
*ミズーリ57496561
*ネブラスカ93849185
ノース・カロライナ63586760
ノース・ダコタ55658375
オハイオ74748667
*サウス・ダコタ83869473
テネシー56596862
ウィスコンシン85839272
18州平均79768674
表4 大豆の発芽率(出展元 USDA)

 表5は大豆の作柄予想を示している。大豆が栽培されている州のうち上位18州の作柄予想は豊作あるいは大豊作が62%、平年並が30%、凶作あるいは大凶作が8%となっている。前週より悪化し前年と比べても作柄予想が悪くなっている。

大豆の作柄予想凶作あるいは大凶作平年並み豊作あるいは大豊作
2021年6月13日8%30%62%
2021年6月8日(前週)6%27%67%
前年4%24%72%
表5 大豆の作柄予想(出展元 USDA)
土壌乾燥率

 表6はコーンベルト各州の畑(表面と土中)の乾燥度を示している。USDAの発表は極度の乾燥、乾燥、普通、湿潤の4段階になっているが、最も乾燥の酷い極度の乾燥の畑の割合を示している。今週はコーンベルト西側のノース・ダコタ州で降雨により大きな改善が見られたが、コーンベルト西側のアイオワ州、ミネソタ州、サウス・ダコタ州、東側のウィスコンシン州で乾燥がかなり進んでいる。それ以外の週ではおおむね横ばいとなった。

乾燥度合い:
表面(前週)
乾燥度合い:
表面
乾燥度合い:
土中(前週)
乾燥度合い:
土中
イリノイ5665
インディアナ4455
アイオワ7241221
カンザス0111
ミネソタ1019713
ミズーリ0100
ネブラスカ3657
ノース・ダコタ49255335
オハイオ1211
サウス・ダコタ28362732
ウィスコンシン923816
48州平均12131413
表6 極度に乾燥している畑(表面と土中)の割合(出展元 USDA)

まとめ

 アメリカのコーンベルトでは前週、気温が上昇して雨が少ない高温乾燥状態となった。農作業自体は例年と比べて速いペースで進展しているものの、コーンベルト西側のサウス・ダコタ州、ミネソタ州、アイオワ州、東側のウィスコンシン州では乾燥状態が顕著に悪化した。一方で前週乾燥が進んでいたノース・ダコタ州では降雨により乾燥状態が大きく改善された。来週は気温がやや低下するほか平年以上の降雨が予想されており相場の懸念材料となりそうだ。
 コーンの作柄予想では豊作あるいは大豊作が68%、平年並が27%、凶作あるいは大凶作が5%と前週の予想から大きく悪化し、前年(豊作あるいは大豊作が71%、平年並が24%、凶作あるいは大凶作が5%)より豊作の率がやや悪くなっている。大豆の作柄予想は豊作あるいは大豊作が62%、平年並が30%、凶作あるいは大凶作が8%と前年(豊作あるいは大豊作が72%、平年並が24%、凶作あるいは大凶作が4%)と比べて豊作の率が10%と大きく下回っている。
 6月14日の穀物市場はコーンベルトの天気予報が低温湿潤と作物の生育に適した天候になることが懸念材料となり下窓で始まった。その他、アメリカ政府が燃料精製業者に向けた救済策として高騰しているバイオ燃料の混合義務を緩和するとの報道が懸念材料となってNY時間前から一段下げの展開となった。2週間後までは低温湿潤と予報されているが、天気予報の再変化に気を付けたい。このほかバイオ燃料関係の続報に注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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