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コラム
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2021/06/18

エネルギー速報:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(つらつらコラム2021年6月18日)

ダイジェスト

・6月18日発表の天然ガス在庫は各社予想70Bcf増に対して16Bcf増と在庫増加が予想を大きく下回る強気な内容だった。
・6月11日時点の天然ガス在庫量は2427Bcf(有効容量56.9%)と在庫増加が続いている。在庫量の増加スピードは今週は平年を下回り、平年との在庫量の差は126Bcfと前週の55Bcfと比べて71Bcf大きい
・6月10日から6月17日の期間内の天然ガス供給量は97.9Bcf(前週比0.1Bcf減少)、天然ガス生産量は0.5Bcf減少、カナダからの輸入量は0.4Bcfの増加
・6月10日から6月17日の期間内の天然ガス国内需要量は87.0Bcf(前週比0.4Bcf増加)
・国内需要の内訳は発電需要が0.8Bcf増加、住宅・商業用需要が0.8Bcf減少、工業用は0.1Bcfの減少となった。気温が上昇し冷房用の発電需要が増加する一方で、暖房用需要がさらに減り住宅・商業用需要が減少
・LNG輸出用需要は9.4Bcfで前週から横ばい
・メキシコ向けパイプライン輸出需要は6.8Bcfと0.3Bcfの増加
・カリフォルニアからアメリカ西部にかけて熱波が到来。1か月予報ではテキサス州周辺以外の気温が平年より高い予報となる状況が続く

週間天然ガス在庫総評

 EIAが6月17日に発表した6月11日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で16Bcfの増加となり2427Bcfとなった。この日の天然ガス相場は在庫の増加量は各社予想の70Bcf増加を大きく下回った。発表直後には値上がりしたものの売りが入って横ばいとなったが、日本時間で日付が変わると在庫減が材料として再度注目されて買いが入った。終盤は利食い売りが優勢で結局前日比で小幅下落となっている。図1は天然ガス在庫量を過去5年の平均・変動幅と比較しているが、現在の在庫量は過去5年平均(図1黒線)を総量でやや下回る状況が続いているが、今週も在庫が増加が予想を大きく下回り差が広がっている。

図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

 表1はアメリカの地域別の在庫内訳となる。今週もすべての地域の天然ガス在庫が増加している。全米の在庫量は2427Bcfで平年(5年間の平均)に比べて126Bcf少なく、前年比で453Bcf少なくなっている。前週発表では平年比で55Bcfの差があったものが今週発表では126Bcfとなり在庫量差が71Bcfと大きく広がった 。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の51.7%、有効容量(4261Bcf)の56.9%となっている。

表1 アメリカの天然ガス在庫量(出展 EIA)
表中のCは在庫が再分類され変動があったことを示している。

天然ガス供給

 表2は6月10日から6月16日の間の天然ガス供給量内訳となる。天然ガスの生産は92.8Bcfと前週から0.5Bcfの減少、カナダからの輸入は5.0Bcfと前週から0.4Bcfの増加だった。天然ガスの総供給量は前週比で0.1Bcf減少した97.9Bcfだった。

表2 天然ガス供給内訳(出展元 EIA)

天然ガス需要

 表3は6月10日から6月16日の間の天然ガス需要量内訳となる。需要量全体は87.0Bcfと前週比で0.3Bcfの増加となった。
 アメリカの国内需要は64.5Bcfと前週から横ばいだった。内訳は発電需要が前週から0.8Bcf増加した36.3Bcf、工業需要が0.1Bcf減少とほぼ横ばいの20.2Bcf、住宅・商業用需要が前週比で0.8Bcf減少した7.9Bcfとなった。6月10日から6月16日の間の天然ガス消費はアメリカ中西部を中心に気温が上昇し冷房用の電力需要増加で発電所向けの天然ガス需要が0.8Bcfと伸びた。一方で暖房用需要がさらに減り住宅・商業用需要が0.8Bcfの減少となった。
 輸出需要ではメキシコ向けパイプライン輸出は前週比で0.3Bcf増加した6.8Bcf、LNG輸出は前週から横ばいの9.4Bcfだった。

表3 天然ガス需要セクタ別内訳(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

5月11日時点5月18日時点5月25日時点6月2日時点6月9日時点
原油用352基356基356基359基365基
天然ガス用100基99基98基97基96基
表4 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

 表4はベーカー・ヒューズ社が毎週金曜日に発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。6月11日発表の最新レポート(6月9日時点)による稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から6基増の365基、天然ガス採掘用リグ稼働数は1基減の96基だった。リグの総数はどちらの用途でもない1基のリグを加えて前週から5基増加した462基となっている。

今後の見通し

LNG輸出

 図2はNGI社が提供している天然ガスパイプライン流量でLNG輸出量の推定値となる。6月8日以来1度も10Bcfを上回ることなく、9.7Bcf近傍で推移している。EIAによると6月10日から6月16日の間に全米6か所のLNG輸出基地に寄港したLNGタンカーは18隻でLNG輸出量は前週から4Bcf増加した65Bcfだった。

図2 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

 図3はNOAAが今日発表した10日後から14日後(6月25日から7月1日)の気温予報となる。アメリカ中西部から大西洋岸で平年以下の気温となる一方で、太平洋岸からアメリカ西部までは平年以上の気温となる見通しとなっている。図4は6月17日NOAA発表の最新の1か月予報となっており、テキサス州周辺で平年並みの気温となる他は全国的に平年以上の気温となる見通し。

まとめ

 6月17日に発表された6月11日時点の天然ガス在庫の増加幅は16Bcf増と各社の事前予想70Bcfを大きく下回った。6月10日以降の天然ガス需要は87.0Bcfとなった。内訳では気温の上昇で空調用需要が高まり発電所向けの需要が36.3Bcfと前週と比べて0.85cf増加、気温上昇で朝晩の暖房向けの需要がさらに減ったことで住宅・商業用需要は7.9Bcfと前週より0.8Bcfの減少だった。LNGの輸出向け需要は1日平均9.4Bcfで輸出量は前週より4Bcf多い65Bcfだった。直近1週間のLNG輸出需要は6月8日以降10Bcfを割り込み今日まで9Bcf台が続いている。一方で、天然ガスの供給は97.9Bcfと前週より0.1Bcfの減少で、内訳は天然ガス生産が前週より0.5Bcf減少した92.8Bcf、カナダからの供給が0.4Bcf増加した5.0Bcfとなっており、天然ガスの生産の増加は一服した。
 前週6月17日の天然ガス相場は天然ガス在庫は予想を大きく下回ったことを材料に買われたが、終盤に利食い売りが出て横ばいとなった。
 アメリカでは西海岸を中心に熱波が到達したことで、気温が上昇し冷房用の電力需要が高まっている。来週も気温予報が相場を左右すると考えられる。

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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