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レポート
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2021/06/21

エネルギー速報:天然ガス生産量予測(つらつらコラム2021年6月21日)

ダイジェスト

・天然ガス生産量は2022年11月まで増加が続く見込み
・採掘用リグ数は増加しているが2019年には及ばない水準
・住宅・商業用、工業用の天然ガス消費は増加するものの、天然ガスの価格上昇で発電用需要の減少が見込まれることから、天然ガスの需要量は2020年の日量82.9Bcfに対して2021年は82.8BcfにとどまるとEIAは予想
・2021年の天然ガス価格は平均3.000ドル前後となる見込み

2021年下半期以降の天然ガス生産量予測

 6月のEIAの発表によると2021年5月のアメリカの天然ガスの生産量は平均で日量92.2Bcfとなり、前年に当たる2020年5月の生産量87.8Bcfと比べて4.4Bcfの増加となった。アメリカの天然ガス生産量は2019年12月に過去最大の97.0Bcfに達した後、新型コロナウイルスのパンデミックによる需要減で2020年5月に最低を記録している。今後も天然ガスの増産が続き2021年の下半期には平均日量92.9Bcf、2022年の11月には94.8Bcf、2022年の通年での平均では日量93.9Bcfとなると予想されている。

図1 天然ガス生産量(実績:赤実線、予想:赤破線)と採掘用リグ数(青線) (出展元EIA)


 図1は生産量の実績(赤実線)と予測(赤破線)、天然ガス採掘用リグ数の推移を示している。天然ガス用のリグは2020年の7月に記録した最低値68基に対して96基まで増加している。これに対して天然ガス採掘用と原油採掘用、ごく少数のその他の用途のリグを含めたリグ数全体は、2020年の8月に1987年の統計開始以来の最低となる244基を記録した後、2020年の第4四半期以降に大きく増加し、6月8日の時点で461基まで増加している。

アメリカの天然ガス生産

アメリカで天然ガスの生産が盛んな地域は、アメリカ東部のアパラチア盆地にあるマルセルス層とウティカ層、テキサス州北東部からルイジアナ州北西部にまたがるヘインズビル層があげられる。これらの地域では、原油と天然ガスを同時に産出するパーミアン盆地などとは異なり天然ガスメインの生産が行われている。現在天然ガス生産用のリグはヘインズビル層で増加している。これはヘインズビル層から至近のメキシコ湾岸にアメリカのLNG輸出基地の多くが立地しており、輸出にきわめて有利であることがあげられる。しかし、ヘインズビルでも天然ガス採掘用リグ数は48基と2019年6月に比べると10%ほど低い水準にあり、生産量が2019年の水準に達しておらず、回復は緩やかに進んでいる。

今後の見通し

 現在天然ガスの価格は1MMBtu当たり3.200ドル付近で推移している。昨年と比べて1ドル以上の上昇となっているが、以下の要因があげられる。1つ目は液化天然ガス(LNG)の輸出が好調で毎日おおよそ10Bcfの輸出が続いている。2つ目は住宅・商業用や工業用など電力以外のセクタで天然ガスの使用量が増加したことがあげられる。一方で価格上昇により、火力発電所の燃料が天然ガスから安価な石炭へ切り替わりつつあり、アメリカの2021年の天然ガス消費量は82.9Bcfと2020年の平均から0.5%少なくなる見込み。来年も同様の傾向が続き、2021年と比べて工業用と住宅商業用を合わせた天然ガス消費が2.0Bcf近く伸びるのに対して、発電用の需要が頭打ちとなり2021年の平均の天然ガス使用量は82.8Bcfと微減する見込み。前述のように生産量の増加が続くものの、2021年2月の大寒波で消費が跳ね上がった影響から、2021年の10月末の天然ガス在庫は3.6Tcfと5年平均に対して4%以上下回る見通しとなっている。
 天然ガスの生産が増加しているのに対して国内需要が頭打ちとなっていること、LNG輸出には設備上の上限があり大幅な増加はないことから、現在価格からやや下落した3.000ドル前後で推移するというEIAの予想は妥当なものだと考えている。

 


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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