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コラム
column

2021/06/24

エネルギー速報:EIA週間原油統計(つらつら分析2021年6月24日)

ダイジェスト

・昨日の原油相場はアジア時間から欧州時間にかけて上昇したが、NY時間になると下げに転じた。その中で発表されたEIAの統計は原油在庫とガソリン在庫が減少したが留出油在庫が増加とまちまちな結果で発表直後には買われる場面もあったが利食い売りが強く下落した
・原油在庫は735万バレル減少
 原油生産量は日量1110万バレルと前週から10万バレルの減少
 輸出入では輸入量が693万バレル、輸出量が328万バレルで328万バレルの輸入超過
 製油所稼働率は0.4%の低下で、原油処理量は22万バレルの減少
 Adjustmentによる在庫調整は前週と同様増加側で調整量は70万バレル減少した39万バレル
・ガソリン在庫は293万バレル減少
(生産量+輸入量)<(出荷量+輸出量)で在庫が減少に転じた。
 ガソリン生産量は40万バレル増加、輸入量6万バレル増加
 ガソリン出荷量は8万バレル増加、輸出量は6万バレル増加
・留出油在庫は175万バレル増加
 (生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)で在庫が増加。出荷量が減少し生産量が増加したため在庫が増加に転じる。
 留出油の生産量は6万バレル増加、輸入量は10万バレル減少
 留出油の出荷量は39万バレル減少、輸出量は4万バレル減少
・原油と石油製品を合わせた在庫量は19億670万バレルで前週より750万バレルの減少
・オクラホマ州クッシング在庫は183万バレル減少した4170万バレル、クッシングのタンク容量は約7600万バレルで貯蔵率54.9%

EIA週間統計の総評

 昨夜EIAの週間在庫統計が発表され、原油在庫が761万バレルの減少となった。製油所の稼働率は前週比で0.4%低下した92.2%となり、原油消費量は前週比22万バレル減少した1611万バレルとなった。石油製品ではガソリン在庫が293万バレルの減少、留出油在庫は175万バレルの増加、WTI指標原油であるオクラホマ州クッシングの在庫は183万バレル減少した4170万バレルだった。
 原油生産は前週比で10万バレル減少した日量1110万バレルとなった。原油輸入量は前週比で19万バレル増加した日量693万バレル、輸出量は日量23万バレル減少した日量365万バレルで輸出入全体としては328万バレルの輸入超過となっている。戦略備蓄(SPR)の放出は22万バレルだった。原油と全ての石油製品を合わせた在庫は19億670万バレルと前週比で750万バレルの減少となった。

原油と石油製品の在庫(表1)

 表1は過去4週間分の結果を示している。原油の在庫は761万バレル減少した4億5910万バレル、ガソリン在庫は293万バレル減少した2億4000万バレル、留出油在庫は175万バレル増加した1億3790万バレル、オクラホマ州クッシングの原油在庫は183万バレル減少した4170万バレルだった。

API統計EIA統計今週EIA統計前週EIA統計2週前EIA統計3週前
原油(万バレル)720減761減735減524減507減
ガソリン(万バレル)100増293減195増704増149増
留出油(万バレル)100増175増102減441増372増
クッシング在庫(万バレル)183減215減16増78増
表1 原油・石油製品在庫 (出展元 EIA)

 図1は原油在庫の過去2年分の推移、図2はガソリン在庫の過去2年分の推移、図3は留出油在庫の過去2年分の推移となる。それぞれの図は今年の在庫推移(青線)と過去5年間の在庫レンジ(灰色)とを比較している。原油在庫は過去5年間の在庫レンジの中央値より少な目、ガソリン在庫は過去5年間の在庫レンジの中央付近、留出油在庫も過去5年間の在庫レンジの中央値より少な目となっている。

図1 原油在庫推移(出展元 EIA)
図2 ガソリン在庫推移(出展元 EIA)
図3 留出油在庫推移(出展元 EIA)
原油生産と輸出入、戦略備蓄(日量)(表2と表3)

 表2は原油の生産量と輸出入についてまとめている。原油生産量は前週から10万バレル減少した日量1110万バレルだった。原油輸入量は前週比で19万バレル増加した日量694万バレル、輸出量は前週比で23万バレル減少した365万バレルとなった。Adjustmentは需要と供給それぞれの不確実性(計算のずれなど)のつじつまを合わせて相殺するために需給の計算に加えられる。今週の統計ではAdjustmentとして先週から70万バレル減少した39万バレルが在庫を増加させる形で調整が加わっている。

原油生産と輸出入今週前週2週前3週前4週平均前年
同時期
原油生産(万バレル/日)111011201100108011021100
戦略備蓄増加(万バレル/日)-22-12-19-9-1628
原油輸入(万バレル/日)694674663563648654
原油輸出(万バレル/日)365388293254325315
Adjustment(万バレル/日)39109278966-5
表2 原油生産と戦略備蓄、輸出入 (出展元 EIA)
*Adjustmentの-はマイナス補正を意味している

 輸入国の国別内訳と前週からの増減は表3の通り。今週はブラジル、コロンビア、メキシコ、サウジアラビアの輸入が増加し、カナダやロシア、イラクからの輸入が減少している。

輸入国輸入量(万バレル/日)前週輸入量(万バレル/日)増減(万バレル)
カナダ343364-21
メキシコ8776+11
サウジアラビア5538+17
イラク1530-15
コロンビア3414+20
エクアドル29-7
ナイジェリア1816+2
ロシア1539-24
ブラジル340+34
表3 輸入量国別内訳(出展元 EIA)
石油製品生産量(日量)と製油所稼働率(表4)

 表4は主要石油製品の生産と輸入(供給)についてまとめたものとなる。製油所稼働率は前週から0.4%低下した9226%となり、製油所への原油投入量は22万バレル減少した日量1611万バレルとなった。石油製品の生産ではガソリン生産は前週から40万バレル増加した日量1032万バレル、ジェット燃料生産は2万バレル増加した日量139万バレル、留出油生産は6万バレル増加した日量511万バレルだった。

製油所稼働率等今週前週2週前3週前4週平均前年度
同時期
原油投入量(万バレル/日)161116331592155915991384
製油所稼働率(%)92.292.691.388.791.274.6
ガソリン生産(万バレル/日)  1032992943956981879
ガソリン輸入(万バレル/日) 84105105939670
ジェット燃料生産(万バレル/日)13913712812413269
ジェット燃料輸入(万バレル/日)28146261816
留出油生産(万バレル/日)   511505491480497456
留出油輸入(万バレル/日)  27371851336
表4 石油製品生産量(供給) (出展元 EIA)
石油製品供給(日量、需要)(表5)

 表5は主要石油製品の出荷量(需要)と輸出量の内訳一覧となる。ガソリン出荷量は前週比で8万バレル増加した日量944万バレル、ジェット燃料の出荷量は33万バレル増加した日量158万バレル、留出油の出荷量は39万バレル減少した日量394万バレルだった。

石油製品
出荷量(日量)
今週前週2週前3週前4週
平均
前年
同時期
ガソリン出荷(万バレル/日)944936848914858860
ガソリン輸出(万バレル/日)898395568128
ジェット燃料出荷(万バレル/日)15812510314411980
ジェット燃料輸出(万バレル/日)1478587
留出油出荷(万バレル/日)394433341381403346
留出油輸出(万バレル/日)11912310697111112
表5 石油製品出荷量(需要) (出展元 EIA)
石油製品需給(日量)

 原油の需要側では製油所稼働率が前週から0.4%低下した92.2%となり、原油消費量は前週より22万バレル減少した日量1611万バレルとなった。
 主要な石油製品ではガソリン生産量が前週比で40万バレル増加した1032万バレル、輸入量は21万バレル減少した84万バレルとなった。一方でガソリンの出荷量は8万バレルと増加した944万バレル、輸出量は6万バレル増加した89万バレルだった。ガソリンの生産量とガソリン出荷量ともに増加したが、ガソリン在庫は293万バレル減と在庫減少に転じた。
 次に留出油は生産量が6万バレル増加した511万バレル、輸入量は10万バレル減少した27万バレルだった。一方で留出油の出荷量は39万バレル減少した394万バレル、輸出量は4万バレル減少した119万バレルとなった。生産量の増加と出荷量の減少で在庫増加に転じた。
 ジェット燃料生産量は2万バレル増加した139万バレル、出荷量は33万バレル増加した158万バレルとなった。
 石油製品全体の出荷量(需要)は前週比で18万バレル増加した2075万バレルとなった。原油在庫が761万バレル減、ガソリン在庫が293万バレル減、留出油の在庫が175万バレル増となり、全ての石油製品在庫に原油在庫を加えた全石油在庫は前週比で750万バレル減少した19億670万バレルだった。

石油製品価格(表6と表7)

 表6はニューヨーク港渡しの石油製品のスポット卸売価格となる。今週の燃料の卸価格はガソリンが約1セントの下落、ディーゼル燃料が約3セントの下落となった。原油価格は約0.6ドルの上昇だった。

スポット卸売価格
(ニューヨーク港渡し)
6/186/116/45/28前年同時期  
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.1292.1432.1642.1101.198
ディーゼル燃料
(ドル/ガロン)
2.0882.1202.1162.0401.210
原油
(ドル/バレル)
71.6471.0069.5766.3139.72
表6 石油製品受渡価格 (出展元 EIA)

 表7は全米の石油製品の小売価格の全国平均を週ごとに集計した結果となる。今週のガソリン小売価格とディーゼル燃料の小売価格は共に横ばいだった。レギュラーガソリン価格は1ガロン当たり3.000ドルを超えて推移している。

小売価格6/21 6/14 6/7 5/31 前年同時期    
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.0603.0693.0353.0272.129
中間グレードガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.4893.4883.4633.4502.521
プレミアムガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.7443.7443.7123.6992.773
ディーゼル燃料価格
(ドル/ガロン)
3.2873.2863.2743.2552.425
表7 石油製品全国価格 (出展元 EIA)

今後の見通し

 アメリカの原油生産量は前週から10万バレル減少した日量1110万バレルだった。需要面では製油所稼働率が前週から0.4%低下した92.2%となり、原油消費量は22万バレル減少した日量1611万バレルだった。製油所の稼働率が夏の行楽シーズンで上がっており90%を超えている。原油輸入量は前週比で日量19万バレル増加した日量693万バレル、輸出量が23万バレル減少した日量365万バレルで原油輸出入は日量328万バレルの輸入超過だった。原油生産量がやや低下、原油輸出入はほぼ横ばい、原油消費量の減少により、原油在庫は前週の735万バレルの在庫減少から在庫減少幅がやや拡大し761万バレルの在庫減少となった。
 ガソリンは生産量が増加したものの出荷量の増加などでガソリンは293万バレルの在庫減少に転じた、留出油は生産量の増加に対して出荷量が減ったため在庫増加に転じて175万バレルの在庫増となった。ガソリン卸売価格が約2セント、ディーゼル燃料卸売価格は4セントの低下、小売価格はガソリン、ディーゼル燃料ともに横ばいとなった。
 全ての石油製品の出荷量は日量18万バレル増加した2075万バレル、全ての石油製品と原油を合わせた在庫は750万バレル減少した19億670万バレルだった。
 昨夜のEIAの週間在庫発表では原油在庫、ガソリン在庫が大きく減少したものの、留出油在庫が増加するなどまちまちな結果となった。発表直後に上昇する場面があったが利食い売りが強く下落で引けている。原油需要の増加期待で原油価格は上昇を続けて73から74ドルで推移しているが、OPECが増産を続けるとの見通しとなっていることに加えて、イランの高官がアメリカによる制裁解除に向けての協議が前進したと発表するなど懸念材料が多くなっていることから、まもなく下げに転じるのではないかと考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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