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コラム
column

2021/06/09

エネルギー速報:6月のEIAエネルギー短観(つらつらコラム2021年6月9日)

ダイジェスト

・2021年の原油需要の見通しは日量9770万バレルで据え置き
・OPECプラスが増産方針を維持したことで原油生産量は前回の予想より引き上げられた
・今後の原油の増産により2022年の原油需給は前月の予想より緩むと予想されることから1バレル当たり約1ドル引き下げられた
・イラン核協議が進展せず、イラン産の原油生産量増加するかは不透明

概要

 6月8日にEIAから6月のEIAのエネルギー短観が発表された。今回の短観では多くの予想が前月より据え置きとなった。今日は短観の原油部分の内容について解説する。

図1 EIAによる原油需給予測(出展元 EIA)
上段:世界の原油生産(production)と原油消費(consumption)
下段: 原油在庫の増減

 図1は上段が世界の原油生産量(production)と原油消費量(consumption)、下段が生産と消費の差、つまり原油在庫の増減を示している。現在は原油消費量が原油生産量を上回り在庫の取り崩しとなっているが、2021年後半には需給が均衡し、2022年には生産量が消費量を上回る見通し。

原油生産量

 EIAのデータによるとアメリカの2021年3月の原油生産量は平均日量1120万バレルで2月と比べて140万バレルと大幅に増加した。2月の大寒波で減少していたテキサス州の原油生産量が回復したことが要因となっている。今後、原油価格が1バレル60ドルを超える水準まで上昇したことで原油生産用リグ数の増加が進むと予想されることから、1日当たりの原油生産量は2021年の平均1110万バレルから2022年には平均1180万バレルまで増加する見通し。
 OPECの原油生産量は2021年に平均日量2690万バレル、2022年には平均日量2870万バレルまで増加する予定。この推定にはOPECの6月と7月の増産分とイラン産原油増産が増産されることを見込んでいる。
 5月の世界の原油供給量は日量9500万バレルで4月と比較して100万バレル増加した。OPECプラスの段階的な増産が行われたことで供給量が増加している。

原油消費量

 次に2021年5月の世界の原油消費は日量9620万バレルで前月比で据え置かれた。原油消費量は2020年5月と比較して1190万バレル増加しているが、新型コロナウイルス流行前の2019年4月と比較するとなお370万バレル少ない状態となっている。2021年の世界の原油消費量は1日平均9770万バレルと2020年の実績と比べて540万バレルの増加との予想は据え置かれている。2022年には消費量が2021年比で360万バレル増加し日量1億130万バレルと1億バレルの大台を回復する見込みだが、原油消費量は前月の予測から10万バレル引き下げられた。

原油価格 
図2 原油価格の予測(出展 EIA)
黒線:これまでの原油価格推移、青線:今後の価格予測

 図2はEIAによるWTI原油の価格予想となる。5月のWTI原油価格は4月より約4ドル上昇して1バレル65ドルに達した。2021年第3四半期には1バレル65ドルで推移すると予想している。今後、OPECプラス産原油やアメリカ産の原油の増産が始まり2021年後半は需給が均衡に向かうと予想している。2022年には各国の原油生産の増加により原油生産量が原油消費量を上回り需給が緩むことから1バレル57ドルとなると予想している。予想価格は前月の予想より約1ドル引き下げられている。

まとめ

 6月のEIAのエネルギー短観から原油価格や原油生産量、原油消費の予想について紹介した。原油生産面ではOPECプラスの増産が進むことや、原油価格の高止まりでアメリカのシェールオイルの増産が今後進む見通しとなっている。イランについては核開発と制裁を巡るアメリカや欧州との交渉は難航しているほか、今月18日に実施されるイランの大統領選では欧米との対決姿勢を示している保守強硬派が当選すると報道されており、今後実際にイランの原油生産がどこまで増加するのか不透明となった。原油消費面についてはアメリカなどでは新型コロナウイルスワクチンの接種が先月よりさらに進んだことで経済が再開されることや自動車や航空機を使った移動が復活することで原油消費量が今後増加すると予想されている。一方で、新型コロナウイルスの拡大が続いている地域もあることから、世界全体の原油消費量予想は前月の予想から据え置きとなった。一方で今後原油の増産が続くと予想されているため、2021年後半から2022年にかけて原油需給が緩むことで2022年の予想原油価格は1バレル58ドルから約1ドル引き下げられて57ドルとなった。現在の原油先物価格は今後の原油供給を考えると高すぎる状態のため下落傾向になるのではと考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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