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コラム
column

2021/07/05

エネルギー速報:OPEC会合の紛糾(つらつらコラム2021年7月5日)


ダイジェスト

・OPECプラスの会合は今日月曜日22時から再開
・8月以降12月まで毎月日量40万バレルを積み増すこと計200万バレルの増産が提案されている
・UAEは生産量割り当ての変更を要求しており、認めない他の国との間で議論が平行線となっている
・様々な可能性が憶測を呼んでいる

概要

 OPECプラスは当初6月29日にJTC(共同技術委員会)、6月30日にJMMC(共同閣僚監視委員会)、7月1日にOPECプラス閣僚会合を開き、今年8月以降の減産を決定する予定だった。需要の伸びに対応するための1か月当たり日量50万バレルの増産が市場予想だった。そのほか、2022年4月にOPECプラスの協調減産の期限を迎えるが、以降も減産体制を続ける合意が行われると見られていた。図は北海ブレント原油の価格推移で、新型コロナウイルスの接種が進み需要の回復が進んだことや経済維持のための金融緩和策を各国が行ったことでで原油相場は上昇を続けている。
 

Oil has risen above $75 a barrel, stoking inflation fears
図 北海ブレント価格推移(出展元 ブルームバーグ)

会議の紛糾

 OPECプラスは予定通り29日木曜日にJTC(共同技術委員会)を開催した。この場では前回のJTCから需給についてシナリオには変更がないことが示され、需要が大幅に伸びないとの見方が示された。その後、突然6月30日に予定されていたJMMC(共同閣僚監視委員会)が閣僚会合と同日の7月1日に順延された。JMMCは1日に開催されたが、会議内での不協和音が表面化して合意に至らず2日に再延期となった。1日の会議では市場予想を下回る1か月当たり日量40万バレルの増産を8月から12月まで続け計200万バレルを増産するとの提案が加盟各国に対してなされたが。土壇場でUAEが減産割り当ての計算方法の変更を求めて反対に回って議論が紛糾、結論をまとめることのできないまま2日に順延になった。7月2日に再開されたJMMCでもUAEが自国の増産を求めて減産割り当て方法の変更を求める立場を変えることはなかった。このためJMMCは合意が行われないという異例の結論で終了し、議論の舞台は閣僚会合に移った。しかし、議論は平行線をたどったままとなったため休会の上、7月5日に再開となるなど異例ずくめの会合となった。

UAEの主張

 UAEはOPECプラスの協調減産の始まった2018年より前から多額の資金を投じて原油の生産能力の拡充プロジェクトを進めていた。この結果2018年当時の生産能力は日量320万バレルだったが、現在380万バレルまで設備の増強が進んでいる。ところが、OPECプラスの生産枠は2018年の生産能力を基準に定めて各国一律に計算されている。このことにUAEは前々から不満を持っているとされており機会を捉えて計算基準の変更を訴えてきた。今回の会合でもUAEは自国の生産枠の計算基準を380万バレルへ変更することを主張している。これが認められればUAEは数十万バレルの増産が可能となる。UAEはこの自国の主張が認められるまではいかなる増産も2022年春以降の増産継続も認めないとしている。

協調減産終了の可能性

 OPECプラスの関係者によると従来の枠組みのままの増産を推進するサウジアラビア・ロシアとなど大多数の国とUAEの対立は妥協点を見出すことが困難となっており伝えられる。UAEの主張を認めた場合、OPECプラス内部が収拾がつかなくなる可能性があるためと言われている。会議が難航して結論が出ない場合、大きく分けて2つのシナリオがあると考えている。

1. 既存の合意に基づく現行の580万バレルの減産が2022年4月まで行われ、増産は一切行わない
2. OPECプラスによる協調減産の終わり

 1だった場合は急激な原油価格の上昇をもたらすと予想されている。需要は増加しつつあるが2022年4月まで生産量の据え置きとなって増産が全くできない。これにより需給が極めてタイトになると予想されていることが理由となっている。その後は価格の上昇はシェールオイルをはじめとするライバルの増産を招き原油価格は下落に転じると考えられるが、シェアが失われるためOPECプラスのだれも望んでいない結果と言われている。
 2はOPECプラスという組織を元にした増産も協調減産も続かない場合で、この場合には各国が勝手に増産を始めることになり、これまで上昇を続けてきた原油は大幅安へ転じることになると考えられる。
 OPECプラスの会合は今日7月5日22時から再開される。会議がこれまでの会議と同様に妥協が成立して増産でまとまるのか、OPECプラスの枠組みや減産が終わるのか、どういう結論に達するのか特に注目したい。

 


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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