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レポート
column

2021/07/08

エネルギー速報:7月のEIAエネルギー短観(つらつらコラム2021年7月8日)


ダイジェスト

・2021年の原油需要の見通しは日量9760万バレルで前回の予想より10万バレルの引き下げ
・今後の原油の増産により2022年から原油需給が緩むと予想
・2022年末の予想原油価格は1バレル当たり60ドルと価格下落の予想
・イラン核協議が進展しないまま政権が保守派に交代したためイラン産の原油生産量が増加するかは不透明

概要

 7月7日にEIAから7月のEIAのエネルギー短観が発表された。今回は内容について解説する。

図1 EIAによる原油需給予想(出展元 EIA)
上段:世界の原油生産(production)と原油消費(consumption)
下段: 原油在庫の増減

 図1は上段が世界の原油生産量(production)と原油消費量(consumption)、下段が生産と消費の差、つまり原油在庫の増減を示している。2020年上半期に新型コロナウイルスの流行による原油需要の減少で平均日量630万バレルの在庫増加となって以降は在庫減少に転じた。2021年の第2四半期までの約1年間は原油消費量が原油生産量を上回り、平均日量210万バレルの在庫の取り崩しとなった。今月以降年内は需給の均衡から約20万バレルまで在庫取り崩しが減少すると予想する。2022年初頭には生産量が消費量を上回り再度在庫が増加に転じる見通しとなっている。

原油生産量

 EIAのデータによるとアメリカの2021年の原油生産量は平均日量1110万バレルとなる見通しで2020年の実績と比べると20万バレル少ない。四半期ごとの比較では2021年の第1四半期は2020年の第1四半期と比べて200万バレルの減産となっている。これは2021年2月の寒波による減産が理由となっている。2021年の第2四半期以降はゆっくりとしたペースで増産が続き、2021年の第4四半期には1120万バレル、2022年の第4四半期には1220万バレルとなる見通し。
 OPECの原油生産量は2021年に平均日量2680万バレル、2022年には平均日量2860万バレルまで増加すると予想されているが前月の予想より10万バレル引き下げられている。
 2021年第2四半期の世界の原油供給量は日量9500万バレルで据え置かれているが、2021年第1四半期比べて230万バレルの増産となった。原油需要の増加と価格の上昇により、OPECプラスなど原油の増産が行われたことが要因となっている。

原油消費量

 次に2021年第2四半期の世界の原油消費量の予想は日量9670万バレルで前月比で50万バレル増加した。原油消費量は2020年の第2四半期と比較して1190万バレル増加となった。今後原油の消費量は増加し2021年の第4四半期には1億バレルの大台を回復すると予想している。
月の依存性を排した世界の1日当たりの原油消費量は2021年に9760万バレルとなり、2020年と比べて530万バレルの増加となる。前月の予想から10万バレル引き下げられた。世界の1日平均原油消費量は2022年には2021年比で360万バレル増加した1億130万バレルとなり、こちらも1億バレルの大台を回復する見通し。

原油価格 
図2 原油価格の予想(出展 EIA)
黒線:これまでの原油価格推移、青線:今後の価格予想

 図2はEIAによるWTI原油の価格予想となる。6月のWTI原油価格は5月より約5ドル以上上昇して1バレル70ドルに達した。直近の1年間で30ドル以上の上昇となった。今後はOPECプラスの増産が行われて原油の生産量が世界の原油の消費量を上回る前提での予想では、2021年下半期は次第に原油価格が下落して2021年末までに1バレル70ドルを割り込むと予想している。その後もOPECプラスの増産の継続やアメリカ産をはじめ世界各地で原油の増産が始まり原油生産量が消費量を上回り在庫が増加することから下落が続き、2022年末の予想価格は1バレル60ドルとなると予想している。

まとめ

 7月のEIAのエネルギー短観から原油価格や原油生産量、原油消費の予想について紹介した。原油生産面ではOPECプラスの増産量は据え置かれた。アメリカのシェールオイルの増産は2022年から本格的に進む見通しとなっている。イランについては政権交代により交渉が進展していない。原油消費量は新型コロナウイルスワクチンの接種が進む地域では原油消費量が今後増加すると予想されている、一方で新型コロナウイルスの拡大が続いている地域もあることから、世界全体の原油消費量予想は前月の予想から日量10万バレルの引き下げとなった。今後、しばらくは原油の需給が均衡するが2022年初頭から原油需給が緩むと予想されている。2022年末の予想原油価格は1バレル60ドルとなる。原油先物価格は現在の原油需要と原油供給を考えると今後は下落傾向が強まるのではと考えている。加えてOPECプラスが更なる増産を望むUAEの抵抗により協調した増産について結論を出せなかったことから、なし崩しの大増産が始まると見方も広がっており下落が加速する可能性がある。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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