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コラム
column

2021/08/13

穀物速報:8月のUSDA需給報告と今後の見通し(つらつら分析2021年8月13日)

 

ダイジェスト

・大豆(アメリカ)
 2020/2021年シーズンの大豆需要が0.25億ブッシェル引き下げられた45.20億ブッシェルとなったことから、期末在庫は0.25億ブッシェル引き上げられた1.60億ブッシェル
 2021/2022年シーズンは大豆の予想収量の引き下げに伴い、予想生産量が0.66億ブッシェルの引き下げ。需要が0.41億ブッシェル引き下げられたが、供給も0.42億ブッシェル引き下げられたことから、期末在庫は1.60億ブッシェルで据え置きとなった。

・コーン(アメリカ) 
 2020/2021年シーズンのコーン需要は0.35億ブッシェル引き下げられた150.10億ブッシェル。2020/2021年シーズンの期末在庫が0.35億ブッシェル引き上げられた11.17億ブッシェル
 2021/2022年シーズンはコーンの予想収量の引き下げに伴い、予想生産量が4.15億ブッシェルの引き下げられた147.50億ブッシェル。需要は1.90億ブッシェル引き下げられた146.50億ブッシェル、期末在庫は1.90億ブッシェル引き下げられた12.42億ブッシェル
 USDAと同日に発表されたブラジル食料供給公社(Conab)の8月のコーンの生産量予測は前月から約700万トン引き下げられた9660万トン 

・世界需給
 7月までの乾燥と相次ぐ霜害でブラジルのコーン生産量が8700万トンと600万トンの大幅引き下げ
 世界需要は大豆が約300万トン、コーンが約20万トンの引き下げ。供給面ではブラジル産コーンの生産量の低下が大きかったが、コーンの作柄悪化がなお続いており弱含みと報じられている

総評

 USDAは日本時間8月12日25時に8月の穀物の需給報告を発表した。今回の報告では度重なる降霜によるブラジルのコーン生産量減少とアメリカの大豆・コーン生産量の見通しが注目材料となった。
 2020/2021年シーズンの大豆需要では油脂用の圧砕需要が前月より0.15億ブッシェル引き下げられた21.55億ブッシェル、輸出需要が前月より0.10億ブッシェル引き下げられた22.60億ブッシェルとなった。一方で供給面で変化がなく期末在庫は0.25億ブッシェル引き上げられた1.60億ブッシェルとなった。2021/2022年シーズンは期初在庫が1.60億ブッシェルで始まる。作付面積には変化がないが、収量が1エーカー当たり0.8ブッシェル引き下げられたため生産量は0.66億ブッシェル引き下げられた43.39億ブッシェルとなった。期初在庫の増加と生産量の減少から供給量は0.42億ブッシェル引き下げられて45.33億ブッシェルとなった。消費面では油脂用圧砕需要が0.2億ブッシェルの引き下げ、輸出需要が0.2億ブッシェルの引き下げとなり、消費が0.41億ブッシェル引き下げられた43.79億ブッシェルとなった。供給量の引き上げと消費量の引き下げがほぼキャンセルしたため、期末在庫は前月から据え置きの1.55億ブッシェルだった。
 2020/2021年シーズンのコーン需要は工業・種子・食品用需要が0.40億ブッシェル引き上げられた65.10億ブッシェルとなったが、輸出用需要が0.75億ブッシェル引き下げられた27.75億ブッシェルとなったことにより、2020/2021年シーズンの期末在庫は前月から0.35億ブッシェル引き上げられた11.17億ブッシェルとなった。2021/2022年シーズンは期初在庫が引き上げで始まるが、収量が1エーカー当たり4.9ブッシェル引き下げられたため生産量は4.15億ブッシェル引き下げられた147.50億ブッシェルとなり、期初在庫の増加と生産量の減少から供給量は3.80億ブッシェル引き下げられて158.92億ブッシェルとなる。消費面では前月から飼料用需要が1.00億ブッシェル、輸出需要が1.00億ブッシェルそれぞれ引き下げとなる一方で、工業・種子・食品用が0.1億ブッシェルの引き上げとなった。これにより消費合計は1.90億ブッシェル引き下げられた146.50億ブッシェルとなり、期末在庫は1.90億ブッシェル引き下げられた12.42億ブッシェルとなった。
 世界の大豆生産では南米ブラジル産が据え置き、アルゼンチン産が50万トン引き下げられた4600万トンとなった。コーン生産では霜害を受けたブラジル産が8700万トンと600万トンの大幅引き下げとなった。需要面では主要輸入国の輸入量は大豆が中国の輸入量が200慢トンの引き下げ、欧州向けが10万トンの引き下げとなった。コーンは欧州向けが250万トンの引き上げとなった。
 大豆相場は2021/2022年シーズンの生産量が0.66億ブッシェルの引き下げ、期末在庫が1.55億ブッシェルで据え置きと需給報告は事前予想とほぼ一致したが、コーンにつれ高となり発表直後に上昇した。一方、コーン相場は2021/2022年シーズンの生産量が予想を上回る4.15億ブッシェルの減少となったこと、ブラジルの生産量が600万トンの大幅引き下げとなったことを材料に上昇した。終盤にかけて大豆が利益確定売りに押されて下落すると今度はコーンが大豆につれ安となる結果となった。

需給-大豆-

 表1が大豆の2020/2021年シーズン(旧穀)と2021/2022年シーズン(新穀)の需給見通しで、それぞれ前月の報告と比較している。

           2020/2021年
シーズン
(旧穀)
予想
(7月時点)
2020/2021年
シーズン
(旧穀)
予想
(8月時点)
2021/2022年
シーズン
(新穀)
見通し
(7月時点)
2021/2022年
シーズン
(新穀)
見通し
(8月時点)
作付面積(万エーカー)      8310831087608760
収穫面積(万エーカー)8230823086708670
単収(ブッシェル/エーカー)50.250.250.850.0
期初在庫(億ブッシェル)5.255.251.351.60
生産量(億ブッシェル)41.3541.3544.0543.39
輸入(億ブッシェル)0.200.200.350.35
供給合計(億ブッシェル)46.8046.8045.7545.33
消費合計(億ブッシェル)45.4545.2044.2043.79
 内圧砕(油)(億ブッシェル)21.7021.5522.2522.05
 内輸出(億ブッシェル)22.7022.6020.7520.55
期末在庫(億ブッシェル)1.351.601.551.55
平均価格(セント/ブッシェル)1105109013701370
表1 大豆の需要と供給見通し(出展元 USDA)
*2020/2021年の内、実測値である作付面積、収穫面積、単収、期初在庫以外は推定値
*2021/2022年の内、作付面積、収穫面積、単収、期初在庫は推定値

 今月の報告での大きな変化は以下の通り。
2020/2021年シーズンのほとんどの項目は据え置きだったが、消費側で油脂用圧砕需要が0.15億ブッシェル引き下げられた21.55億ブッシェル、輸出用需要が0.10億ブッシェル引き下げられた22.60億ブッシェルとなった。これにより消費合計は0.25億ブッシェル引き下げられた45.20億ブッシェルとなった。2020/2021年シーズンの期末在庫は消費が0.25億ブッシェル引き上げられて1.60億ブッシェルとなった。
 2021/2022年シーズンの大豆の期初在庫は前月から0.25億ブッシェル引き上げられた1.60億ブッシェルで始まる。作付面積には変化がないが、収量が1エーカー当たり0.8ブッシェル引き下げられたため生産量は0.66億ブッシェル引き下げられた43.39億ブッシェルとなった。期初在庫の増加と生産量の減少から供給量は0.42億ブッシェル引き下げられて45.33億ブッシェルとなった。消費面では前月から油脂用圧砕需要が0.2億ブッシェル、輸出需要が0.2億ブッシェルそれぞれ引き下げられ、消費合計では0.41億ブッシェル引き下げられた43.79億ブッシェルとなった。供給量の引き上げと消費量の引き下げがほぼキャンセルしたため、期末在庫は前月から据え置きの1.55億ブッシェルだった。

需給-コーン-

 表2はコーンの2020/2021年シーズン(旧穀)、2021/2022年シーズン(新穀)の需給見通しをそれぞれ前月の報告と比較している。

           2020/2021年
シーズン
(旧穀)
予想
(7月時点)
2020/2021年
シーズン
(旧穀)
予想
(8月時点)
2021/2022年
シーズン
(新穀)
見通し
(7月時点)
2021/2022年
シーズン
(新穀)
見通し
(8月時点)
作付面積(万エーカー)      9080908092709270
収穫面積(万エーカー)8250825084508450
単収(ブッシェル/エーカー)172.0172.0179.5174.6
期初在庫(億ブッシェル)19.1919.1910.8211.17
生産量(億ブッシェル)141.82141.82151.65147.50
輸入(億ブッシェル)0.020.020.020.02
供給合計(億ブッシェル)161.27161.27162.72158.92
消費合計(億ブッシェル)150.45150.10148.40146.50
 内飼料用(億ブッシェル)57.2557.2557.2556.25
 内工業・種子・食品用(億ブッシェル)64.7065.1066.1566.25
  内エタノール用(億ブッシェル)50.5050.7552.0052.00
 内輸出(億ブッシェル)28.5027.7525.0024.00
期末在庫(億ブッシェル)10.8211.1714.3212.42
平均価格(セント/ブッシェル)440440560575
表2 コーンの需要と供給見通し(出展元 USDA)
*2020/2021年の内、実測値である作付面積、収穫面積、単収、期初在庫以外は推定値
*2021/2022年の内、作付面積、収穫面積、単収、期初在庫は推定値

 今月の報告での大きな変化は以下の通り。
2020/2021年シーズンの需要側では工業・種子・食品用需要が0.40億ブッシェル引き上げられた65.10億ブッシェルとなった。0.40億ブッシェルの内、エタノール用需要は0.25億ブッシェルの引き上げとなっている。輸出用需要は0.75億ブッシェルの引き下げとなった。これにより2020/2021年シーズンの期末在庫は前月の予想から0.35億ブッシェル引き上げられた11.17億ブッシェルとなった。
2021/2022年シーズンのコーンの期初在庫は前月から0.35億ブッシェル引き上げられた11.17億ブッシェルで始まる。作付面積には変化がないが、収量が1エーカー当たり4.9ブッシェル引き下げられたため生産量は4.15億ブッシェル引き下げられた147.50億ブッシェルとなった。期初在庫の増加と生産量の減少から供給量は3.80億ブッシェル引き下げられて158.92億ブッシェルとなった。消費面では前月から飼料用需要が1.00億ブッシェル、輸出需要が1.00億ブッシェルそれぞれ引き下げられ、工業・種子・食品用が0.1億ブッシェルの引き上げとなった。消費合計では1.90億ブッシェル引き下げられた146.50億ブッシェルとなり、期末在庫は1.90億ブッシェル引き下げられた12.42億ブッシェルとなった。

世界需給のダイジェスト

大豆

 2020/2021年シーズン(旧穀)の世界の予想生産量は前月の3億6357万トンから約30万トン引き下げられた3億6326万トンとなった。主要国生産国ではアメリカ産が1億1255万トンで据え置き、南米ではアルゼンチン産が50万トン引き下げられた4600万トン、パラグアイ産が990万トンとで据え置き、ブラジル産は1億3700万トンで据え置きだった。
 需要側では世界全体の消費量が前月の3億6892万トンから約282万トン引き下げられた3億6610万トンとなった。主要輸入国である中国の需要が前月の1億1450万トンから200万トン引き下げられた1億1250万トンとなった、欧州需要は前月の1792万トンから10万トン引き下げられた1782万トンでとなった。

コーン

 2020/2021年シーズン(旧穀)の世界の予想生産量は前月の11億2065万トンから224万トン引き下げられた11億1541万トンとなった。主要生産国ではアメリカ産が3億6025万トンで据え置き、アルゼンチン産が4850万トンで据え置き、ブラジル産が前月の9300万トンから600万トン引き下げられた8700万トン、南アフリカ産が前月から20万トン引き上げられた1720万トン、ロシア産が1387万トンで据え置き、ウクライナ産が3030万トンで据え置きだった。
 7月までの乾燥の後、30年間で最も寒い冬になったブラジルでは度重なる霜の被害が出ている。コーンの生産量は前月報告での550万トン引き下げに続き、今月も600万トンの大幅引き下げとなった。3か月で1500万トンの引き下げとなった上、依然弱含みとなっている。
 世界の予想需要は前月の11億4625万トンから533万トン引き下げられた11億4092万トンとなった。主要輸入国のうち欧州が250万トン引き上げられた7500万トン、日本は1540万トンで据え置き、韓国も1140万トンで据え置き、メキシコは4370万トンで据え置きだった。中国向け需要は2億8900万トンで据え置かれた。

今後の見通し

 8月のアメリカの需給報告では 大豆では収量の引き下げにともない2021/2022年シーズンの生産量が0.66億ブッシェルの引き下げとなった。一方で輸出や油脂用の需要低下のため期末在庫が1.55億ブッシェルで据え置きとなった。これは事前予想とほぼ一致した。しかし、大豆相場はコーンにつれ高となり発表直後に上昇した。一方、コーンは2021/2022年シーズンの生産量が予想を上回る4.15億ブッシェルの減少、これに伴い期末在庫が1.90億ブッシェルの減少、ブラジルのコーン生産量が600万トンの大幅引き下げとなった。コーン相場はこれらを材料に上昇したが、大豆が利益確定売りに押されて下落すると、今度はコーンが大豆につれ安となる結果となった。
 世界需給の内、供給面では前月の報告と比べてブラジル産コーンの予想生産量が600万トンの大幅引き下げ、大豆の予想生産量ではアルゼンチン産が50万トンの引き下げとなった。
 世界需要では大豆が282万トンの引き下げ、コーンが533万トンの引き上げとなった。一方で生産量は大豆で30万トンの引き下げ、コーンは224万トンの引き下げとなった。
 今後の大豆相場は生産減少と需要の減少が続いているため弱含みと考えられる。コーンについては需給報告だけでなく今月10日に発表されたブラジル食料供給公社(Conab)の8月のコーンの生産量予測が前月から約700万トン引き下げられた8600万トンとなるなど引き下げが続いているが、なお霜の被害を評価しきれておらずブラジル産のコーンの生産量は過大との見方がある。ただし、ブラジル産コーンの輸出減をアメリカ産が埋めるという見方があったが、現状ではアメリカ産コーンの輸出見込みも減少している。最後に、アメリカのコーンベルト西部では乾燥により大豆やコーンの収量が引き下げとなる一方でコーンベルト東部では収量が改善している。今後も毎週月曜日に発表される農作業の進展具合や作柄予想の動向(クロッププログレスレポート)やアメリカの天候予報に注意したい。
 


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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