会員限定ページへログイン

IDとパスワードは半角英数字で入力してください。
最新情報をすぐに閲覧したい方は有料メルマガ登録(まぐまぐ!)をしてください。

  • ◆ ID
  • ◆ パスワード

コラム
column

2021/08/02

穀物速報:霜害が続き、ブラジル産サフリナコーンの生産量の引き下げが続く(つらつらコラム2021年8月2日)


図1 霜の前(Ante da Gerada)のコーン畑(出展元 Conab)

図2 霜の後(Depois da Gerada)のコーン畑(出展元 Conab)

ダイジェスト

・ブラジル南部で7月29日から30日の間に今シーズンで一番の冷え込みを観測。霜や凍結で生育中のサフリナコーンやサトウキビ、コーヒーに再び被害が発生
・相次ぐの霜被害を受けてブラジルのコーンは生産量の減少だけでなく品質悪化が発生
・ブラジルの畜産企業はアルゼンチンやアメリカからのコーン輸入を進めており、今シーズンの輸入見込みは400万トンに達すると予想
・コーンの販売契約の達成のため、大豆からコーンへの転作が行われる可能性が浮上

ブラジルで再度の霜被害

 一週間前のコラムでブラジルの降霜を解説したが、ブラジル南部に7月末に寒波が再び到来した。7月29日と30日の間に氷点下まで冷え込み、今シーズンの最低気温を観測するとともに広範囲で霜が発生して農作物に被害が発生した。6月末から7月初めの霜、7月20日頃の霜に続いて再度の霜の被害となる。図1は霜の前のコーン畑で、図2は霜の後の同じ畑の画像で、コーンの葉が茶色となり枯れてしまっていることが分かる。
 ブラジル南部のマトグロッソ・ド・スル州、サンパウロ州、ミナスジェライス州を中心に作付け時期が遅く、受粉期から結実期を迎えていたコーンを中心に深刻な被害が出ている。収量が減少することに加えて品質も低下する見込み。パラナ州西部では通常1エーカー当たり100ブッシェルの収穫がある地域で、今シーズンの収穫が1エーカー当たりおよそ50ブッシェルまで低下していることが報告されている。現時点での2020/2021年シーズンのブラジルのコーンの予想収穫量は、民間の農業会社の推計では8800万トン、Conab(ブラジル食料供給公社)の7月の予想では9340万トンとなっていたが、7月末の霜の被害で更に数字が引き下げられ民間農業会社の予想は200万トン引き下げられた8600万トンと予想されている。

今後の見通し

 サフリナコーンは先週末までにブラジル全体で39%が収穫されているが、前年の53%と比較すると非常に遅れている。生育が遅れていたコーンを霜が直撃したため被害が拡大している。パラナ州やマトグロッソ・ド・スル州以南のブラジル南部のコーン産地ではこれまでの平均損失が15~75%に及び、最も被害の大きい畑では前回の霜でコーンが枯れてしまったため60%から100%の損失が発生している。加えて生き残ったコーンも品質が大きく低下しており、収穫が可能だったとしても販売基準に達せず販売できないコーンが発生する見通し。
このためブラジルのコーン需給が極めて悪化しており、ブラジル国内の大手畜産業者はアルゼンチンやアメリカからのコーン輸入を進めている。すでに飼料用コーンの25%に当たる100万トンが輸入されている。今後もコーン需給が好転する見込みは小さく、今シーズンのブラジルのコーン輸入量は400万トンに達するとの推計も出ている。
 ブラジルのコーン生産量の低下が続いている。加えて霜のシーズンが終わったわけではなく、さらなる降霜も予想されており上向くことはないと考えられる。干ばつと相次ぐ霜による不作のためコーンの納入契約を満たせなくなった農家が今シーズン(2021/2022年シーズン)は大豆の代わりにコーンを植えることで穴埋めを行う可能性が指摘されており、不作によるコーンの価格の上昇だけでなく、現在世界一であるブラジルの大豆生産量が減少する可能性が出てきた。大豆相場も植物油の値上がりを受けて上昇しているため、続報には注意したい。

 


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

Contact

お問い合わせ

お問い合わせ、アポイント予約は
こちらからお気軽にご連絡ください。

Register

有料メルマガ登録

有料メルマガ登録をしていただいた方は
鍵マークのついた記事もご購読いただけます。