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コラム
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2021/08/20

エネルギー速報:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(つらつらコラム2021年8月20日)

ダイジェスト

・8月19日発表の天然ガス在庫は各社予想30Bcf増に対して46Bcf増と在庫増加が予想を大きく上回る弱気な内容だった。
・8月13日時点の天然ガス在庫量は2822Bcf(有効容量の66.2%)となっている。在庫量は平年(5年間の平均2996Bcf)に比べて174Bcf少なく、前年(3369Bcf)と比べると547Bcf少ない状態
・8月12日から8月18日までの期間の天然ガス供給量は98.0Bcfで前週比0.1Bcf増加。天然ガス生産量は前週から0.1Bcf増加した93.0Bcf、カナダからの輸入量は前週から横ばいの4.9Bcf
・8月12日から8月18日までの期間の天然ガス国内需要量は91.1Bcfで前週から0.6Bcf増加
・国内需要の内訳は発電需要が前週比で0.1Bcf減少、住宅・商業用需要が前週比で0.1Bcfの減少、工業用は前週比で横ばいと前週からほぼ横ばいだった
・LNG輸出用需要は前週比で0.9Bcf増加した10.7Bcf。タンカーによるLNG輸出量は前週から20Bcf減少した57Bcf
・メキシコ向けパイプライン輸出需要は前週比で0.2Bcf減少した6.1Bcf

週間天然ガス在庫総評

 8月19日にEIAが発表した8月13日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で46Bcf増加した2822Bcfとなった。8月19日の天然ガス相場は在庫の増加量が46Bcf増と各社予想の30Bcf増加を大幅に上回る弱気な結果となったことや気温低下による冷房用需要の減少見込みから売られて一時3.750ドルを割り込んだ。その後、現在にかけて3.900ドル買い戻されている。

図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

 図1は天然ガス在庫量を過去5年の平均・変動幅と比較している。現在の全米の在庫量は2822Bcfで平年(5年間の平均2996Bcf、図1黒線)に比べて174Bcf少なく、前年(3369Bcf)に比べて547Bcf少なくなっている。表1はアメリカの地域別の在庫内訳となる。今週はアメリカ南部や太平洋岸で在庫が減少となったが他の地域では在庫が増加している。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の60.1%、有効容量(4261Bcf)の66.2%となっている。

表1 アメリカの天然ガス在庫量(出展 EIA)
*表中のCは統計情報に修正があったことを示す

天然ガス供給

 表2は8月12日から8月18日までの間の天然ガス供給量の内訳となる。天然ガスの生産は前週から0.1Bcf増加した93.0Bcfだった。カナダからの輸入は前週から横ばいの4.9Bcfとなった。結果、天然ガスの総供給量は前週比で0.1Bcf増加した98.0Bcfとなった。

表2 天然ガス供給内訳(出展元 EIA)

天然ガス需要

 表3は8月12日から8月18日の間の天然ガス需要量の内訳となる。全米の天然ガス需要量全体は91.1Bcfと前週比で0.6Bcfの増加となった。
 アメリカの国内需要は67.9Bcfと前週から0.1Bcfの減少でほぼ横ばいだった。内訳は発電需要が前週から0.1Bcf減少した38.7Bcf、工業需要が前週から横ばいの20.6Bcf、住宅・商業用需要が前週から0.1Bcf減少した8.6Bcfだった。
 輸出需要ではメキシコ向けパイプライン輸出が前週から0.2Bcf減少した6.1Bcfとなった。LNG輸出向け需要は前週から0.9Bcf増加した10.7Bcfとなったが、LNGの輸出量は57Bcfと前週から20Bcfの減少だった。

表3 天然ガス需要セクタ別内訳(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

7月13日時点7月20日時点7月27日時点8月3日時点8月10日時点
原油用380基387基385基387基397基
天然ガス用104基104基103基103基102基
表4 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

 表4はベーカー・ヒューズ社が毎週金曜日に発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。8月13日発表の最新レポート(8月10日時点)によると稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から10基増の397基、天然ガス採掘用リグ稼働数は1基減の102基、その他の1基を加えたリグの総数は500基となっている。

今後の見通し

LNG輸出

 図2はNGI社が提供している天然ガスパイプライン流量でLNG輸出量の推定値となる。8月10日から11日にかけてはサビーンパス基地につながる天然ガスパイプラインがメンテナンスに入ったため流量と輸出量が減少していたが、12日以降は流量が回復し11Bcf前後で堅調に推移している。EIAによると8月12日から8月18日の間に全米6か所のLNG輸出基地に寄港したLNGタンカーは16隻でLNG輸出量は57Bcfと前週から20Bcfの減少だった。

図2 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

 図3はNOAAが今日発表した10日後から14日後(8月27日から9月2日)の気温予報となる。太平洋岸やメキシコ湾岸などでは平年以上の気温となる一方でアメリカ東部から五大湖周辺にかけては平年以下の気温となる見込み。図4は8月19日NOAA発表の最新の1か月予報でテキサス州周辺で平年以下の気温、アメリカ南部からアメリカ中西部にかけて平年並みの気温、太平洋岸やアメリカ東部では平年以上の気温となる見通し。

まとめ

 8月19日に発表された8月13日時点の天然ガス在庫の増加幅は46Bcf増となり各社の事前予想30Bcfを大幅に上回る弱気な結果だった。19日の天然ガス相場は在庫の予想以上の増加とこの先の気温が低下し冷房用需要が減少するとの見方を材料に売られて一時3.750ドルを割り込んだ。今日20日は買い戻しの動きが入り3.900ドルまで上昇して推移している。
 8月12日から8月18日までの天然ガス需要は91.1Bcfと前週から0.6Bcfの増加となった。国内向け需要は横ばいだったが、メンテナンスの終了でLNG基地向けの需要が増加した。内訳では発電所向けの需要が前週比で0.1Bcf減少した38.7Bcf、住宅・商業用需要は前週から0.1Bcf減少した8.6Bcf、工業用需要は前週比で横ばいの20.6Bcfだった。また、LNGの輸出向け需要はパイプラインメンテナンスの終了により1日平均10.7Bcfと前週より0.8Bcfの増加となった。一方でLNGの総輸出量は57Bcfで前週から20Bcfの減少となった。一方で天然ガスの供給量は98.0Bcfと前週より0.1Bcfの増加となった。内訳は天然ガス生産が前週より0.1Bcf増加した93.0Bcf、カナダからの供給は前週から横ばいの4.9Bcfとなっている。
 来週以降はアメリカ西部以西、太平洋岸まで気温が上昇する予報となっているが、アメリカ中西部や東部を中心に気温が低下する予報となっている。気温低下による冷房用需要増減少が懸念材料となることが予想される。一方でLNGの輸出は堅調に推移しており支援材料となるだろう。来週もLNG輸出の状況や天気予報に注意したい。

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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