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コラム
column

2021/08/26

エネルギー速報:EIA週間原油統計(つらつら分析2021年8月26日)

ダイジェスト

・25日の原油相場は上昇。金融緩和政策の早期引き締め(テーパリング)懸念の後退によるダウの上昇や新型コロナウイルスワクチンの正式承認をきっかけとした原油需要回復への期待を材料に68.50ドルを回復
・原油在庫298万バレル減少
 原油生産量は日量1140万バレルで前週から横ばい
 輸出入では輸入量が615万バレル、輸出量が281万バレルで334万バレルの輸入超過
 製油所稼働率は0.2%上昇し、原油処理量は7万バレルの増加
 Adjustmentによる在庫調整は今週も増加側で調整量は90万バレル
・ガソリン在庫は224万バレル減少
(生産量+輸入量)<(出荷量+輸出量)で在庫が減少。ガソリン出荷量や輸出量が増加したことで在庫減となった
 ガソリン生産量は24万バレル増加、輸入量は33万バレル増加
 ガソリン出荷量は24万バレル増加、輸出量は28万バレル増加
・留出油在庫は64万バレル増
 (生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)で在庫が増加。生産量の増加と出荷量の減少で在庫が増加
 留出油の生産量は14万バレル増加、輸入量は14万バレル増加
 留出油の出荷量は22万バレル減少、輸出量は2万バレル増加
・原油と石油製品を合わせた在庫量は18億7870万バレルで前週より480万バレルの減少
・オクラホマ州クッシング在庫は7万バレル増加した3370万バレル、クッシングのタンク容量は約7600万バレルで貯蔵率44.3%

EIA週間統計の総評

 日本時間25日23時半にEIAの週間在庫統計が発表された。原油在庫は298万バレルの減少。製油所の稼働率は前週比で0.2%上昇した92.4%となり、原油消費量は前週比で7万バレル増加した1607万バレルとなった。石油製品ではガソリン在庫が224万バレルの減少、留出油在庫は64万バレルの増加、WTI指標原油であるオクラホマ州クッシングの在庫は7万バレル増加した3370万バレルだった。
 原油生産は日量1140万バレルで前週から横ばい、原油輸入量は前週比で19万バレル減少した日量615万バレル、輸出量は日量61万バレル減少した日量281万バレルで輸出入全体としては334万バレルの輸入超過となっている。戦略備蓄(SPR)の放出は今週も0だった。原油と全ての石油製品を合わせた在庫は18億7870万バレルと前週比で480万バレルの減少だった。

原油と石油製品の在庫(表1)

 表1は過去4週間分の結果を示している。原油の在庫は298万バレル減少した4億3260万バレル、ガソリン在庫は224万バレル減少した2億2590万バレル、留出油在庫は64万バレル増加した1億3850万バレル、オクラホマ州クッシングの原油在庫は7万バレル増加した3370万バレルだった。

API統計EIA統計今週EIA統計前週EIA統計2週前EIA統計3週前
原油(万バレル)160減298減323減44減362増
ガソリン(万バレル)100減224減69増140減529減
留出油(万バレル)20減64増269減176増83増
クッシング在庫(万バレル)7増98減32減54減
表1 原油・石油製品在庫 (出展元 EIA)

 図1は原油在庫の過去2年分の推移、図2はガソリン在庫の過去2年分の推移、図3は留出油在庫の過去2年分の推移となる。それぞれの図は今年の在庫推移(青線)と過去5年間の在庫レンジ(灰色)とを比較している。原油在庫とガソリン在庫、留出油在庫全てで過去5年間の在庫レンジの中央値より在庫が少なくなっており、特にガソリン在庫は過去5年の在庫レンジより少なくなっている。

図1 原油在庫推移(出展元 EIA)
図2 ガソリン在庫推移(出展元 EIA)
図3 留出油在庫推移(出展元 EIA)
原油生産と輸出入、戦略備蓄(日量)(表2と表3)

 表2は原油の生産量と輸出入についてまとめている。原油生産量は日量1140万バレルで前週から横ばいだった。原油輸入量は前週比で19万バレル減少した日量615万バレル、輸出量は前週比で61万バレル減少した281万バレルで334万バレルの輸入超過となった。Adjustmentは需要と供給それぞれの不確実性(計算のずれなど)のつじつまを合わせて相殺するために需給の計算に加えられる。今週の統計ではAdjustmentとして先週から32万バレル減少した90万バレルが在庫を増加させる形で調整が加わっている。

原油生産と輸出入今週前週2週前3週前4週平均前年
同時期
原油生産(万バレル/日)114011401130112011321080
戦略備蓄増加(万バレル/日)000000
原油輸入(万バレル/日)615635639643633591
原油輸出(万バレル/日)281243266190270336
Adjustment(万バレル/日)90122110719843
表2 原油生産と戦略備蓄、輸出入 (出展元 EIA)
*Adjustmentの-はマイナス補正を意味している

 輸入国の国別内訳と前週からの増減は表3の通り。今週はカナダやロシアからの輸入が増加した。一方でブラジルやコロンビアからの輸入が大きく減少している。

輸入国輸入量(万バレル/日)前週輸入量(万バレル/日)増減(万バレル)
カナダ355305+50
メキシコ5962-3
サウジアラビア2836-8
イラク715-8
コロンビア3714+23
エクアドル2619+7
ナイジェリア921-12
ロシア2350-27
ブラジル47-3
表3 輸入量国別内訳(出展元 EIA)
石油製品生産量(日量)と製油所稼働率(表4)

 表4は主要石油製品の生産と輸入(供給)についてまとめたものとなる。製油所稼働率は前週から0.2%上昇した92.4%となり、製油所への原油投入量は7万バレル増加した日量1607万バレルとなった。石油製品の生産ではガソリン生産は前週から24万バレル増加した日量1024万バレル、ジェット燃料生産は前週から4万バレル減少した日量140万バレル、留出油生産は前週から14万バレル増加した日量498万バレルだった。

製油所稼働率等今週前週2週前3週前4週平均前年度
同時期
原油投入量(万バレル/日)160716001619159216041471
製油所稼働率(%)92.492.291.891.391.982.0
ガソリン生産(万バレル/日)  1024100099610151009951
ガソリン輸入(万バレル/日) 1077492848953
ジェット燃料生産(万バレル/日)14014514114314290
ジェット燃料輸入(万バレル/日)2732251718
留出油生産(万バレル/日)   498484488487490512
留出油輸入(万バレル/日)  281418161912
表4 石油製品生産量(供給) (出展元 EIA)
石油製品供給(日量、需要)(表5)

 表5は主要石油製品の出荷量(需要)と輸出量の内訳一覧となる。ガソリン出荷量は前週比で24万バレル増加した日量957万バレル、ジェット燃料の出荷量は28万バレル減少した日量139万バレル、留出油の出荷量は前週比22万バレル減少した日量410万バレルだった。

石油製品
出荷量(日量)
今週前週2週前3週前4週
平均
前年
同時期
ガソリン出荷(万バレル/日)957933943977952916
ガソリン輸出(万バレル/日)916574627362
ジェット燃料出荷(万バレル/日)139167127164149114
ジェット燃料輸出(万バレル/日)792210127
留出油出荷(万バレル/日)410432373361394395
留出油輸出(万バレル/日)107105108130112109
表5 石油製品出荷量(需要) (出展元 EIA)
石油製品需給(日量)

 原油の需要側では製油所稼働率が前週から0.2%上昇した92.4%となり、原油消費量は前週より7万バレル増加した日量1607万バレルとなった。
 主要な石油製品ではガソリン生産量が前週比で24万バレル増加した日量1024万バレル、輸入量は33万バレル増加した日量107万バレルだった。ガソリンの出荷量は前週比で24万バレル増加した日量957万バレル、輸出量は前週から26万バレル増加した日量91万バレルだった。ガソリンの出荷量や輸出量の増加でガソリン在庫が減少となった。ガソリン在庫は224万バレルの減少だった。
 次に留出油は生産量が前週から14万バレル増加した日量498万バレル、輸入量は前週から14万バレル増加した日量28万バレルだった。留出油の出荷量は前週から22万バレルの減少となる日量410万バレル、輸出量は2万バレル増加した日量107万バレルとなった。生産量の増加と出荷量の減少で64万バレルの在庫増加となった。
 ジェット燃料生産量は前週から5万バレル減少した140万バレル、出荷量は前週比で28万バレル減少した139万バレルとなった。
 石油製品全体の出荷量(需要)は前週比で35万バレル増加した日量2181万バレルとなった。原油在庫が298万バレル減少、ガソリン在庫が224万バレル減少、留出油の在庫が64万バレル増加となり、全ての石油製品在庫に原油在庫を加えた全石油在庫は前週比で480万バレル減少した18億7870万バレルとなった。

石油製品価格(表6と表7)

 表6はニューヨーク港渡しの石油製品のスポット卸売価格となる。今週の燃料の卸価格はガソリンが約15セント、ディーゼル燃料は約16セントの下落となった。原油価格は約6.1ドルの下落だった。

スポット卸売価格
(ニューヨーク港渡し)
8/208/138/67/30前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.0082.2632.2652.3591.271
ディーゼル燃料
(ドル/ガロン)
1.8972.0632.0762.1911.203
原油
(ドル/バレル)
62.2568.3668.2673.9342.32
表6 石油製品受渡価格 (出展元 EIA)

 表7は全米の石油製品の小売価格の全国平均を週ごとに集計した結果となる。今週のガソリン小売価格は約3セントの下落、ディーゼル燃料の小売価格も約3セントの下落だった。レギュラーガソリン価格は1ガロン当たり3.100ドルを超えた状態が続いている。

小売価格8/23 8/16 8/9 8/2 前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.1453.1743.1723.1592.182
中間グレードガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.6063.6293.6243.6072.595
プレミアムガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.8533.8823.8743.8612.842
ディーゼル燃料価格
(ドル/ガロン)
3.3243.3563.3643.3672.426
表7 石油製品全国価格 (出展元 EIA)

今後の見通し

 アメリカの原油生産量は日量1140万バレルと前週から横ばい。需要面では製油所稼働率が前週から0.2%上昇した92.4%となり原油消費量は7万バレル増加した日量1607万バレルだった。夏の需要期で製油所の稼働率は90%超が続いている。原油輸入量は前週比で日量19万バレル減少した日量615万バレル、輸出量が61万バレル減少した日量281万バレルで、日量334万バレルの輸入超過となっている。原油輸出の増加で原油在庫は298万バレルの在庫減少となった。
 ガソリンは生産量が24万バレルの増加、ガソリン出荷量は33万バレルの増加、ガソリン輸入量は24万バレルの増加、ガソリン輸出量は28万バレルの増加となった。出荷量や輸出量の増加で224万バレルの在庫減少となった。留出油は生産量が14万バレルの増加、輸入量が14万バレルの増加、出荷量が22万バレルの減少、輸出量は2万バレルの増加となった。生産量の増加と出荷量の減少で64万バレルの在庫増加に転じた。燃料価格はガソリン卸売価格が約15セントの下落、ディーゼル燃料卸売価格が約16セントの下落と大きく下落した。一方、小売価格はガソリンが約3セントの下落、ディーゼル燃料も約3セントの下落となった。
 全ての石油製品の出荷量は日量35万バレル増加した2181万バレル、全ての石油製品と原油を合わせた在庫は480万バレル減少した18億7870万バレルとなった。
 原油相場は株安や世界各地で新型コロナウイルスのデルタ株の感染が拡大していることによる原油需要の先行き不透明感を材料に7営業日続落し62ドル台前半まで下落した。23日になってFDAがファイザー・ビオンテック製の新型コロナウイルスワクチンを正式承認したことをきっかけに景気回復と原油需要の増加を楽観視する見方が広がったことで、25日に68.50ドルまで急騰した。ただし、足元の原油需要の回復が本格化するかは不透明で、新型コロナウイルスの感染拡大により原油需要は弱含みとの見方も依然として強い。この回復か本格的なものか今後の原油需要の動向に注目したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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