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コラム
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2021/08/27

エネルギー速報:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(つらつらコラム2021年8月27日)

ダイジェスト

・8月26日発表の天然ガス在庫は各社予想40Bcf増に対して29Bcf増と在庫増加が予想を大きく下回る強気な内容だった。
・8月20日時点の天然ガス在庫量は2851Bcf(有効容量の66.2%)となっている。在庫量は平年(5年間の平均3040Bcf)に比べて189Bcf少なく、前年(3414Bcf)と比べると563Bcf少ない状態
・8月19日から8月25日までの期間の天然ガス供給量は98.0Bcfで前週比0.1Bcf増加。天然ガス生産量は前週から0.1Bcf増加した93.0Bcf、カナダからの輸入量は前週から横ばいの4.9Bcf
・8月19日から8月25日までの期間の天然ガス国内需要量は91.1Bcfで前週から0.6Bcf増加
・国内需要の内訳は発電需要が前週比で1.0Bcf増加、住宅・商業用需要が前週から横ばい、工業用は前週比で0.1Bcf減少だった
・LNG輸出用需要は前週比で0.2Bcf減少した10.5Bcf。タンカーによるLNG輸出量は前週から10Bcf増加した67Bcf
・メキシコ向けパイプライン輸出需要は前週比で0.1Bcf減少した6.0Bcf
・北西部や東部での気温の上昇、テキサス州からカリフォルニア州に向かうパイプラインの容量の制約による供給不足などの要因で価格が上昇

週間天然ガス在庫総評

 8月26日にEIAが発表した8月20日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で29Bcf増加した2851Bcfとなった。8月26日の天然ガス相場は在庫の増加量が29Bcf増と各社予想の40Bcf増加を大幅に下回る強気な結果となったことや高温による冷房用需要の増加見込みから買われて4.250ドルまで上昇して引けている。

図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

 図1は天然ガス在庫量を過去5年の平均・変動幅と比較している。現在の全米の在庫量は2851Bcfで平年(5年間の平均3040Bcf、図1黒線)に比べて189Bcf少なく、前年(3414Bcf)に比べて563Bcf少なくなっている。表1はアメリカの地域別の在庫内訳となる。今週はアメリカ東部や中西部で在庫が増加したが、南部や中西部で在庫が減少した。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の60.7%、有効容量(4261Bcf)の66.9%となっている。

表1 アメリカの天然ガス在庫量(出展 EIA)

天然ガス供給

 表2は8月19日から8月25日までの間の天然ガス供給量の内訳となる。天然ガスの生産は前週から0.7Bcf増加した93.7Bcfだった。カナダからの輸入は前週から0.1Bcf増加した5.1Bcfとなった。結果、天然ガスの総供給量は前週比で0.9Bcf増加した98.9Bcfとなった。

表2 天然ガス供給内訳(出展元 EIA)

天然ガス需要

 表3は8月19日から8月25日の間の天然ガス需要量の内訳となる。全米の天然ガス需要量全体は91.8Bcfと前週比で0.7Bcfの増加となった。
 アメリカの国内需要は68.9Bcfと前週から1.0Bcfの増加となった。内訳は発電需要が前週から1.0Bcf増加した39.7Bcf、工業需要が前週から0.1Bcf減少した20.5Bcf、住宅・商業用需要が前週から横ばいの8.6Bcfだった。気温の上昇で冷房用需要が増加している。
 輸出需要ではメキシコ向けパイプライン輸出が前週から0.4Bcf増加した6.5Bcfとなった。LNG輸出向け需要は前週から0.2Bcf減少した10.5Bcfとなったが、LNGの輸出量は67Bcfと前週から10Bcfの増加だった。

表3 天然ガス需要セクタ別内訳(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

7月20日時点7月27日時点8月3日時点8月10日時点8月17日時点
原油用387基385基387基397基405基
天然ガス用104基103基103基102基97基
表4 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

 表4はベーカー・ヒューズ社が毎週金曜日に発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。8月20日発表の最新レポート(8月17日時点)によると稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から8基増の405基、天然ガス採掘用リグ稼働数は5基減の97基、その他の1基を加えたリグの総数は503基となっている。

今後の見通し

LNG輸出

 図2はNGI社が提供している天然ガスパイプライン流量でLNG輸出量の推定値となる。8月10日に流量が9.0Bcfを割り込んだが、次第に増加して25日には11.0Bcfを回復した。EIAによると8月19日から8月25日の間に全米6か所のLNG輸出基地に寄港したLNGタンカーは18隻でLNG輸出量は67Bcfと前週から10Bcfの増加だった。

図2 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

 図3はNOAAが今日発表した10日後から14日後(9月3日から9月9日)の気温予報となる。太平洋岸やメキシコ湾岸などでは平年以上の気温となる一方でアメリカ東部から五大湖周辺にかけては平年以下の気温、中西部の大部分は平年並みの気温となる見込み。図4は8月19日NOAA発表の最新の1か月予報でテキサス州周辺で平年以下の気温、アメリカ南部からアメリカ中西部にかけて平年並みの気温、太平洋岸やアメリカ東部では平年以上の気温となる見通し。

まとめ

 8月26日に発表された8月20日時点の天然ガス在庫の増加幅は29Bcf増となり各社の事前予想40Bcfを大幅に下回る強気な結果だった。26日の天然ガス相場は在庫の予想以上の減少とこの先の高温で冷房用需要が増加するとの見方を材料に買われて4.250ドルまで上昇した。このほかカリフォルニア州ではテキサス州から天然ガスを供給するパイプラインの容量の制約による供給不足で価格が上昇した。
 8月19日から8月25日までの天然ガス需要は91.8Bcfと前週から0.7Bcfの増加となった。国内向け需要は前週比で1.0Bcf増加した68.9Bcfだった。国内需要の内訳では発電所向けの需要が前週比で1.0Bcf増加した39.7Bcf、住宅・商業用需要は前週から横ばいの8.6Bcf、工業用需要は前週比で0.1Bcf減少した20.5Bcfだった。LNG基地向けの需要は前週から0.2Bcf減少した10.5Bcf、LNGの総輸出量は67Bcfで前週から10Bcfの増加となった。一方で天然ガスの供給量は98.9Bcfと前週より0.9Bcfの増加となった。内訳は天然ガス生産が前週より0.7Bcf増加した93.7Bcf、カナダからの供給は前週から0.1Bcf増加した5.1Bcfとなっている。
 来週以降はアメリカ西部以西、太平洋岸までとメキシコ湾岸で気温が上昇する予報となっているが、アメリカ中西部や東部を中心に気温が低下する予報となっている。気温上昇による冷房用需要増増加が支援材料となることが予想されている。LNGの輸出も堅調に推移しており引き続き支援材料となる。

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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