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コラム
column

2021/08/31

穀物速報:今週のクロッププログレスレポート(つらつらコラム2021年8月31日)

ダイジェスト

・コーンの作柄予想は大豊作が14%(前週14%)、豊作が46%(前週46%)、平年並が26%(前週26%)、凶作が10%(前週10%)、大凶作が4%(前週4%)と前週から据え置き
・大豆の作柄予想は大豊作が11%(前週11%)、豊作が45%(前週45%)、平年並が28%(前週29%)、凶作が11%(前週10%)、大凶作が5%(前週5%)と凶作率がやや改善
・コーンベルト西側ではノース・ダコタ州やサウス・ダコタ州、ミネソタ州、アイオワ州で降雨によって乾燥が改善した。
・今後7日間はコーンベルト西側のノース・ダコタ州、サウス・ダコタ州、ミネソタ州、ウィスコンシン州を中心に13mmから50mmの雨、所によって76mm以上の雨が予想されており引き続き乾燥が改善しそう。コーンベルト東側では広い範囲に雨が降るが6mmから13mm程度の雨にとどまる見通し

クロッププログレスレポートと市況

 8月30日の夜にUSDAは今週のクロッププログレスレポートを発表した。大豆・コーン共に輸出を材料に買われる場面もあったが、コーンベルトの天候改善見通しが懸念材料となり売られている。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          

アメリカ産コーンの農作業の進展率

 表1はコーンのドウ率を示している。ドウ期は受粉が終わり実が形成される時期となったこと示し、この時期も雨が必要な時期となる。ドウ期の進捗率は平年より2ポイント高く、前年より2ポイント低いがほぼ同じ進捗ペースとなっている。ほぼドウ期は終了しつつあり差が見えなくなってきている。
表中の赤字はコーンベルト西側、青字はコーンベルト東側の州を示しており、*印のついた州は2020年のコーンの作付面積が500万エーカーを超えるコーンの主要生産州を示している。

コーンドウ率2020/8/292021/8/222021/8/2292016-2020
avg.
コロラド84668877
*イリノイ96858893
*インディアナ93879388
*アイオワ94909591
*カンザス95869192
ケンタッキー89717887
ミシガン84788773
*ミネソタ96869591
ミズーリ96939695
*ネブラスカ98899394
ノース・カロライナ98979998
ノース・ダコタ77758979
オハイオ90818782
ペンシルヴァニア65457069
*サウス・ダコタ94818986
テネシー97959898
テキサス94909596
ウィスコンシン87748376
18州平均93859189
表1 コーンのドウ率(出展元 USDA)

 表2はコーンのデント率を示している。デント期は実の成熟が始まったことを示している。デント期の進捗率は前年より1ポイント低いが、平年より4ポイント高くほぼ同じペースで進んでいる。
表中の赤字はコーンベルト西側、青字はコーンベルト東側の州を示しており、*印のついた州は2020年のコーンの作付面積が500万エーカーを超えるコーンの主要生産州を示している。

コーンデント率2020/8/292021/8/222021/8/292016-2020
avg.
コロラド37182731
*イリノイ68506564
*インディアナ50365752
*アイオワ68476657
*カンザス69486366
ケンタッキー71536272
ミシガン38203631
*ミネソタ59305046
ミズーリ81547377
*ネブラスカ72416460
ノース・カロライナ89889492
ノース・ダコタ23234531
オハイオ36385439
ペンシルヴァニア2842036
*サウス・ダコタ47294240
テネシー75708085
テキサス83828484
ウィスコンシン42234635
18州平均60415955
表2 コーンのデント率(出展元 USDA)

表3は今週より発表されたコーンの成熟率を示している。成熟期は文字通り実の成熟が進む。この時期になると雨の重要性は低下する。成熟期の公開は始まったばかりで大きな差はない。
表中の赤字はコーンベルト西側、青字はコーンベルト東側の州を示しており、*印のついた州は2020年のコーンの作付面積が500万エーカーを超えるコーンの主要生産州を示している。

コーン成熟率2020/8/292021/8/222021/8/292016-2020
avg.
コロラド3131
*イリノイ100410
*インディアナ7188
*アイオワ10366
*カンザス1731219
ケンタッキー35213040
ミシガン1011
*ミネソタ3061
ミズーリ621117
*ネブラスカ10185
ノース・カロライナ71557476
ノース・ダコタ0252
オハイオ1033
ペンシルヴァニア1011
*サウス・ダコタ7684
テネシー2072536
テキサス64576062
ウィスコンシン6123
18州平均114910
表3 コーンの成熟率(出展元 USDA)

次に今週のコーンの作柄予想について説明する。表4はコーンの州ごとの作柄予想で、今週は大豊作が14%(前週14%)、豊作が46%(前週46%)、平年並が26%(前週26%)、凶作が10%(前週10%)、大凶作が4%(前週4%)となり前週から横ばいだった。
表中の赤字はコーンベルト西側、青字はコーンベルト東側の州を示しており、*印のついた州は2020年のコーンの作付面積が500万エーカーを超えるコーンの主要生産州を示している。()内は前週の値を示している。

コーン作柄Very Poor
(大凶作)
Poor
(凶作)
Fair
(平年作)
Good
(豊作)
Very Good
(大豊作)
コロラド3(7)12(12)25(25)47(47)13(13)
*イリノイ2(3)4(5)24(24)49(49)21(17)
*インディアナ2(2)6(5)23(21)55(57)14(14)
*アイオワ2(3)8(9)32(30)50(49)8(9)
*カンザス5(4)12(10)29(26)46(51)8(9)
ケンタッキー2(1)4(4)14(15)64(65)16(15)
ミシガン1(1)3(2)23(20)49(53)24(24)
*ミネソタ9(9)18(18)37(39)30(30)6(4)
ミズーリ2(2)7(7)28(28)52(51)11(12)
*ネブラスカ5(4)8(8)20(21)45(43)22(24)
ノース・カロライナ1(0)3(3)15(17)61(60)20(20)
ノース・ダコタ15(14)32(25)37(36)16(16)0(2)
オハイオ0(1)5(4)17(16)57(55)20(24)
ペンシルヴァニア0(0)1(1)14(14)65(64)20(21)
*サウス・ダコタ16(14)29(25)32(36)22(24)1(1)
テネシー1(1)4(5)19(18)58(58)18(18)
テキサス1(2)9(6)29(28)44(50)17(14)
ウィスコンシン1(2)4(4)17(19)45(44)33(31)
18州平均410264614
前週410264614
前年59244814
表4 コーンの作柄予想(出展元 USDA)
アメリカ産大豆の農作業の進展率

 表5は大豆の着さや率を示していて、今週と前週、前年と平年(過去5年間の平均)と比較したものとなっている。着さやの進展率は93%となりほぼ終了している。
表中の赤字はコーンベルト西側、青字はコーンベルト東側の州を示しており、*印のついた州は2020年の大豆の作付面積が500万エーカーを超える大豆の主要生産州を示している。

大豆着さや率2020/8/292021/8/222021/8/292016-2020
avg.
アーカンソー98929697
*イリノイ96849594
*インディアナ94909490
*アイオワ96959794
カンザス86728186
ケンタッキー82808482
ルイジアナ10095100100
ミシガン999510090
*ミネソタ99969897
ミシシッピー97959696
*ミズーリ87708284
*ネブラスカ100939795
ノース・カロライナ83778681
ノース・ダコタ96939596
オハイオ96878992
*サウス・ダコタ96949793
テネシー90829091
ウィスコンシン96899592
18州平均95889392
表5 大豆の着さや率(出展元 USDA)

 表6は大豆の落葉率を示していて、今週と前週、前年と平年(過去5年間の平均)と比較したものとなっている。落葉期にはさや内の実の成熟が進む。公開開始直後のため大きな差はない。
表中の赤字はコーンベルト西側、青字はコーンベルト東側の州を示しており、*印のついた州は2020年の大豆の作付面積が500万エーカーを超える大豆の主要生産州を示している。

大豆落葉率2020/8/292021/8/222021/8/292016-2020
avg.
アーカンソー1391516
*イリノイ0052
*インディアナ6197
*アイオワ3021
カンザス7165
ケンタッキー7354
ルイジアナ54193148
ミシガン8034
*ミネソタ2392
ミシシッピー25192527
*ミズーリ0031
*ネブラスカ144128
ノース・カロライナ4175
ノース・ダコタ1592416
オハイオ7035
*サウス・ダコタ19142313
テネシー73107
ウィスコンシン3011
18州平均7397
表6 大豆の落葉率(出展元 USDA)

 表7は大豆の作柄予想を示している。大豆が栽培されている州のうち上位18州の作柄予想は大豊作が11%(前週11%)、豊作が45%(前週45%)、平年並が29%(前週28%)、凶作が10%(前週11%)、大凶作が5%(前週5%)となっている。凶作率が1ポイント低下している。
表中の赤字はコーンベルト西側、青字はコーンベルト東側の州を示しており、*印のついた州は2020年の大豆の作付面積が500万エーカーを超える大豆の主要生産州を示している。()内は前週の値を示している。

大豆作柄予想Very Poor
(大凶作)
Poor
(凶作)
Fair
(平年作)
Good
(豊作)
Very Good
(大豊作)
アーカンソー2(2)5(5)27(24)46(47)20(22)
*イリノイ3(4)4(5)22(24)51(47)20(20)
*インディアナ3(3)7(7)24(23)55(55)11(12)
*アイオワ2(2)7(8)31(29)51(52)9(9)
カンザス5(4)8(6)34(32)47(53)6(5)
ケンタッキー2(2)4(4)19(19)62(62)13(13)
ルイジアナ1(0)2(2)9(14)79(72)9(12)
ミシガン1(1)3(3)24(24)49(53)23(19)
*ミネソタ9(9)18(19)42(41)28(28)3(3)
ミシシッピー1(2)2(3)16(17)71(66)10(10)
*ミズーリ2(1)7(6)32(32)52(53)7(7)
*ネブラスカ3(3)7(7)21(21)51(49)18(18)
ノース・カロライナ1(1)6(5)26(24)59(49)8(20)
ノース・ダコタ15(16)30(36)40(36)15(12)0(0)
オハイオ2(1)6(5)24(21)55(54)13(19)
*サウス・ダコタ12(11)30(26)36(38)21(24)1(1)
テネシー2(3)5(4)21(22)57(56)15(14)
ウィスコンシン2(2)4(5)19(18)50(51)25(24)
18州平均510294511
前週511284511
前年37245313
表7 大豆の作柄予想(出展元 USDA)
土壌乾燥率

 表8はコーンベルト各州の畑(表面と土中)の乾燥度を示している。USDAの発表は極度の乾燥、乾燥、普通、湿潤の4段階になっているが、最も乾燥の酷い極度の乾燥の畑の割合を示している。今週はコーンベルト西側のノース・ダコタ州、サウス・ダコタ州、アイオワ州やミネソタ州で降雨が多く乾燥度合いが改善した。サウス・ダコタ州では土中の乾燥度合いで極度に乾燥した畑が44%、乾燥した畑が34%と全体の77%の畑で水分が不足している。ノース・ダコタ州で極度に乾燥した畑が45%、乾燥した畑が34%と全体の79%の畑で乾燥しており、ミネソタ州では極度に乾燥した畑が30%、乾燥した畑が39%と全体の69%の畑が乾燥しているが、前週に比べて3つの州では大きく改善した。

乾燥度合い:
表面(前週)
乾燥度合い:
表面
乾燥度合い:
土中(前週)
乾燥度合い:
土中
イリノイ5596
インディアナ12101010
アイオワ24142720
カンザス13171013
ミネソタ44204430
ミズーリ1413
ネブラスカ15111417
ノース・ダコタ31274945
オハイオ3413
サウス・ダコタ48364844
ウィスコンシン87109
48州平均20172220
表8 極度に乾燥している畑(表面と土中)の割合(出展元 USDA)

降水予報

図1 今後1週間の累積降水量予報(出展元 NOAA)
緑:~13㎜、紫:~25㎜、赤:~100㎜

 図1は今後1週間の累積降水量の予報となる。コーンベルト西側のノース・ダコタ州、サウス・ダコタ州、ミネソタ州、ウィスコンシン州を中心にコーンベルトの西側で13mmから50mm、所によって76mm以上の雨が降る予報となっている、今週もノース・ダコタ州、サウス・ダコタ州、ミネソタ州の乾燥は改善しそう。一方で、コーンベルト東側では6mmから13mm程度の雨にとどまる見込み。

まとめ

 コーンでは91%の畑がドウ期入ったか終了、59%の畑がデント期に入った。コーンの作柄予想は大豊作が14%(前週14%)、豊作が46%(前週46%)、平年並が26%(前週26%)、凶作が10%(前週10%)、大凶作が4%(前週4%)と前週から横ばい。一方、大豆の農作業は開花率の公開が終了、93%の畑で着さや期に入っている。作柄予想では大豊作が11%(前週11%)、豊作が45%(前週45%)、平年並が29%(前週28%)、凶作が10%(前週11%)、大凶作が5%(前週5%)となり、凶作率が1ポイント低下した。
 コーンベルト西側のノース・ダコタ州とサウス・ダコタ州、アイオワ州、ミネソタ州で降雨により乾燥状態が改善した。
 今後7日間の降水予報では、コーンベルト西側のノース・ダコタ州、サウス・ダコタ州、ミネソタ州、ウィスコンシン州などコーンベルト西側で13mmから50mm、所によって76mm以上の雨が降る予報となり今週も乾燥が改善しそう。一方でコーンベルト東部では広い範囲で雨が降るが6mmから13mm程度の雨にとどまる見通し。乾燥懸念の後退でコーン相場と大豆相場の下落を予想している。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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