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コラム
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2021/08/06

エネルギー速報:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(つらつらコラム2021年8月6日)

ダイジェスト

・8月5日発表の天然ガス在庫は各社予想18Bcf増に対して13Bcf増と在庫増加が予想を下回る強気な内容だった。
・7月30日時点の天然ガス在庫量は2727Bcf(有効容量の63.9%)と在庫増加が続いている。在庫量は平年(5年間の平均2912Bcf)に比べて185Bcf少なく、前年(3269Bcf)と比べると542Bcf少ない
・7月29日から8月4日までの期間の天然ガス供給量は98.3Bcf(前週比0.2Bcf減少)、天然ガス生産量は前週から0.1Bcf増加した93.0Bcf、カナダからの輸入量は前週比で0.3Bcf減少した5.3Bcf
・7月29日から8月4日までの期間の天然ガス国内需要量は89.2Bcf(前週比3.4Bcf減少)
・国内需要の内訳は発電需要が前週比で3.0Bcf減少、住宅・商業用需要が前週比で0.2Bcfの減少、工業用は前週比で0.6Bcf増加となった。気温上昇が一服して冷房用の発電需要が減少した
・LNG輸出用需要は10.5Bcfで前週比で0.2Bcfの減少となった。タンカーによるLNG輸出量は前週から7Bcf増加した77Bcf。
・メキシコ向けパイプライン輸出需要は前週比で0.4Bcf減少した5.9Bcf
・アメリカではテキサス州周辺で平年並みの気温となる以外は、全国的に平年以上となる暑さがまだ続く見通しで、1か月予報で全国的に気温が平年より高くなる予報

週間天然ガス在庫総評

 8月5日にEIAが発表した7月30日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で13Bcfの増加した2727Bcfとなった。7月30日の天然ガス相場は在庫の増加量が13Bcf増と各社予想の18Bcf増加を下回る強気な結果となったことや気温上昇による冷房用需要の増加見込み.LNGの輸出拡大期待から買われて、一時4.210ドルまで上昇したが、取引終了時間まで利食い売りが入って上げ幅を削って引けている。

図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

 図1は天然ガス在庫量を過去5年の平均・変動幅と比較しているが、現在の在庫量は過去5年平均(図1黒線)を総量で185Bcf下回っている。表1はアメリカの地域別の在庫内訳となる。今週はアメリカ東部や中西部で在庫が増加したが、南部や太平洋岸で在庫が減少となっている。全米の在庫量は2727Bcfで平年(5年間の平均2912Bcf)に比べて185Bcf少なく、前年(3269Bcf)に比べて542Bcf少なくなっている。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の58.1%、有効容量(4261Bcf)の63.9%となっている。

表1 アメリカの天然ガス在庫量(出展 EIA)

天然ガス供給

 表2は7月29日から8月4日までの間の天然ガス供給量の内訳となる。天然ガスの生産は前週から0.1Bc増加した93.0Bcfだった。カナダからの輸入は前週から0.3Bcf減少した5.2Bcfだった。結果、天然ガスの総供給量は前週比で0.2Bcf減少した98.3Bcfとなった。

表2 天然ガス供給内訳(出展元 EIA)

天然ガス需要

 表3は7月29日から8月4日の間の天然ガス需要量の内訳となる。全米の天然ガス需要量全体は89.2Bcfと前週比で3.4Bcfの減少となった。
 アメリカの国内需要は66.5Bcfと前週から2.6Bcfの増加だった。内訳は発電需要が前週から3.0Bcf少ない37.8Bcf、工業需要が前週から0.6Bcf増加した20.6Bcf、住宅・商業用需要が前週から0.2Bcf減少した8.1Bcfだった。気温上昇が一段落したことで冷房用の電力需要が減少した。
 輸出需要ではメキシコ向けパイプライン輸出が前週から0.4Bcf減少した5.9Bcfとなった。LNG輸出向け需要は前週から0.2Bcf減少した10.5Bcfとなったが、LNGの輸出量は77Bcfと前週から7Bcfの増加だった。

表3 天然ガス需要セクタ別内訳(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

6月29日時点7月6日時点7月13日時点7月20日時点7月27日時点
原油用376基378基380基387基385基
天然ガス用99基101基104基104基103基
表4 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

 表4はベーカー・ヒューズ社が毎週金曜日に発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。7月30日発表の最新レポート(7月27日時点)によると稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から2基減の385基、天然ガス採掘用リグ稼働数は1基減の103基、リグの総数は488基となっている。

今後の見通し

LNG輸出

 図2はNGI社が提供している天然ガスパイプライン流量でLNG輸出量の推定値となる。一昨日の8月4日に9Bcfを割り込んだが、その後の天然ガス流量は10Bcf台を回復して推移している。EIAによると7月29日から8月4日の間に全米6か所のLNG輸出基地に寄港したLNGタンカーは21隻でLNG輸出量は前週から7Bcf増加した77Bcfだった。

図2 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

 図3はNOAAが今日発表した10日後から14日後(8月13日から8月19日)の気温予報となる。テキサス州を中心とする地域で平年並みの気温となる以外は全国的に平年以上の気温となる見込み。図4は7月31日NOAA発表の最新の1か月予報でテキサス州周辺で平年以下の気温となる他は全国的に平年以上の気温となる見通し。

まとめ

 8月5日に発表された7月30日時点の天然ガス在庫の増加幅は13Bcf増となり各社の事前予想18Bcfを下回る強気な結果だった。天然ガス相場は在庫の増加が予想以上に少なかったことや気温の上昇で冷房用需要が伸びるとの見方、LNG輸出の拡大期待から買われて発表直後に4.201ドルまで上昇したが利食い売り出て4.150ドル付近まで下落して引けている。
 7月29日以降8月4日までの天然ガス需要は89.2Bcfと前週の92.6Bcfと比べて3.4Bcfの減少となった。気温が上昇が一服したことで冷房の需要が伸び悩み発電用の天然ガス需要が減少した。内訳では発電所向けの需要が前週比で3.0Bcf減少した37.8Bcf、住宅・商業用需要は前週から0.2Bcf減少した8.1Bcf、工業用需要は前週比で0.6Bcf増加した20.6Bcfだった。また、LNGの輸出向け需要は1日平均10.5Bcfと前週より0.2Bcf減少したが、LNGの総輸出量は77Bcfで前週の70Bcfから7Bcfの増加となった。一方で天然ガスの供給量は98.3Bcfと前週より0.2Bcfの減少となった。内訳は天然ガス生産が前週より0.1Bcf増加した93.0Bcf、カナダからの供給が0.3Bcf減少した5.3Bcfとなった。
 来週以降はテキサス州を中心に平年並みの気温となる以外は全国的に気温が上昇する予報となっている。気温上昇による冷房用需要増加が予想される他、LNGの輸出は順調に推移しており引き続き支援材料となると考えられる。来週もLNG輸出の状況や天気予報に注意したい。

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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