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コラム
column

2021/09/01

エネルギー速報:OPECの増産と今後の見通し(つらつらコラム2021年9月1日)


ダイジェスト

・OPECプラスのJTC(共同技術委員会)の予想によると2021年内は原油は日量82.5万バレルの供給不足、2022年は日量160万バレルの供給過多となる見込み
・依然として供給過多ではあるものの、当初予想と比べて日量約100万バレルの需要引き上げ
・現行の増産計画では2022年は供給過多となるため、計画の見直しや停止の可能性が浮上

概要

 OPECプラスは今日9月1日に10月以降の増産量を決める会合をウィーンで開催する。現状では7月に開催された会議の結果、1月当たり日量40万バレルの増産と、2022年4月以降のOPECプラスの枠組みの維持が決定されている。原油価格が高止まりする中、増産量の行方に注目が集まっているが、市場関係者の多くは7月の会議の決定が据え置かれると予想している。

JTCによる原油需要予測

 9月1日の閣僚会合に先立ち8月31日にOPECプラスのJTC(共同技術委員会)が開催された。図1は提出されたデータをもとにした図となる。世界の原油需要が回復しており、現状の月40万バレルの増産ペースの場合には2021年の12月にかけて世界の原油在庫は日量82.5万バレルのペースで減少すると予想されている。OPECプラスの増産など世界の原油生産が増加するため供給過剰となり在庫増加に転じる。当初の予備データでは2022年の世界の原油需要は日量250万バレルの供給過多で1年間で約9億バレルの在庫が増加すると予想されていた。その後、データが追加されて2022年の世界需要は約100万バレル引き上げられた。それでも2022年は平均日量160万バレルのペースで在庫が増加すると見込まれている

図1 世界の原油在庫の推移(出展元 ブルームバーグ)

 加えて、この予想はOPECプラスが現在の増産ペースを守ることが前提となっているが、加盟国の多くの国が増産目標を達成できていない状況のため、この予想の通り余剰が出る可能性は低いとされている。実際、OPECの増産量は目標に届いておらず、ロイター調べでは8月のOPECの原油生産量は日量2693万バレルと前月比で21万バレルの増産にとどまった。OPECプラスの決定によるとOPECへの割り当ては日量25万バレルとなっており、増産目標を下回っている。なお8月の減産遵守率は115%だった。

今後の見通し

 アメリカ政府は世界経済を支えるため原油価格を低下させる目的でOPECに増産圧力をかけている。今回の発表で2022年の原油需要は予備データの時点の日量250万バレルの供給過多となっていたが、日量160万バレルの供給過多まで上方修正された。このことは需要回復を裏付けてはいるが、なお2022年は供給過多となる予想で、7月のOPECプラス会合で決定した増産計画を上回る理由には乏しいと考えられる。
 アメリカの思惑とは逆にOPECプラス内部では、供給過多の状況を改善するために必要に応じて現行の増産計画の中止や見直しを行うことが言及されており、2022年は減産が強化される可能性がある。全ては新型コロナウイルスのデルタ株の流行がどれだけ世界経済を減速させるかに依存している。ワクチン接種へ進んでいるものの流行を抑え込めるかは不透明となっている。よって、今日のOPECプラス会合で積極的な増産、あるいは増産停止などのサプライズがあるとは考えにくい。また、個人的には2022年に入った時点で減産がありうるのではと考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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