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コラム
column

2021/09/16

エネルギー速報:EIA週間原油統計(つらつら分析2021年9月16日)

ダイジェスト

・16日の原油相場はハリケーンアイダの影響で閉鎖されている油田の閉鎖が長引くとの見方を材料に72.00ドル台まで上昇
・原油在庫642万バレル減少
 原油生産量は日量1010万バレルで前週から10万バレルの増加
 輸出入では輸入量が576万バレル、輸出量が262万バレルで314万バレルの輸入超過
 製油所稼働率は0.2%上昇し、原油処理量は8万バレルの増加
 Adjustmentによる在庫調整は今週も増加側で調整量は15万バレル
・ガソリン在庫は185万バレル減少
(生産量+輸入量)<(出荷量+輸出量)で在庫が減少。ガソリン出荷量の大幅減少と輸入量の減少で在庫減となった
 ガソリン生産量は85万バレル減少、輸入量は25万バレル減少
 ガソリン出荷量は71万バレル減少、輸出量は10万バレル減少
・留出油在庫は168万バレル減
 (生産量+輸入量)<(出荷量+輸出量)で在庫が減少。出荷量の減少で在庫が減少
 留出油の生産量は3万バレル減少、輸入量は2万バレル増加
 留出油の出荷量は11万バレル増加、輸出量は33万バレル減少
・原油と石油製品を合わせた在庫量は18億4540万バレルで前週より930万バレルの減少
・オクラホマ州クッシング在庫は110万バレル減少した3530万バレル、クッシングのタンク容量は約7600万バレルで貯蔵率46.4%

EIA週間統計の総評

 日本時間15日23時半にEIAの週間在庫統計が発表された。原油在庫は642万バレルの減少。製油所の稼働率は前週比で0.2%上昇した82.1%となり、原油消費量は前週比で8万バレル増加した1438万バレルとなった。石油製品ではガソリン在庫が185万バレル減少、留出油在庫は168万バレルの減少、WTI指標原油であるオクラホマ州クッシングの在庫は110万バレル減少した3530万バレルだった。
 原油生産は前週比で10万バレル増加した日量1010万バレル、原油輸入量は前週比で4万バレル減少した日量576万バレル、輸出量は日量28万バレル増加した日量262万バレルで輸出入全体としては314万バレルの輸入超過となっている。メキシコ湾岸の原油の供給不足に対応するため戦略備蓄(SPR)が7万バレル放出されている。原油と全ての石油製品を合わせた在庫は18億4540万バレルと前週比で930万バレルの減少だった。

原油と石油製品の在庫(表1)

 表1は過去4週間分の結果を示している。原油の在庫は642万バレル減少した4億1740万バレル、ガソリン在庫は185万バレル減少した2億1810万バレル、留出油在庫は168万バレル増加した1億3190万バレル、オクラホマ州クッシングの原油在庫は110万バレル減少した3530万バレルだった。

API統計EIA統計今週EIA統計前週EIA統計2週前EIA統計3週前
原油(万バレル)540減642減152減716減298減
ガソリン(万バレル)280減185減721減129増224減
留出油(万バレル)290減168減314減173減64増
クッシング在庫(万バレル)110減194増83増7増
表1 原油・石油製品在庫 (出展元 EIA)

 図1は原油在庫の過去2年分の推移、図2はガソリン在庫の過去2年分の推移、図3は留出油在庫の過去2年分の推移となる。それぞれの図は今年の在庫推移(青線)と過去5年間の在庫レンジ(灰色)とを比較している。原油在庫とガソリン在庫、留出油在庫全てで過去5年間の在庫レンジの中央値より在庫が少なくなっており、特にガソリン在庫は過去5年の在庫レンジより少なくなっている。

図1 原油在庫推移(出展元 EIA)
図2 ガソリン在庫推移(出展元 EIA)
図3 留出油在庫推移(出展元 EIA)
原油生産と輸出入、戦略備蓄(日量)(表2と表3)

 表2は原油の生産量と輸出入についてまとめている。原油生産量は日量1010万バレル。前週から10万バレルの増加となったものの、依然としてハリケーンアイダによるメキシコ湾海上油田の生産が回復しなかったことで落ち込みが続いている。原油輸入量は前週比で5万バレル減少した日量576万バレル、輸出量は前週比で28万バレル増加した262万バレルで314万バレルの輸入超過となった。Adjustmentは需要と供給それぞれの不確実性(計算のずれなど)のつじつまを合わせて相殺するために需給の計算に加えられる。今週の統計のAdjustmentは先週から46万バレル減少した15万バレルが在庫を増加させる形で調整が加わっている。

原油生産と輸出入今週前週2週前3週前4週平均前年
同時期
原油生産(万バレル/日)101010001150114010751090
戦略備蓄増加(万バレル/日)00000
原油輸入(万バレル/日)576581634615601500
原油輸出(万バレル/日)262234304281270259
Adjustment(万バレル/日)1561119044-75
表2 原油生産と戦略備蓄、輸出入 (出展元 EIA)
*Adjustmentの-はマイナス補正を意味している

 輸入国の国別内訳と前週からの増減は表3の通り。今週はカナダ、コロンビアからの輸入が減少している。一方でメキシコ、エクアドル、ロシアからの輸入が増加した。

輸入国輸入量(万バレル/日)前週輸入量(万バレル/日)増減(万バレル)
カナダ320358-38
メキシコ5337+16
サウジアラビア3629+7
イラク510-5
コロンビア014-14
エクアドル170+17
ナイジェリア811-3
ロシア2514+11
ブラジル2122-1
表3 輸入量国別内訳(出展元 EIA)
石油製品生産量(日量)と製油所稼働率(表4)

 表4は主要石油製品の生産と輸入(供給)についてまとめたものとなる。製油所稼働率は前週から0.2%上昇した82.1%となり、製油所への原油投入量は前週比で8万バレル増加した日量1438万バレルとなった。石油製品の生産ではガソリン生産は前週から85万バレルと大幅減少した日量927万バレル、ジェット燃料生産は前週から7万バレルの増加となる日量126万バレル、留出油生産は前週から3万バレル減少した日量415万バレルだった。

製油所稼働率等今週前週2週前3週前4週平均前年度
同時期
原油投入量(万バレル/日)143814301593160715171348
製油所稼働率(%)82.181.991.392.486.975.8
ガソリン生産(万バレル/日)  92710129881024988881
ガソリン輸入(万バレル/日) 63891131079360
ジェット燃料生産(万バレル/日)12613314014013581
ジェット燃料輸入(万バレル/日)252323272423
留出油生産(万バレル/日)   415418481498453440
留出油輸入(万バレル/日)  161436282411
表4 石油製品生産量(供給) (出展元 EIA)
石油製品供給(日量、需要)(表5)

 表5は主要石油製品の出荷量(需要)と輸出量の内訳一覧となる。ガソリン出荷量は前週から71万バレル減少した日量889万バレル、ジェット燃料の出荷量は前週から25万バレル減少した日量137万バレル、留出油の出荷量は前週から11万バレル増加した日量379万バレルだった。

石油製品
出荷量(日量)
今週前週2週前3週前4週
平均
前年
同時期
ガソリン出荷(万バレル/日)889960957957941847
ガソリン輸出(万バレル/日)637346916850
ジェット燃料出荷(万バレル/日)13716217913915494
ジェット燃料輸出(万バレル/日)656765
留出油出荷(万バレル/日)379368439410399280
留出油輸出(万バレル/日)7610910310799121
表5 石油製品出荷量(需要) (出展元 EIA)
石油製品需給(日量)

 原油の需要側では製油所稼働率が前週から0.2%下落した82.1%となり、原油消費量は前週より8万バレル増加した日量1438万バレルとなった。
 主要な石油製品ではガソリン生産量が前週比で85万バレル減少した日量927万バレル、輸入量は26万バレル減少した日量63万バレルだった。ガソリンの出荷量は前週から71万バレル減少した日量889万バレル、輸出量は前週から10万バレル減少した日量63万バレルだった。ガソリンの生産量が大幅減少と輸入量の減少による供給量の減少が出荷量の減少と輸出量の減少を上回りガソリン在庫は185万バレルの減少だった。
 次に留出油は生産量が前週から3万バレル減少した日量415万バレル、輸入量は前週から2万バレル増加した日量16万バレルだった。留出油の出荷量は前週から11万バレルの増加した日量379万バレル、輸出量は33万バレル減少した日量76万バレルとなった。出荷量が増加したものの輸出量も減少したため、168万バレルの在庫減少と前週より減少幅が縮小した。
 ジェット燃料生産量は前週から7万バレル増加した126万バレル、出荷量は前週比で25万バレル減少した137万バレルとなった。
 石油製品全体の出荷量(需要)は前週比で4万バレル減少した日量1991万バレルとなった。原油在庫が642万バレル減少、ガソリン在庫が185万バレル減少、留出油在庫が168万バレルの減少となり、全ての石油製品在庫に原油在庫を加えた全石油在庫は前週比で930万バレル減少した18億4540万バレルとなった。

石油製品価格(表6と表7)

 表6はニューヨーク港渡しの石油製品のスポット卸売価格となる。今週の燃料の卸価格はガソリンが約3セント、ディーゼル燃料は約1セントの下落となった。原油価格は約0.50ドルの上昇だった。

スポット卸売価格
(ニューヨーク港渡し)
9/109/38/278/20前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.3072.3392.2852.0081.155
ディーゼル燃料
(ドル/ガロン)
2.1402.1572.1071.8971.087
原油
(ドル/バレル)
69.8269.3468.8462.2537.33
表6 石油製品受渡価格 (出展元 EIA)

 表7は全米の石油製品の小売価格の全国平均を週ごとに集計した結果となる。今週のガソリン小売価格は約1セントの下落、ディーゼル燃料の小売価格は横ばいだった。レギュラーガソリン価格は1ガロン当たり3.100ドルを超えた状態がいまだ続いている。

小売価格9/139/68/30 8/23 前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.1653.1763.1393.1452.183
中間グレードガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.6183.6283.5993.6062.600
プレミアムガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.8683.8793.8533.8532.851
ディーゼル燃料価格
(ドル/ガロン)
3.3723.3733.3393.3242.422
表7 石油製品全国価格 (出展元 EIA)

今後の見通し

 アメリカの原油生産量は日量1010万バレルと前週から10万バレルの増加。需要面では製油所稼働率が前週から0.2%上昇した82.1%となり原油消費量は8万バレル増加した日量1438万バレルだった。ハリケーンエイダの影響でメキシコ湾岸の油田や製油所が閉鎖された後の復旧が進んでおらず、産油量や製油所稼働率、原油消費量がハリケーン前より大きく低下している。原油輸入量は前週比で日量4万バレル減少した日量576万バレル、輸出量が28万バレル増加した日量262万バレルで、日量314万バレルの輸入超過となっている。原油消費量は微増したものの原油生産の大幅減少が続き原油在庫は642万バレルの在庫減少となった。
 ガソリンは生産量が85万バレルの大幅減少、ガソリン出荷量は71万バレルの減少、ガソリン輸入量は25万バレルの減少、ガソリン輸出量は10万バレルの減少となった。生産量の減少が大きく185万バレルの在庫減少となった。留出油は生産量が3万バレルの減少、輸入量が2万バレルの増加、出荷量が11万バレルの増加、輸出量は33万バレルの減少となった。留出油の出荷量が増加したが、輸出量の減少で168万バレルの在庫減少と前週より減少幅が縮小したなった。燃料価格はガソリン卸売価格が約3セントとディーゼル燃料卸売価格が約1セントの下落。一方、小売価格はガソリンが約1セントの下落、ディーゼル燃料は横ばいとなった。
 全ての石油製品の出荷量は日量4万バレル減少した1991万バレル、全ての石油製品と原油を合わせた在庫は930万バレル減少した18億4540万バレルとなった。
 原油相場は8月末にメキシコ湾岸へ接近したハリケーンアイダによる油田の生産量の落ち込みがなお続いており復旧が進んでいない。これ支援材料として原油相場は72ドル付近まで上昇している。生産停止は長期化しているが、生産回復についての続報に注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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