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コラム
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2021/09/17

エネルギー速報:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(つらつらコラム2021年9月17日)

ダイジェスト

・9月16日発表の天然ガス在庫は各社予想75Bcf増に対して83Bcf増と在庫増加が予想を上回る弱気な内容だった。
・9月10日時点の天然ガス在庫量は3006Bcf(有効容量の70.5%)となっている。在庫量は平年(5年間の平均3237Bcf)に比べて231Bcf少なく、前年(3601Bcf)と比べると595Bcf少ない状態
・9月9日から9月15日までの期間の天然ガス供給量は97.2Bcfで前週比で1.7Bcf増加。天然ガス生産量は前週から1.3Bcf増加した92.3Bcf、カナダからの輸入量は前週から0.3Bcf増加した4.8Bcf
・9月9日から9月15日までの期間の天然ガス国内需要量は85.6Bcfで前週から0.9Bcf増加
・国内需要の内訳は発電需要が前週比1.1Bcf増加、住宅・商業用需要が前週比で0.3Bcf増加、工業用需要は前週比で0.1Bcf増加だった
・LNG輸出用需要は前週比で0.5Bcf減少した10.4Bcf。タンカーによるLNG輸出量は前週から18Bcf減少した56Bcf。熱帯低気圧ニコラスによる輸出基地の停電やパイプラインのメンテナンスが原因
・メキシコ向けパイプライン輸出需要は前週比で0.4Bcf減少した5.5Bcf
・ハリケーンアイダの被害による生産量低下が継続しているが一部で生産が再開された

週間天然ガス在庫総評

 9月16日にEIAが発表した9月10日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で83Bcf増加した3006Bcfとなった。9月16日の天然ガス相場は在庫の増加量が83Bcf増と各社予想の75Bcf増加を上回る弱気な結果となったものの大きな影響はなく、来週以降の気温低下による冷房用需要の減少など需要の減少見込みを材料に売られて0.1ドル以上の下落で引けている。

図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

 図1は天然ガス在庫量を過去5年の平均・変動幅と比較している。現在の全米の在庫量は3006Bcfで平年(5年間の平均3237Bcf、図1黒線)に比べて231Bcf少なく、前年(3601Bcf)に比べて595Bcf少なくなっている。表1はアメリカの地域別の在庫内訳となる。今週はこれまでと同様にアメリカ東部や中西部で在庫が増加した他、南部でも在庫が増加した。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の64.0%、有効容量(4261Bcf)の70.5%となっている。

表1 アメリカの天然ガス在庫量(出展 EIA)

天然ガス供給

 表2は9月9日から9月15日までの間の天然ガス供給量の内訳となる。天然ガスの生産は前週から1.3Bcf増加した92.3Bcfだった。ハリケーンアイダの被害から一部が復旧が始まり生産量が増加している。カナダからの輸入は前週から0.3Bcf増加した4.8Bcfとなった。結果、天然ガスの総供給量は前週比で1.7Bcf増加した97.2Bcfとなった。

表2 天然ガス供給内訳(出展元 EIA)

天然ガス需要

 表3は9月9日から9月15日の間の天然ガス需要量の内訳となる。全米の天然ガス需要量は85.6Bcfと前週比で0.9Bcfの増加となった。
 アメリカの国内需要は63.6Bcfと前週から1.6Bcfの増加となった。内訳は発電需要が前週から1.1Bcf増加した34.1Bcf、工業需要が前週から0.1Bcf増加した21.0Bcf、住宅・商業用需要が前週から0.3Bcf増加した8.4Bcfだった。気温が再度上昇し冷房用需要が増加した。
 輸出需要ではメキシコ向けパイプライン輸出が前週から0.4Bcf減少した5.5Bcfとなった。LNG輸出向け需要は前週から0.5Bcf減少した10.5Bcfとなり、LNGの輸出量は56Bcfと前週から18Bcfの減少だった。これは今週発生した熱帯低気圧ニコラスの影響でLNG輸出施設に停電が発生したことと供給用のパイプラインでメンテナンスが行われたことが要因となっている。

表3 天然ガス需要セクタ別内訳(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

8月10日時点8月17日時点8月24日時点8月31日時点9月7日時点
原油用397基405基410基394基401基
天然ガス用102基97基97基102基101基
表4 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

 表4はベーカー・ヒューズ社が毎週金曜日に発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。9月10日発表の最新レポート(9月7日時点)によると稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から7基増の401基、天然ガス採掘用リグ稼働数は1基減の101基、その他の1基を加えたリグの総数は前週比6基増の503基となっている。

今後の見通し

LNG輸出

 図2はNGI社が提供している天然ガスパイプライン流量でLNG輸出量の推定値となる。9月13日まで連日流量は10.0Bcf超えが続いていたが、14日以降はLNG輸出基地へ天然ガスを供給しているパイプラインのメンテナンスや熱帯低気圧ニコラスによる輸出基地の停電により輸出量が約9Bcfまで減少している。EIAによると9月10日から9月16日の間に全米6か所のLNG輸出基地に寄港したLNGタンカーは16隻でLNG輸出量は56Bcfと前週から18Bcfの減少だった。
 現在、天然ガスの価格は国際的に上昇している。欧州ではオランダのTTFハブでの天然ガス価格が1MMBtu当たり17.96ドルと約17%上昇し2007年9月以来の高値に、東アジアでも1MMBtuあたり18.69ドルと今年1月に記録した最高値を更新した。米国でも前週から1MMBtu当たり10%以上値上がりした1MMBtu当たり5.46ドルへ上昇している。

図2 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

 図3はNOAAが今日発表した10日後から14日後(9月24日から9月30日)の気温予報となる。メキシコ湾岸を除きおおむね全国的に平年以上の気温となる見込み。図4は9月16日NOAA発表の最新の1か月予報でメキシコ湾岸や北西部を除いて平年以上の気温となる見込み。また、カリフォルニア州では干ばつが続いており、水力発電用のダムの水位が低下している。このため今後も水力発電の代替として天然ガス発電の比重が高くなる見込み。

まとめ

 9月16日に発表された9月10日時点の天然ガス在庫の増加幅は83Bcf増となり各社の事前予想75Bcfを上回る弱気な結果だった。16日の天然ガス相場は気温の低下などによる需要の減少見通しを材料に売られて0.1ドル以上の下落となった。
 9月9日から9月15日までの天然ガス需要は85.6Bcfと前週から0.9Bcfの増加となった。国内向け需要は前週比で1.6Bcf増加した63.6Bcfだった。国内需要の内訳では発電所向けの需要が旺盛で前週比で1.1Bcf増加した34.1Bcf、住宅・商業用需要は前週比で0.3Bcf増加した8.4Bcf、工業用需要は前週比で0.1Bcf増加した21.0Bcfだった。LNG基地向けの需要は前週から0.5Bcf減少した10.4Bcf、LNGの総輸出量は56Bcfで前週から18Bcfの減少となった。LNG基地向けのパイプラインのメンテナンスや熱帯低気圧ニコラによる輸出基地の停電の影響が響いた。一方で天然ガスの供給量は97.2Bcfと前週より1.7Bcfの増加となった。ハリケーンアイダの被害で停止していたガス田の一部が生産を再開したことで天然ガス生産が前週より1.3Bcf増加した92.3Bcf、カナダからの供給は前週から0.3Bcf増加した4.8Bcfとなっている。
 来週以降は気温上昇が一段落することから冷房用需要は減少する見込み。一方でLNG輸出の堅調はしばらく続くと考えられる他、ハリケーンアイダ通過後の天然ガス生産の回復が完全に回復していないことが引き続き支援材料となると考えられる。天気予報や生産回復に関する続報に注意したい。

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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