会員限定ページへログイン

IDとパスワードは半角英数字で入力してください。
最新情報をすぐに閲覧したい方は有料メルマガ登録(まぐまぐ!)をしてください。

  • ◆ ID
  • ◆ パスワード

コラム
column

2021/09/02

エネルギー速報:EIA週間原油統計(つらつら分析2021年9月2日)

ダイジェスト

・1日の原油相場は下落。大きな理由はなくダウ安に連動したと考えられる。
・原油在庫716万バレル減少
 原油生産量は日量1150万バレルで前週から10万バレルの増加
 輸出入では輸入量が634万バレル、輸出量が304万バレルで330万バレルの輸入超過
 製油所稼働率は1.1%低下し、原油処理量は14万バレルの減少
 Adjustmentによる在庫調整は今週も増加側で調整量は11万バレル
・ガソリン在庫は129万バレル増加
(生産量+輸入量)<(出荷量+輸出量)で在庫が増加。ガソリン輸出量が減少したことで在庫増となった
 ガソリン生産量は36万バレル減少、輸入量は6万バレル増加
 ガソリン出荷量は横ばい、輸出量は45万バレル減少
・留出油在庫は173万バレル減
 (生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)で在庫が減少。出荷量の増加で在庫が減少
 留出油の生産量は17万バレル減少、輸入量は7万バレル増加
 留出油の出荷量は29万バレル増加、輸出量は4万バレル減少
・原油と石油製品を合わせた在庫量は18億6510万バレルで前週より1360万バレルの減少
・オクラホマ州クッシング在庫は83万バレル増加した3450万バレル、クッシングのタンク容量は約7600万バレルで貯蔵率45.4%
・9月1日のOPECプラスの共同閣僚監視委員会(JMMC)は前回の(7月)の会合の決定事項の確認で終了し、月40万バレルの増産方針に変わりはなかった。

EIA週間統計の総評

 日本時間2日23時半にEIAの週間在庫統計が発表された。原油在庫は716万バレルの減少。製油所の稼働率は前週比で1.1%低下した91.3%となり、原油消費量は前週比で14万バレル減少した1593万バレルとなった。石油製品ではガソリン在庫が129万バレルの増加、留出油在庫は173万バレルの増加、WTI指標原油であるオクラホマ州クッシングの在庫は83万バレル増加した3450万バレルだった。
 原油生産は日量1150万バレルで前週から10万バレルの増加、原油輸入量は前週比で18万バレル増加した日量634万バレル、輸出量は日量22万バレル増加した日量304万バレルで輸出入全体としては330万バレルの輸入超過となっている。戦略備蓄(SPR)の放出は今週も0だった。原油と全ての石油製品を合わせた在庫は18億6510万バレルと前週比で1360万バレルの減少だった。

原油と石油製品の在庫(表1)

 表1は過去4週間分の結果を示している。原油の在庫は716万バレル減少した4億2540万バレル、ガソリン在庫は129万バレル増加した2億2720万バレル、留出油在庫は173万バレル増加した1億3670万バレル、オクラホマ州クッシングの原油在庫は83万バレル増加した3450万バレルだった。

API統計EIA統計今週EIA統計前週EIA統計2週前EIA統計3週前
原油(万バレル)400減716減298減323減44減
ガソリン(万バレル)270増129増224減69増140減
留出油(万バレル)200減173減64増269減176増
クッシング在庫(万バレル)83増7増98減32減
表1 原油・石油製品在庫 (出展元 EIA)

 図1は原油在庫の過去2年分の推移、図2はガソリン在庫の過去2年分の推移、図3は留出油在庫の過去2年分の推移となる。それぞれの図は今年の在庫推移(青線)と過去5年間の在庫レンジ(灰色)とを比較している。原油在庫とガソリン在庫、留出油在庫全てで過去5年間の在庫レンジの中央値より在庫が少なくなっており、特にガソリン在庫は過去5年の在庫レンジより少なくなっている。

図1 原油在庫推移(出展元 EIA)
図2 ガソリン在庫推移(出展元 EIA)
図3 留出油在庫推移(出展元 EIA)
原油生産と輸出入、戦略備蓄(日量)(表2と表3)

 表2は原油の生産量と輸出入についてまとめている。原油生産量は日量1150万バレルで前週から10万バレルの増加。原油輸入量は前週比で18万バレル増加した日量634万バレル、輸出量は前週比で22万バレル増加した304万バレルで330万バレルの輸入超過となった。Adjustmentは需要と供給それぞれの不確実性(計算のずれなど)のつじつまを合わせて相殺するために需給の計算に加えられる。今週の統計ではAdjustmentとして先週から78万バレル減少した11万バレルが在庫を増加させる形で調整が加わっている。

原油生産と輸出入今週前週2週前3週前4週平均前年
同時期
原油生産(万バレル/日)11501140114011301140970
戦略備蓄増加(万バレル/日)000000
原油輸入(万バレル/日)634615635639531490
原油輸出(万バレル/日)304281243266298300
Adjustment(万バレル/日)11901221108374
表2 原油生産と戦略備蓄、輸出入 (出展元 EIA)
*Adjustmentの-はマイナス補正を意味している

 輸入国の国別内訳と前週からの増減は表3の通り。今週はイラクやメキシコ、カナダ、サウジアラビアからの輸入が増加した。一方でコロンビアからの輸入が大きく減少している。

輸入国輸入量(万バレル/日)前週輸入量(万バレル/日)増減(万バレル)
カナダ361355+6
メキシコ6759+8
サウジアラビア3428+6
イラク177+10
コロンビア737-30
エクアドル1926-7
ナイジェリア49-5
ロシア2123-2
ブラジル84+4
表3 輸入量国別内訳(出展元 EIA)
石油製品生産量(日量)と製油所稼働率(表4)

 表4は主要石油製品の生産と輸入(供給)についてまとめたものとなる。製油所稼働率は前週から1.1%下落した91.3%となり、製油所への原油投入量は14万バレル減少した日量1593万バレルとなった。石油製品の生産ではガソリン生産は前週から36万バレル減少した日量988万バレル、ジェット燃料生産は前週から横ばいとなる日量140万バレル、留出油生産は前週から17万バレル減少した日量481万バレルだった。

製油所稼働率等今週前週2週前3週前4週平均前年度
同時期
原油投入量(万バレル/日)159316071600161916051386
製油所稼働率(%)91.392.492.291.891.976.7
ガソリン生産(万バレル/日)  988102410009961002953
ガソリン輸入(万バレル/日) 11310774929750
ジェット燃料生産(万バレル/日)14014014514114285
ジェット燃料輸入(万バレル/日)2327322217
留出油生産(万バレル/日)   481498484488488477
留出油輸入(万バレル/日)  352814182316
表4 石油製品生産量(供給) (出展元 EIA)
石油製品供給(日量、需要)(表5)

 表5は主要石油製品の出荷量(需要)と輸出量の内訳一覧となる。ガソリン出荷量は前週から横ばいの日量957万バレル、ジェット燃料の出荷量は40万バレル増加した日量179万バレル、留出油の出荷量は前週比29万バレル増加した日量439万バレルだった。

石油製品
出荷量(日量)
今週前週2週前3週前4週
平均
前年
同時期
ガソリン出荷(万バレル/日)957957933943952916
ガソリン輸出(万バレル/日)469165746956
ジェット燃料出荷(万バレル/日)179139167127149114
ジェット燃料輸出(万バレル/日)67922916
留出油出荷(万バレル/日)439410432373413395
留出油輸出(万バレル/日)103107105108106126
表5 石油製品出荷量(需要) (出展元 EIA)
石油製品需給(日量)

 原油の需要側では製油所稼働率が前週から1.1%下落した91.3%となり、原油消費量は前週より14万バレル減少した日量1593万バレルとなった。
 主要な石油製品ではガソリン生産量が前週比で36万バレル減少した日量988万バレル、輸入量は6万バレル増加した日量113万バレルだった。ガソリンの出荷量は前週から横ばいの日量957万バレル、輸出量は前週から45万バレル減少した日量46万バレルだった。ガソリンの生産量が減少したが、それ以上に大きな輸出量の減少でガソリン在庫が増加に転じた。ガソリン在庫は129万バレルの増加だった。
 次に留出油は生産量が前週から17万バレル減少した日量481万バレル、輸入量は前週から7万バレル増加した日量35万バレルだった。留出油の出荷量は前週から29万バレルの増加となる日量439万バレル、輸出量は4万バレル減少した日量103万バレルとなった。生産量の減少と出荷量の増加で173万バレルの在庫減少となった。
 ジェット燃料生産量は前週から横ばいの140万バレル、出荷量は前週比で40万バレル増加した179万バレルとなった。
 石油製品全体の出荷量(需要)は前週比で101万バレル増加した日量2282万バレルとなった。原油在庫が716万バレル減少、ガソリン在庫が129万バレル増加、留出油の在庫が173万バレル減少となり、全ての石油製品在庫に原油在庫を加えた全石油在庫は前週比で1360万バレル減少した18億6510万バレルとなった。

石油製品価格(表6と表7)

 表6はニューヨーク港渡しの石油製品のスポット卸売価格となる。今週の燃料の卸価格はガソリンが約28セント、ディーゼル燃料は約21セントの上昇となった。原油価格は約6.6ドルの上昇だった。

スポット卸売価格
(ニューヨーク港渡し)
8/278/208/138/6前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.2852.0082.2632.2651.284
ディーゼル燃料
(ドル/ガロン)
2.1071.8972.0632.0761.204
原油
(ドル/バレル)
68.8462.2568.3668.2642.96
表6 石油製品受渡価格 (出展元 EIA)

 表7は全米の石油製品の小売価格の全国平均を週ごとに集計した結果となる。今週のガソリン小売価格はほぼ横ばい、ディーゼル燃料の小売価格は約1セントの下落だった。レギュラーガソリン価格は1ガロン当たり3.100ドルを超えた状態がいまだ続いている。

小売価格8/30 8/23 8/16 8/9 前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.1393.1453.1743.1722.222
中間グレードガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.5993.6063.6293.6242.629
プレミアムガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.8533.8533.8823.8742.877
ディーゼル燃料価格
(ドル/ガロン)
3.3393.3243.3563.3642.441
表7 石油製品全国価格 (出展元 EIA)

今後の見通し

 アメリカの原油生産量は日量1150万バレルと前週から10万バレルの増加。需要面では製油所稼働率が前週から1.1%低下した91.3%となり原油消費量は14万バレル減少した日量1593万バレルだった。夏の需要期で製油所の稼働率は90%超が続いているがハリケーンエイダの影響でメキシコ湾岸の製油所が閉鎖されたことで稼働率が低下している。原油輸入量は前週比で日量18万バレル増加した日量634万バレル、輸出量が22万バレル増加した日量304万バレルで、日量330万バレルの輸入超過となっている。原油輸出の増加で原油在庫は716万バレルの在庫減少となったが、Adjustmentの影響が大きいと考えられる。
 ガソリンは生産量が36万バレルの減少、ガソリン出荷量は横ばい、ガソリン輸入量は6万バレルの増加、ガソリン輸出量は45万バレルの減少となった。生産量の減少を輸出量の減少が上回り129万バレルの在庫増加となった。留出油は生産量が17万バレルの減少、輸入量が7万バレルの増加、出荷量が29万バレルの増加、輸出量は4万バレルの減少となった。生産量の減少と出荷量の増加で173万バレルの在庫減少となった。燃料価格はガソリン卸売価格が約28セントの上昇、ディーゼル燃料卸売価格が約11セントの上昇と大きく上昇した。一方、小売価格はガソリンが横ばい、ディーゼル燃料も約1セントの上昇となった。
 全ての石油製品の出荷量は日量101万バレル増加した2282万バレル、全ての石油製品と原油を合わせた在庫は1360万バレル減少した18億6510万バレルとなった。
 原油相場は株高やメキシコ湾岸へのハリケーンの接近などを材料に上昇を続け現時点で1バレル70ドルの大台を回復している。9月1日に開かれたOPECプラスの会合(JMMC)は大きな混乱は全くなく凡そ30分程度で閉会し、7月の会合で合意した内容の実施の確認で終了した。10月以降も月40万バレルの増産が継続する。原油相場はサプライズのない織り込み済みの内容だったことから特に反応はなかった。JMMCに先立って行われたJTC(共同技術委員会)では需要の増加が報告されているが、新型コロナウイルスが拡大し続けていることから将来的な需要は不透明となっている。原油相場は70ドルの大台を回復しているが、これ以上の上げが続くには具体的な需要回復を示す材料が必要だと考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

Contact

お問い合わせ

お問い合わせ、アポイント予約は
こちらからお気軽にご連絡ください。

Register

有料メルマガ登録

有料メルマガ登録をしていただいた方は
鍵マークのついた記事もご購読いただけます。