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コラム
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2021/09/21

市場分析:中国恒大問題(つらつらコラム2021年9月21日)


ダイジェスト

・20日の株式市場、原油市場、大豆市場は中国恒大集団の破綻懸念を材料に下落した。
・23日に8350万ドル分、29日に4750万ドル分の社債(ドル建て)の利払いが予定されており、デフォルトが回避できるが焦点となっている。

概要

 9月20日の市場は、中国の不動産企業中国恒大集団(China Evergrande Group)のデフォルト懸念からダウなど各国の株式、貴金属、原油、大豆など幅広い銘柄で売られた。破綻が起きればリーマンショック並みの影響があるとされている。今日は中国恒大集団の問題と今後の見通しなどについてまとめた。

中国恒大集団問題の経緯

 中国恒大集団(以下中国恒大)は1996年に許家印によって中国南部の広東省広州市で設立され、鄧小平が提唱した改革開放路線に乗って急成長を遂げ、中国本土各地で不動産事業を幅広く展開した。2009年に香港株式取引所に上場、2011年には株式時価総額5兆円を誇った。
 2018年に電気自動車事業へ進出した以外にも金融やヘルスケア、旅行、スポーツなど事業の多角化を進め、中国有数のサッカーチームである広州恒大のオーナー企業として知られていた。一方で不動産投資は借入金に依存していたため、事業拡大に伴って増大した負債により2020年9月にはデフォルトの可能性がささやかれ始めた。2021年6月末の時点の負債は128行以上の銀行と121社を超えるノンバンクから約2兆元(約36兆円)となっている。この金額は中国のGDPの約2%に及ぶ莫大な金額となっている。一方で自己資本比率はおよそ4100億元に留まり、資金繰りの行き詰まりが指摘されている。図1は香港証券取引所に上場されている中国恒大の株価で20日には11年ぶりの安値となる1株2.06香港ドルまで下落している。社債の価値も利回りが500%に達するまで下落している。

図1 中国恒大集団の株価


 資金繰りが行き詰った理由の一つに中国政府の方針転換があげられる。中国政府は不動産バブルを抑える方針を打ち出し、不動産開発業への銀行資金流入を遮断した。この方針により国営銀行からの貸し付けが引きはがされたことで資金繰りが悪化した。一方で、商業銀行による不動産関連の貸付金は不良債権化が始まっており、2021年6月末の時点で4大商業銀行だけで約1兆元の不良債権が発生している。

現状

 中国恒大はすでに取引銀行への利払いは停止しているが、9月23日の社債の利払い問題を回避できるかが注目されている。23日にはドル建て社債のうち8350万ドル分と人民元建ての社債2億3200万元分の利払いを行う必要がある。続いて29日に4750万ドル分の利払いなど年内に6億6900万ドルの利払いが必要となっており綱渡りが続く。市場関係者によれば中国政府が救済を行わない限り問題は解決しないとの見方がある一方で、中国国営メディア「環球時報」の編集長が中国恒大は大きすぎてつぶせない企業ではないとウィーチャットへ投稿するなど政府の救済を否定する見解があり、市場では直接救済はないとの見方が優勢となっている。
 一方で、理財商品の償還のため不動産の投げ売りともいえる販売が始まっており、価格低下が不動産業界全体に悪影響を与えるのではないかとも懸念されている。
 

今後の見通し

 
 同業の不動産開発業社は今回の問題で市場からの資金調達が難しくなった。資金繰り悪化も始まっており連鎖的な倒産の可能性が出ている。昨日の株式市場では同業の融創中国の株価が10.5%、緑城中国が6.7%など不動産セクタを中心に値下がりし、ハンセン指数は一時4%を超える下落となった。また、広州富力地産や鑫苑(キンエン)置業など一部の業者では債務返済への懸念が高まっており、社債が格下げされるなど破綻リスクが高まっている。中国恒大の主要債権銀行の中国民生銀行の株価も下落し上場来安値を付けた。
 9月16日には破綻危険リストとして25社の名前がネット上にアップされるなど、不動産バブル崩壊が指摘されており問題の深さがわかる。
(25社は危険度順に 1)中国恒大、2)華夏幸福、3)新華聯、4)鴻坤地産、5)恒泰地産、6)実地地産、7)藍光発展、8)宝能集団、9)栄盛発展、10)泰禾地産、11)天房集団、12)建業集団、13)三盛宏業、14)協信遠創、15)富力地産、16)陽光100、17)新力地産、18)中南建設、19)祥生地産、20)新城集団、21)金地集団、22)緑地集団、23)花様年、24)碧桂園、25)融創中国 とされているが、現在は投稿が削除されている。)
 中国恒大の問題解決に明確な方向性が示されるまで、ドル買いや安全資産である国債・金の買いが続くとなると予想されている。一方で中国が購入先となっている原油や大豆などの商品では売りが出されており市場の混乱は続きそうだ。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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