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コラム
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2021/09/03

エネルギー速報:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(つらつらコラム2021年9月3日)

ダイジェスト

・9月2日発表の天然ガス在庫は各社予想24Bcf増に対して20Bcf増と在庫増加が予想を下回る強気な内容だった。
・9月2日時点の天然ガス在庫量は2871Bcf(有効容量の66.2%)となっている。在庫量は平年(5年間の平均3093Bcf)に比べて222Bcf少なく、前年(3450Bcf)と比べると579Bcf少ない状態
・8月26日から9月1日までの期間の天然ガス供給量は96.7Bcfで前週比で2.2Bcf減少。天然ガス生産量は前週から2.2Bcf減少した91.5Bcf、カナダからの輸入量は前週から横ばいの5.1Bcf
・8月26日から9月1日までの期間の天然ガス国内需要量は91.6Bcfで前週から0.8Bcf減少
・国内需要の内訳は発電需要が前週比で1.0Bcf減少、住宅・商業用需要が前週比で0.1Bcf増加、工業用需要は前週比で0.1Bcf減少だった
・LNG輸出用需要は前週比で0.1Bcf増加した10.5Bcf。タンカーによるLNG輸出量は前週から6Bcf増加した73Bcf
・メキシコ向けパイプライン輸出需要は前週比で0.2Bcf増加した6.3Bcf
・ハリケーンアイダによる供給障害でメキシコ湾岸を中心に生産量が約2.0Bcf低下

週間天然ガス在庫総評

 9月2日にEIAが発表した8月27日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で20Bcf増加した2871Bcfとなった。9月2日の天然ガス相場は在庫の増加量が20Bcf増と各社予想の24Bcf増加を下回る強気な結果となったことや高温による冷房用需要の増加見込みから買われて、一時4.720ドルまで上昇して引けている。

図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

 図1は天然ガス在庫量を過去5年の平均・変動幅と比較している。現在の全米の在庫量は2871Bcfで平年(5年間の平均3093Bcf、図1黒線)に比べて202Bcf少なく、前年(3450Bcf)に比べて579Bcf少なくなっている。表1はアメリカの地域別の在庫内訳となる。今週はアメリカ東部や中西部で在庫が増加したが、南部で在庫が減少した。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の60.7%、有効容量(4261Bcf)の66.9%となっている。

表1 アメリカの天然ガス在庫量(出展 EIA)

天然ガス供給

 表2は8月26日から9月1日までの間の天然ガス供給量の内訳となる。天然ガスの生産は前週から2.2Bcf減少した91.5Bcfだった。ハリケーンアイダによる影響でメキシコ湾沖の天然ガス生産が2.0Bcf以上減少している。カナダからの輸入は前週から横ばいの5.1Bcfとなった。結果、天然ガスの総供給量は前週比で2.2Bcf減少した96.7Bcfとなった。

表2 天然ガス供給内訳(出展元 EIA)

天然ガス需要

 表3は8月26日から9月1日の間の天然ガス需要量の内訳となる。全米の天然ガス需要量は91.6Bcfと前週比で0.8Bcfの減少となった。
 アメリカの国内需要は68.5Bcfと前週から0.4Bcfの減少となった。内訳は発電需要が前週から1.0Bcf減少した39.1Bcf、工業需要が前週から0.1Bcf減少した20.8Bcf、住宅・商業用需要が前週から0.1Bcf増加した8.6Bcfだった。気温の低下で冷房用需要がやや減少した。
 輸出需要ではメキシコ向けパイプライン輸出が前週から0.2Bcf増加した6.3Bcfとなった。LNG輸出向け需要は前週から0.1Bcf増加した10.5Bcfとなり、LNGの輸出量は73Bcfと前週から6Bcfの増加だった。

表3 天然ガス需要セクタ別内訳(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

7月27日時点8月3日時点8月10日時点8月17日時点8月24日時点
原油用385基387基397基405基410基
天然ガス用103基103基102基97基97基
表4 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

 表4はベーカー・ヒューズ社が毎週金曜日に発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。8月27日発表の最新レポート(8月24日時点)によると稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から5基増の410基、天然ガス採掘用リグ稼働数は横ばいの97基、その他の1基を加えたリグの総数は508基となっている。

今後の見通し

LNG輸出

 図2はNGI社が提供している天然ガスパイプライン流量でLNG輸出量の推定値となる。8月24日以降の流量は10.0Bcfを維持している。EIAによると8月26日から9月2日の間に全米6か所のLNG輸出基地に寄港したLNGタンカーは20隻でLNG輸出量は73Bcfと前週から6Bcfの増加だった。

図2 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

 図3はNOAAが今日発表した10日後から14日後(9月10日から9月16日)の気温予報となる。おおむね全国的に平年以上の気温となる見込み。図4は8月31日NOAA発表の最新の1か月予報で太平洋岸やフロリダ半島で平年以上の気温、メキシコ湾岸で平年以下の気温となる見込み。

まとめ

 9月2日に発表された8月27日時点の天然ガス在庫の増加幅は20Bcf増となり各社の事前予想24Bcfを下回る強気な結果だった。2日の天然ガス相場は在庫の予想以上の減少とこの先の高温で冷房用需要が増加するとの見方を材料に買われて、一時4.720ドルまで上昇した。このほかハリケーンアイダの影響でメキシコ湾岸の天然ガス生産の7割以上が停止したことが支援材料となった。
 8月26日から9月1日までの天然ガス需要は91.6Bcfと前週から0.8Bcfの減少となった。国内向け需要は前週比で1.0Bcf減少した68.5Bcfだった。国内需要の内訳では発電所向けの需要が前週比で1.0Bcf減少した39.1Bcf、住宅・商業用需要は前週比で0.1Bcf増加した8.6Bcf、工業用需要は前週比で0.1Bcf減少した20.8Bcfだった。LNG基地向けの需要は前週から0.1Bcf増加した10.5Bcf、LNGの総輸出量は73Bcfで前週から8Bcfの増加となった。一方で天然ガスの供給量は96.7Bcfと前週より2.2Bcfの減少となった。内訳は天然ガス生産が前週より2.2Bcf減少した91.5Bcf、カナダからの供給は前週から横ばい5.1Bcfとなっている。
 来週以降はおおむねアメリカ全土で気温が上昇する予報となっている。気温上昇による冷房用需要増加とLNG輸出の堅調さが引き続き支援材料となると考えられる。

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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