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コラム
column

2021/09/30

エネルギー速報:EIA週間原油統計(つらつら分析2021年9月30日)

ダイジェスト

・29日の原油相場はOPECプラスの枠組みによるこれ以上の増産が困難となっているとの見方を材料に買われ一時75.77ドルまで上昇したが、EIAが週間在庫を発表すると在庫増加となったことを材料に売られて上げ幅を1ドル以上削った
・次回のOPECプラスの閣僚会議は10月4日に予定
・原油在庫457万バレル増加
 原油生産量は日量1110万バレルで前週から50万バレルの増加となりハリケーン前の水準を回復
 輸出入では輸入量が655万バレル、輸出量が302万バレルで353万バレルの輸入超過
 製油所稼働率は0.6%上昇し、原油処理量は6万バレルの増加
 Adjustmentによる在庫調整は今週も増加側で調整量は131万バレル
・ガソリン在庫は19万バレル増加
(生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)で在庫が増加。出荷量の増加で在庫増加幅が減少
 ガソリン生産量は24万バレル増加、輸入量は10万バレル減少
 ガソリン出荷量は50万バレルの大幅増加、輸出量は10万バレル増加
・留出油在庫は38万バレル増加
 (生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)で在庫が増加。生産量の増加と出荷量の大幅減少で在庫増加
 留出油の生産量は19万バレル増加、輸入量は12万バレル増加
 留出油の出荷量は45万バレルの大幅減少、輸出量は35万バレル増加
・原油と石油製品を合わせた在庫量は18億5170万バレルで前週より1010万バレルの増加
・オクラホマ州クッシング在庫は13万バレル増加した3400万バレル、クッシングのタンク容量は約7600万バレルで貯蔵率44.6%

EIA週間統計の総評

 日本時間9月29日23時半にEIAの週間在庫統計が発表された。原油在庫は457万バレルの増加。製油所の稼働率は前週比で0.6%上昇した88.1%となり、原油消費量は前週比で6万バレル増加した1541万バレルとなった。石油製品ではガソリン在庫が19万バレル増加、留出油在庫は38万バレルの増加、WTI指標原油であるオクラホマ州クッシングの原油在庫は13万バレル増加した3400万バレルだった。
 原油生産は前週比で50万バレル増加した日量1110万バレル、原油輸入量は前週比で8万バレル増加した日量655万バレル、輸出量は日量21万バレル増加した日量302万バレルで輸出入全体としては353万バレルの輸入超過となっている。メキシコ湾岸の原油の供給不足に対応するため戦略備蓄(SPR)が12万バレル放出されている。原油と全ての石油製品を合わせた在庫は18億5170万バレルと前週比で1010万バレルの増加だった。

原油と石油製品の在庫(表1)

 表1は過去4週間分の結果を示している。原油の在庫は457万バレル増加した4億1850万バレル、ガソリン在庫は19万バレル増加した2億2180万バレル、留出油在庫は38万バレル増加した1億万2970バレル、オクラホマ州クッシングの原油在庫は13万バレル増加した3400万バレルだった。

API統計EIA統計今週EIA統計前週EIA統計2週前EIA統計3週前
原油(万バレル)410増457増348減642減152減
ガソリン(万バレル)360増19増347増185減721減
留出油(万バレル)250増38増255減168減314減
クッシング在庫(万バレル)13増147減110減194増
表1 原油・石油製品在庫 (出展元 EIA)

 図1は原油在庫の過去2年分の推移、図2はガソリン在庫の過去2年分の推移、図3は留出油在庫の過去2年分の推移となる。それぞれの図は今年の在庫推移(青線)と過去5年間の在庫レンジ(灰色)とを比較している。原油在庫とガソリン在庫、留出油在庫全てで過去5年間の在庫レンジの中央値より在庫が少なくなっており、特に留出油在庫は過去5年の在庫レンジより少ない状況が続いている。

図1 原油在庫推移(出展元 EIA)
図2 ガソリン在庫推移(出展元 EIA)
図3 留出油在庫推移(出展元 EIA)
原油生産と輸出入、戦略備蓄(日量)(表2と表3)

 表2は原油の生産量と輸出入についてまとめている。原油生産量は日量1110万バレルと前週から50万バレルの増加となった。原油輸入量は前週比で8万バレル増加した日量655万バレル、輸出量は前週比で21万バレル増加した302万バレルで353万バレルの輸入超過となった。Adjustmentは需要と供給それぞれの不確実性(計算のずれなど)のつじつまを合わせて相殺するために需給の計算に加えられる。今週の統計のAdjustmentは先週から88万バレル増加した131万バレルが在庫を増加させる形で調整が加わっている。

原油生産と輸出入今週前週2週前3週前4週平均前年
同時期
原油生産(万バレル/日)111010601010100010451070
戦略備蓄増加(万バレル/日)-12-17-70-9-25
原油輸入(万バレル/日)655646576581614512
原油輸出(万バレル/日)302280262234269351
Adjustment(万バレル/日)1314215616281
表2 原油生産と戦略備蓄、輸出入 (出展元 EIA)
*Adjustmentの-はマイナス補正を意味している

 輸入国の国別内訳と前週からの増減は表3の通り。今週はメキシコやブラジルからの原油輸入が減少している。一方で、サウジアラビア、エクアドル、ロシアからの輸入が増加した。

輸入国輸入量(万バレル/日)前週輸入量(万バレル/日)増減(万バレル)
カナダ303314-11
メキシコ7683-7
サウジアラビア5639+17
イラク04-4
コロンビア2521+4
エクアドル2510+15
ナイジェリア69-3
ロシア2613+13
ブラジル2144-23
表3 輸入量国別内訳(出展元 EIA)
石油製品生産量(日量)と製油所稼働率(表4)

 表4は主要石油製品の生産と輸入(供給)についてまとめたものとなる。製油所稼働率は前週から0.6%上昇した88.5%となり、製油所への原油投入量は前週比で6万バレル増加した日量1541万バレルとなった。石油製品の生産ではガソリン生産は前週から24万バレル増加した日量988万バレル、ジェット燃料生産は前週から6万バレルの減少となる日量132万バレル、留出油生産は前週から19万バレル増加した日量464万バレルだった。

製油所稼働率等今週前週2週前3週前4週平均前年度
同時期
原油投入量(万バレル/日)154115341438143015001367
製油所稼働率(%)88.187.582.181.984.975.8
ガソリン生産(万バレル/日)  9889649271012973889
ガソリン輸入(万バレル/日) 9810863899073
ジェット燃料生産(万バレル/日)13213812613313287
ジェット燃料輸入(万バレル/日)222125232312
留出油生産(万バレル/日)   464445415418436435
留出油輸入(万バレル/日)  301816141914
表4 石油製品生産量(供給) (出展元 EIA)
石油製品供給(日量、需要)(表5)

 表5は主要石油製品の出荷量(需要)と輸出量の内訳一覧となる。ガソリン出荷量は前週から50万バレル増加した日量939万バレル、ジェット燃料の出荷量は前週から6万バレル減少した日量142万バレル、留出油の出荷量は前週から45万バレル減少した日量397万バレルだった。

石油製品
出荷量(日量)
今週前週2週前3週前4週
平均
前年
同時期
ガソリン出荷(万バレル/日)939889889960919852
ガソリン輸出(万バレル/日)726263736766
ジェット燃料出荷(万バレル/日)14214813716214785
ジェット燃料輸出(万バレル/日)886584
留出油出荷(万バレル/日)397442379368396365
留出油輸出(万バレル/日)925776109116131
表5 石油製品出荷量(需要) (出展元 EIA)
石油製品需給(日量)

 原油の需要側では製油所稼働率が前週から0.6%上昇した88.1%となり、原油消費量は前週より6万バレル増加した日量1541万バレルとなった。
 主要な石油製品ではガソリン生産量が前週比で24万バレル増加した日量988万バレル、輸入量は10万バレル減少した日量98万バレルだった。ガソリンの出荷量は前週から50万バレル増加した日量939万バレル、輸出量は前週から10万バレル増加した日量72万バレルだった。ガソリンの出荷量の増加でガソリン在庫の増加幅が減少して19万バレルの増加だった。
 次に留出油は生産量が前週から19万バレル増加した日量464万バレル、輸入量は前週から12万バレル増加した日量30万バレルだった。留出油の出荷量は前週から45万バレル減少した日量397万バレル、輸出量は35万バレル増加した日量92万バレルとなった。生産量が増加と出荷量の減少で38万バレルの在庫増加となった。
 ジェット燃料生産量は前週から6万バレル減少した132万バレル、出荷量は前週比で6万バレル減少した142万バレルとなった。
 石油製品全体の出荷量(需要)は前週比で75万バレル減少した日量2039万バレルとなった。原油在庫が457万バレル増加、ガソリン在庫が19万バレル増加、留出油在庫が38万バレルの増加となり、全ての石油製品在庫に原油在庫を加えた全石油在庫は前週比で1010万バレル増加した18億5170万バレルとなった。

石油製品価格(表6と表7)

 表6はニューヨーク港渡しの石油製品のスポット卸売価格となる。今週の燃料の卸価格はガソリンが約3セントの下落、ディーゼル燃料は逆に約7セントの上昇となった。原油価格は約2.0ドルの上昇だった。

スポット卸売価格
(ニューヨーク港渡し)
9/249/179/109/38/27前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.2632.2902.3072.3392.2851.256
ディーゼル燃料
(ドル/ガロン)
2.2702.2082.1402.1572.1071.127
原油
(ドル/バレル)
74.1872.0969.8269.3468.8440.06
表6 石油製品受渡価格 (出展元 EIA)

 表7は全米の石油製品の小売価格の全国平均を週ごとに集計した結果となる。今週のガソリン小売価格が約1セントの下落したのに対してディーゼル燃料の小売価格は2セントの上昇だった。レギュラーガソリン価格は1ガロン当たり3.100ドルを超えた状態がいまだ続いている。

小売価格9/27 9/20 9/13 9/6前年同時期 
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.1753.1843.1653.1762.169
中間グレードガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.6253.6323.6183.6282.583
プレミアムガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.8763.8833.8683.8792.831
ディーゼル燃料価格
(ドル/ガロン)
3.4063.3853.3723.3732.394
表7 石油製品全国価格 (出展元 EIA)

今後の見通し

 アメリカの原油生産量は日量1110万バレルと前週から50万バレル増加した。需要面では製油所稼働率が前週から0.6%上昇した88.1%となり原油消費量は6万バレル増加した日量1541万バレルだった。ハリケーンエイダの影響で閉鎖されていたメキシコ湾岸の油田の復旧が更に進み、産油量が2週連続で50万バレル増加した。原油輸入量は前週比で日量8万バレル増加した日量655万バレル、輸出量が21万バレル増加した日量302万バレルで、日量353万バレルの輸入超過となっている。原油生産の増加で原油在庫は457万バレルの在庫増加となった。
 ガソリンは生産量が24万バレルの増加、ガソリン輸入量は10万バレルの減少、ガソリン出荷量は50万バレルの大幅増加、ガソリン輸出量は10万バレルの増加となった。生産量が増加したものの出荷量の増加で19万バレルの小幅な在庫増加となった。留出油は生産量が19万バレルの増加、輸入量が12万バレルの増加、出荷量が45万バレルの大幅減少、輸出量は35万バレルの増加となった。留出油生産量の増加と出荷量の大幅減少で38万バレルの在庫増加となった。燃料価格はガソリン卸売価格が約3セント下落、ディーゼル燃料卸売価格は逆に約7セントの上昇だった。一方、小売価格はガソリンが約1セントの下落、ディーゼル燃料は約2セントの上昇だった。
 全ての石油製品の出荷量は日量75万バレル減少した2039万バレル、全ての石油製品と原油を合わせた在庫は1010万バレル増加した18億5170万バレルとなった。
 原油相場はOPECプラスのこれ以上の増産が現在の枠組みでは難しいとの観測が価格を下支えしており、アメリカの原油生産がハリケーン襲来前の水準へ回復したが、約1ドルの下落にとどまっている。一方で中国における不動産バブルの崩壊懸念が懸念材料として存在しているため、引き金を引く可能性がある中国恒大の利払い問題は注視したい。また次のOPECプラスの閣僚会議は10月4日に開催される。増産について動きがあるのかどうかに注目したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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