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コラム
column

2021/09/09

エネルギー速報:長引くメキシコ湾岸の油田閉鎖(つらつらコラム2021年9月9日)


ダイジェスト

・8月30日にハリケーンアイダが通過する際に、海上油田・ガス田が閉鎖された
・9月9日現在も全体の75%の生産設備が停止中
・燃料不足や停電が続いているため、生産設備への人員の再配置や生産・輸送インフラの損傷調査・修理が進んでいない
・一部の製油所は国家戦略備蓄からの原油供給を受けて生産を再開予定

概要

図1 ハリケーンエイダの進路(出展元 EIA)
*赤い点が海上油田と海上ガス田

 先週8月30日月曜日にアメリカのメキシコ湾岸に大型のハリケーンエイダが上陸した。ハリケーンは海上油田密集地域を縦断したため、メキシコ湾上の油田やガス田が閉鎖された。早期に再開すると考えられたが、今日現在でも75%の生産が止まっている。供給が停止していることを材料に原油・天然ガス相場の高止まりが続いている。

生産の状況

 ルイジアナ州では昨日の時点で30万戸以上が尚停電状態にあると報じられている他、メキシコ湾岸にある288か所のプラットフォームの内70か所以上がなお無人のままとなっている。このため現在約140万バレルの原油生産と1.7Bcfの天然ガスの生産が停止している。例を挙げると、オクシデンタル石油の運営する10か所の海上プラットフォームの内7か所が止まっている。生産だけでなくプラットフォームと陸上の間の輸送インフラや、生産物の処理施設が損傷しており生産再開が遅れている。同様にシェルが運用する海上油田でも輸送用設備の内、3か所のハブが損傷しており、損傷範囲の確定すらできていない状況で生産再開の目途が立っていない。一方で海岸から離れた陸上の製油所の再開は始まっているが、製油所に原油を供給している油田の生産が回復していないため、精製業者の一部はメキシコ湾岸にある国家戦略石油備蓄からの原油供給を受けて再開を始めている。このように製油所の生産再開が難航しているためルイジアナ州では燃料が不足しており、それが生産再開を更に遅延させる悪循環が続いている。

今後の見通し 

 ハリケーンエイダによるメキシコ湾上油田・ガス田の生産再開は予想外に遅延しており、ハリケーン通過から10日経った今も生産再開が進んでいない。米国の原油生産内140万バレル(米国の原油生産の約12%)、天然ガス生産の1.7Bcf(米国の天然ガス生産の約2%)が停止している。燃料不足や停電が人員の再配置や生産再開、インフラ損傷の調査及び修理を阻害しており、生産回復の遅れは原油相場・天然ガス相場を高止まりさせる一因となっている。加えて生産回復の時間的なめどが全く立っていない設備もあり、更に次のハリケーンの直撃などがあれば、生産回復と原油相場・天然ガス相場の正常化には更に時間がかかる可能性がある。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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