OPECがなくなる日(つらつらコラム3月24日)

主要産油国の原油価格下落に対する対応

今月初めにOPECプラスによる協調減産体制が事実上崩壊したが、このことは同時に、OPEC内部での価格調整役をサウジアラビアが放棄したことを意味している。既に当のサウジアラビアを含んだ複数の産油国が大規模な増産へ向けて動いており対応は次の通り、

アメリカは比較的高コストのシェールオイルが主力のため、生産削減と国内企業の再編が始まっている。

南米やアフリカの産油国の状況

中東の産油国では、長期契約の天然ガスの産出量が多いカタールが一番影響が小さいとされる。サウジアラビアやUAEは石油外の収入を模索してきたことや増産を行うため影響が小さいとされる。特にサウジアラビアは27%程増産余地があるため、ある程度の下落には増産での対応が可能となっている。しかし、オマーンやバーレーンなど比較的小規模な産油国にとっては石油収入に大きく依存しており、今回の原油価格の低迷で財政上の採算ラインを大きく割り込んだためデフォルトの危機にさらされている。一方で、南米やアフリカの産油国でも、原油価格が半減したことを受けて歳出削減による政情不安や、デフォルトの危機にさらされている。エクアドルは増産を行うために昨年OPECを脱退したものの、増産体制が整う前に原油安が直撃しており、歳出削減を図っているがデモが頻発するなど政情不安が広がっている。ベネズエラでも原油価格の低迷に耐え切れなくなっており、新型コロナウイルス対策にはIMFの支援を求めている。アフリカでもナイジェリアやアンゴラなども同様の状況にあり、やはり国家収入の多くを原油収入に頼っているためデフォルトの懸念が高まっている。

アメリカの対応とサウジラビアのOPEC離脱案

先週末にアメリカがロシアとサウジアラビアとの間のシェア争いに介入する動きを見せている。トランプ政権がサウジアラビアと連携することで原油価格の安定化への対応を行う方針と報道された。エネルギー省当局の内部ではサウジアラビアをOPECから離脱させたうえで、価格安定化を図るとの案が浮上していると伝えられている。産油量だけで見ると、アメリカとサウジアラビアの産油量を加えると日量2300万バレル、サウジアラビアの増産分を入れれば2500万バレルに達して、現状のOPECと同等の枠組みを2国間で作ることが可能となる。他方で、実際にサウジアラビアがOPECを離脱することになれば、1960年の設立以来原油市場を支配してきたOPECの組織そのものが解消へ進むのかもしれない。

 


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。