穀物速報:2020/2021年シーズンの作付け意向面積発表、アフリカ中東の蝗害 (つらつらコラム4月1日)

3月1日時点の在庫状況

昨日USDAから3月1日時点の四半期在庫(4か月に1回発表)が発表された。結果は下表の通りでコーンが8%、大豆が17%減少となり、コーンと大豆共に在庫が昨年の同時期に比べて減少した。輸出が不振と伝えられているコーンは市場予測より在庫が減少した一方、輸出の好調が伝えられる大豆は予想を上回った。

表1 コーンと大豆の四半期在庫(出展元 USDA)

2019/2020年(億ブッシェル)2020/2021年(億ブッシェル)変化率(%)事前予想(億ブッシェル)
コーン  86.1379.52-881.25
大豆27.2722.53-1722.41
2020/2021年シーズンの作付け意向面積

今シーズンの作付け意向面積も昨日発表されている。2019/2020年シーズンの実績に比べて、大豆、コーン共に作付け意向面積が増加している。コーンの輸出低迷、エタノール向け需要の低迷の中コーンの作付け意向面積が予想を上回ったことは弱材料となっている。

表2 コーンと大豆の作付け意向面積(出展元 USDA)

2019/2020年(万エーカー)2020/2021年(万エーカー)変化率(%)事前予想(万エーカー)
コーン  89709699+89432
大豆76108351+108486

ただし上の表には、新型コロナウイルスの蔓延による経済的混乱が起きる前の統計であることに注意したい。すなわち、原油需要の減少から燃料用エタノールの需要もまた減少している。これによりエタノール醸造用コーンの需要が落ち込むことが予想されている。コーン需要全体に占めるエタノール向け需要はおよそ4割と高いことから、農家はコーン栽培からより収入の期待できる大豆栽培にこれからシフトすることが予想される。

図1 コーンと大豆の作付面積の推移(出展元 USDA)

図1はコーンと大豆の作付面積推移を示している。コーンの方は9000万エーカーで横ばいとなっている。大豆の方は2018年にコーンを一時逆転した後、減少していたが、今シーズンは4年振りに増加することかが見込まれている。前述の通りコーンから大豆の作付面積が増加する可能性がある。加えて、新型コロナウイルスのアメリカでの感染拡大に対応するため、消費者がパスタなどの備蓄を始めており、小麦粉の需要が増加している。可能であれば、コーンや大豆から小麦へのシフトが予想されると、農業専門雑誌記事は伝えている。現時点ではあくまで作付け意向であり、今後実際にどう作付けが行われるかに注目したい。

まとめ

2020/2021年の作付け意向については、未だコロナウイルスのアメリカでの感染拡大の影響が加味されていないことや、春先の雪融けによる洪水の状況がわかっていないため方向性を判断するのは難しいが、コーンの需要見通しの悪化からコーンの作付け面積が減少することはまず間違いないだろう。


最後に付加情報として南米の産地の状況と、中近東・アフリカでのサバクトビバッタの状況を簡単に紹介したい。

南米産地の農作物輸出遅延と天候

ブラジルやアルゼンチンでは新型コロナウイルスの感染拡大防止策により船舶に検疫期間が設けられたことなどから輸出遅延が続いている。次に天候はアルゼンチンでは雨が多く、大豆やコーン等に対して恵みの雨となった。ブラジルでは南部のリオグランデ・ド・スル州で季節外れの乾燥が続き、雨がほとんど降らなかった他は大きな問題は起きていない。

サバクトビバッタ続報

先日のコラムでお伝えしたサバクトビバッタの最新の続報を紹介する。図2に示すようにアフリカの角(エチオピア、ソマリア、ケニア)では今週も多くの新しい群れ(赤)が誕生しており、これから行われる今シーズンの作付けに対してもバッタの群れが脅威となる状況が続いている。イランやパキスタンでは春となり孵化が始まっていて、小さな群れ(黒)が形成され始めており、今後の被害拡大が予想されているが、東のインドに向かうか北から中国へ向かうか、あるいはとどまるのか群れがどこへ移動するのかはわからない状態であり、続報に注意したい。

http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/200331updateE.jpg
図2 3月25-31日時点で新しく確認されているサバクトビバッタの群れ(出展元 FAO)

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。