エネルギー速報:シェール産地の現状(つらつらコラム4月14日)

シェールオイルとシェールガスの生産速報

OPECプラスの減産に対して、アメリカは自然減を含めた減産を行うと報じられている。今日は、EIAのDrilling Productivity Reportから産地の現状をみていきたい。まず、今月と来月の生産量予測を産地ごとにまとめた表が下記の通りとなる。

図1 アメリカの主なシェールオイル・シェールガス生産地(出展元 EIA)

表1 地域別シェールオイル(左)、シェールガス生産量(右)
(出展元 EIA)

全ての地域で生産が減少しており、原油が日量18万バレル、天然ガスが0.86Bcf減少している。次に新規井戸1つ当たりの生産量を見ると

表2 新規井戸一つ当たりの生産量(左: 原油、 右: 天然ガス)
(出展元 EIA)

原油・ガス共に生産量は増えているので、個々の井戸の生産効率は増加しているが井戸の数およびリグの数が減少していることが生産量の低下に結びついている。以下は主要7産地のリグ数と生産効率を原油と天然ガスそれぞれで見たものとなる。それぞれの左図が原油、右図が天然ガスのグラフとなっており、黒線がリグの総数、色線が新規井戸1か所当たりの生産量=生産効率の推移となる。どの地域でも生産効率は高まっているが、2019年以降リグの数が減少傾向にある。

図2-1 Anadarko
図2-2 Appalachia
図2-3 Bakken
図2-4 Eagle Ford
図2-5 Haynesville
図2-6 Niobara
図2-7 Permian
前年同時期に対する生産量変化
図3 前年同時期に比べた生産量の変化

前年同時期に比べて原油でおよそ日量20万バレル、天然ガスで約0.9Bcfの生産量が減少している(図3は表1をグラフにしたもの)。ただし、2019年4月は原油、天然ガスともに生産量がまだ上昇中の状況だった。原油生産量が過去最高値だったのは今年2月の日量1310万バレルで、2019年4月は約100万バレル少ない水準にあった。同様に天然ガスも過去最高値だったのは2019年11月の116Bcfで2019年4月は110Bcfと6Bcf少ない水準にあった。いささか回りくどい書き方だが、来月は過去最高生産量に比べて原油は約120万バレル、天然ガスは約7Bcf少ない生産量が予想される。

今後の見通し

原油の相場の大幅な下落に伴い、アメリカシェールオイルとシェールガス産地では設備投資が減少している。残った井戸の採算効率は過去最高水準に高まっているが、やはり井戸とリグの数が減少している。今月の時点で原油で直近の過去最高生産高より約120万バレル、7Bcfの減産が発生している。今後も原油価格の低迷によりこの傾向は続くと考えられる。原油は来月5月には2月の水準から120万バレル減少した状態で、このまま月約20万バレルのペースが続くなら夏までに2月の生産量基準で200万バレルの減産がほぼ確実に起きて、アメリカの産油量はサウジアラビア・ロシアと同水準の日量1100万バレルまで低下すると筆者は考えている。ただし、新型コロナウイルス収束による需要回復はないと考えているので、EIAや各社予想(30ドルから40ドル)の下限の30ドル前後ではないかと考えている。一方の天然ガスは月に約1Bcfずつの減産が進んでいくと考えられ、今後夏に向けて価格は上昇し、EIAの市場予測の通り2.000ドルを超えてくるのではないかと考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。