穀物速報:アメリカの作付け状況とアフリカ中東の蝗害の最新情報、南米産地情報(つらつらコラム4月22日)

アメリカの作付け状況と見通し

アメリカでは2020/2021年のコーンと大豆の作付けが始まっている。4月19日までに南部のルイジアナ州やミシシッピ州では大豆の20%以上の作付けが終了した。アメリカ全体では2%でコーンベルトでの作付けは始まっていないが、例年並みのペースとなっている。コーンは7%の作付けが終了している。コーンもノースカロライナやテキサス、テネシーといったコーンベルト外での作付けが中心となっているが、コーンベルトでも今年の作付けが始まった。

新型コロナウイルスの感染拡大で先週来、15日時点で全米各地に点在する精肉工場・加工工場の少なくとも12か所が従業員の感染で閉鎖へ追い込まれている。食肉の値上がりが続いているにもかかわらず、食肉処理できないため家畜が余り、家畜の引き取り価格が低下しつつある。このため、農家が飼育数を減らすとの見通しから家畜飼料向けの大豆、コーンの需要減懸念から価格が下落している。コーンについては燃料用エタノール向けの需要減懸念が続いており、引き続き相場の重しとなっている。新型コロナウイルスのため、これまでも国外向けの需要減少の原因となっているが、新たな要因として家畜向け飼料用需要の低下が加わり、価格の低迷はしばらくつづくと考えられる。


サバクトビバッタ続報

今週もサバクトビバッタの最新の続報を掲載する。3月下旬に広範囲で降った雨と植栽のシーズンが重なる状態で、バッタが成熟し増殖し多くの群れが形成された。今後産卵が行われて、6月下旬から7月以降に東アフリカで新たな群れを形成するが、7月は収穫シーズンの始まりと重なるため、今後の食料の被害は計り知れない。図1は昨日までに確認されたバッタの群れ(赤丸、黒丸)の位置と移動方向の予想を矢印で示している。現在の状況を国ごとにまとめると次の通りとなる。

総合するとアフリカや中東、インド・パキスタン周辺では現在生えている植物を中心に甚大な被害が出ている。一部の地域では雨が降り続いており、今後の繁殖期と収穫期が重なるため、より一層の被害拡大が懸念されている。幸い、アフガニスタンより北に現れたとの報告はまだない。

http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/200421update.jpg
図1 4月15-21日に新しく確認されたサバクトビバッタの群れの位置(出展元 FAO)

南米産地の天候と状況

アルゼンチン:南部の主要な農業地帯は雨が多い天気となり、土壌中の水分が増加した。気温が低下しつつあるが、まだ凍結は報告されていない。農業地帯北部では好天に恵まれて収穫が進展している。アルゼンチン政府によるとコーンの24%(前年28%)、大豆の33%(同29%)が収穫を完了した。

ブラジル:北部では続いた雨によって乾燥状態が改善している。南部の主要な農業地帯のパラナ州では収穫が進み、コーンの95%、大豆の98%の収穫が完了している。一方、リオグランデ・ド・スル州の収穫率はコーンで79%、大豆で84%にとどまり、20年で最悪と言われる乾燥によって収穫作業に遅れを生じている。リオグランデ・ド・スル州は大豆の17%を生産しており、乾燥は今後の大豆の収量に影響すると考えられる。一方のコーンはブラジル全体の6%に過ぎず、生産量の大勢には影響しない見込み。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。