穀物速報:アフリカ中東の蝗害最新情報(つらつらコラム4月29日)

サバクトビバッタ詳報

今週もサバクトビバッタの最新の続報を掲載する。図1は昨日までに確認されたバッタの群れ(赤丸=群行動する群れ、黒丸=ホッパー[飛んでいない状態])の位置と移動方向の予想を矢印で示している。イランの南部で生まれた群れが北上を開始している。国によって雨季は異なるものの多くの地域で4月は雨期となっており、植物の繁茂がバッタの食料を提供して繁殖に向かわせている。現在の状況を国ごとにまとめると次の通りとなる。

http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/200428up.jpg
図1 4月22-28日に新しく確認されたサバクトビバッタの群れの位置(出展元 FAO)
図2A ケニアでの4月上旬の群れの動き(出展元 FAO)
図2B ケニアでの4月下旬の群れの動き(出展元 FAO)
図3A エチオピアでの4月上旬の群れの動き(出展元 FAO)
図3B エチオピアでの4月下旬の群れの動き(出展元 FAO)
図4 南スーダンでの群れの動き(出展元 FAO)
図5 ウガンダでの群れの動き(出展元 FAO)
図6A イランでの4月上旬の群れの動き(出展元 FAO)
図6B イランでの4月上旬の群れの動き(出展元 FAO)
図7A パキスタンでの4月上旬の群れの動き(出展元 FAO)
図7B パキスタンでの4月上旬の群れの動き(出展元 FAO)
今後の移動予報(4月8日時点)

図8は西部への移動予報となる。図8内のカレンダーは作物と家畜とバッタのサイクルを示している。現在種まきと、家畜用の牧草の芽吹きの時期である雨季(3月末から6月)であり、バッタによる被害が発生している。加えて、雨季が終わる6月には第2世代が誕生する。今度は作物の収穫期に当たるため更なる拡大が懸念される。また、今後バッタが移動を始めると仮定すると、2週間で2000km移動してチャドへ、5月には次の世代がアフリカ西端のモーリタニアへ到達する見込みとなっている。幸い、移動経路に当たるウガンダと南スーダン(図8中黄色)では今現在大きな群れは確認されていない。ただし、現在発生している新型コロナウイルスの感染拡大次第で、効果的なバッタ対応が出来なくなる可能性がある。

図8 西部への移動予報(出展元 FAO)

図9は東部への移動予報となる。5月から6月にかけて周辺地域に拡大する他、今後、6月から7月にかけて、バッタの群れはインド洋を渡ってインド、パキスタンへ到達するとの予報となっている。

図9 東部への移動予報(出展元 FAO)
まとめ

サバクトビバッタによる被害はアフリカや中東、インド・パキスタン辺で拡大している。これらの地域では雨季の種まきの時期に当たっているが、一部の地域では雨による洪水が発生して乾燥地域で植物が繁茂しており、それをエサとしてバッタの繁殖が進んでいる。既に産み付けられた卵は、6月には孵化が始まって、第2世代が誕生する。今度は収穫時期に当たるため、数の増大と合わせて更なる被害拡大が懸念されている。最後に、イラン国内で群れが北上を始めており、この群れが北上を続けるかどうかは中国へ到達するかどうかにも関係すると考えられる。想定外の大繁殖やバッタの移動状況によっては食料相場の上昇が考えられるので、被害状況など今後の情報には注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。