未だ先の見えないコロナウイルス流行(つらつらコラム4月7日)

 

コロナウイルスの感染者の急増(パンデミック)
図1 新型コロナウイルスの感染者数(出展元 ジョンズ・ホプキンス大学)

図1は新型コロナウイルスの感染者数を示している。3月1日の時点では全世界で8万5000人(ほとんどが中国)に過ぎなかったが、3月6日に10万人を超えると、以後、イタリアを皮切りに欧州とアメリカを中心に大きく増加して4月2日に100万人を突破、今日4月7日時点で134万人となっている。 なお感染拡大の勢いは強いままである。

アメリカでの感染拡大

アメリカでは3月13日に全国的な非常事態宣言が発令された。感染者数は3月27日にはこれまで最多だったイタリアを抜き去り10万人を超えた。一方の死者数は3月26日に1000人を超えてから10日余りで10000人を超えている。今日時点での感染者は367507人、死者は約1万人となっている。 アメリカ国内で最大の感染者を抱えるニューヨーク州では、昨日の時点で死者が4758人となった。ただし、州内の死者数の伸びは4日の630人が最多となり以降、5日594人、6日599人と横ばい状態になった。これをもって現地では実質横ばいで感染拡大にある程度のブレーキが掛かったの見方から、NY株式市場は1600ドル以上の大幅高となった。

まとめと今後の見通し

現在、アメリカでは感染拡大に対する楽観論が広がっているといえるが、なお流行の収束時期が見えない中で、どこまで世界経済に影響が出るかは不透明な状況が続く。推計では、事実上飛行機を飛ばせなくなった航空会社をはじめとして、アメリカの経済の4分の1がすでに機能不全に陥っていると試算されている。失業者数は新規失業保険申請数が、3月26日(328万人)と4月2日分(664万人)とおよそ1000万人に達した。4月3日発表の雇用統計でも失業率が3.8%から4.4%まで跳ね上がっている。ただし雇用統計はアメリカで感染が本格化する前の3月12日までのデータしか使っていないためこの先どこまで悪化するのかは分からないが、4月の失業率は14%に達するとの推計がある(過去最悪は世界恐慌時の約25%)。

感染の発信地となった中国では発表される新規感染者数・死者数が減少を続けており、今日の時点で感染者32人、死者は0人となり、当局は3月下旬には封じ込めに成功した事実上の勝利宣言を発表している。統計に疑いの目を向ける目もあるが、中国国内では経済活動が再開されつつある。

図2 ダウ日足 (出展元 サクソバンク証券株式会社)

過去のパンデミック(1918年から20年にかけてのスペイン風邪)の例では当時のアメリカの株価に約3割の下落をもたらしたと先日お伝えしたが、その後、図2のようにダウ平均は3月23日に3割下落の想定である20000ドルを割りこんだ18205ドルで反転して、昨日の時点の終値で22624ドルまで回復した。各国が協調して経済対策を行ったことやイタリアやスペインといった感染国で一旦の感染拡大にブレーキが掛かったことが材料となっている。これで相場は落ち着きを取り戻す可能性があるが、いまだ感染が終息したわけではない。いわゆる2番底が例えば雇用統計や失業率の悪化によって、今後訪れる可能性については留意しておきたい。また、アメリカのシンクタンクが発表したスペイン風邪でのアメリカ人の死者数50万を上回るようなシビアシナリオはまだ生きていると筆者は考えており、再び死者が急増すればこれから更に下落して1万ドル台前半まで急落する可能性もあると考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。