テクニカル指標:前週の大豆相場の振り返り(つらつらコラム5月18日)

前週の大豆の予想の振り返り

今日は前週の大豆相場をサンプルに普段予想に使っているテクニカル指標を振り返ってみたい。大豆相場のテクニカル予想は前々週に対しては下落予想、前週に対しては上昇予想となっていて、今週は再び下落予想となった。今日はテクニカル指標の状態を振り返ってみたい。本コラムに掲載している週のまとめで使用しているテクニカル指標の一覧は以下の通り。それぞれの指標を使った予想法は以下のページに別途まとめてあるので参照されたい。

テクニカル指標予測一覧月   火   水   木   金   的中率(%) 次の日   順位 
総合上げ上げ上げ上げ上げ0下げ
パラボリック上げ上げ上げ上げ上げ0上げ5
アルーン上げ上げ上げ上げ上げ0上げ
MACD上げ上げ上げ上げ上げ0上げ
AO下げ下げ下げ下げ下げ100下げ1
ドンチャン上げ上げ上げ上げ上げ0下げ
今週未使用
一目均衡表下げ下げ下げ下げ下げ100下げ2
EMA上げ上げ上げ下げ下げ40下げ3
SMA上げ上げ上げ上げ上げ0上げ
ROC上げ上げ上げ下げ下げ40下げ4
実際下げ下げ下げ下げ下げ
オシレータ
CCI上げ
RSI6261584953
ストキャステクス(%K, %D)58,8175,8180,7660,2442,19
表1 大豆相場予想

前週の値動きは上昇相場を予想したにもかかわらず、5日連続の下落となり全く予想が当たらなかった。上表を見てもらうとわかるように、予想に使った5つの指標の内4つ(パラボリック、アルーン、MACD、ドンチャンチャネル)が上昇を示しているが、AOと予想に使用していない4つの内、一目均衡表が下落予想、EMAとROCは週の初めは上昇予想だったが、木曜日以降下落予想へ転換している。テクニカル指標の前週における振る舞いを2つずつ解説していきたい。

SMAとストキャスティクス
図1 SMAとストキャスティクス(出展元 サクソバンク証券)

SMA: 長期線(25日線)は長期の下落トレンドにあるが、短期線(5日線)が4月末以降上昇に転じた。前週の上昇でゴールデンクロスを生じて上昇トレンドへ転換した。

ストキャスティクス:前週は買いの過熱感がある状態から始まり、5日連続の下落で今度は売りの過熱感を示している。

一目均衡表とMACD
図2 一目均衡表とMACD(出展元 サクソバンク証券)

一目均衡表:
雲 下落トレンドの中にあり、レートは雲の下にある。
転換線(青)と基準線(赤) 前週に基準線が転換線上回った状態。
遅行スパン 26日前のレートを現在のレートが下回る状態が続いている。
相場の急上昇がなければ、雲と遅行スパンにより後1週間ぐらいは下落トレンドを示し続けると考えられる。

MACD:
4月下旬に上昇トレンドへ転換して以降、上昇シグナルを出し続けている。ただし、MACDの値はマイナスであり、弱めの上昇シグナルだった。

EMAとAO
図3 EMAとAO(出展元 サクソバンク証券)

EMA:
週の初めにゴールデンクロスが生じたが、その後の下落で再びデッドクロスを生じている。

AO:
やや見にくいが、これまでの下落幅の蓄積から、前週はギリギリのところで下落シグナルを示し続けた。反応が遅いため下落を示し続けた指標。

ドンチャンチャネルとアルーン
図4 ドンチャンチャネルとアルーン(出展元 サクソバンク証券)

ドンチャンチャネル:
前週は高値線、安値線ともに更新はなかったが、中心線の上をレートが動いたため、上昇シグナルを示し続けた。

アルーン:
反応の早い指標であるが、ここ2週間の相場が横ばいに近かったことで、アルーンアップ(赤)がアルーンダウン(青)を下回っている状態が続いている。

パラボリックとROC
図5 パラボリックとROC(出展元 サクソバンク証券)

パラボリック:
前週の4月下旬からの価格の持ち直し傾向に応じて、下落トレンドから上昇トレンドに転換してほぼ3週間上昇を示していた。今日値下がりすれば下落にトレンド転換する可能性が出ている。

ROC:
週の前半に上昇シグナルを示していたが、下落による陰線が続くと週の後半にトレンド転換した。

ボリンジャーバンドとRSI
図6 ボリンジャーバンドとRSI(出展元 サクソバンク証券)

ボリンジャーバンド:
ほぼバンド内にレートが収まっていたが、上昇によって5月8日に上側のバンドをレートが超えていたことがわかる。

RSI:
4月下旬以来、過熱感は見られず中央値付近での小幅な動きとなっている。

CCI
図7 CCI(出展元 サクソバンク証券)

CCI:
CCI(10)は5月11日にその前週の値上がりから買いを示していたが、その後の下落とともに方向感なしとなっている。


直近4週間の大豆相場に対するテクニカル指標の的中率

下表は過去4週間の大豆相場に対するテクニカル指標の的中率とをまとめたものとなる。

指標4/20-4/244/27-5/15/4-5/85/11-5/15総計
SMA406040035.0
MACD406060035.0
一目均衡表40604010060.0
EMA4060404045.0
AO40604010060.0
ドンチャン406040035.0
アルーン406060040.0
パラボリック406060040.0
ROC4060404045.0
相場(陽線)323010
相場(陰線)23259
表2 直近4週間の的中率
今週の予想と総括

前週の結果を踏まえて、前週の的中率順に今週予想に使用するテクニカル指標を5つ選んだものは次の通り。カッコ内はここ1か月の的中率となっている。

大豆の値動きを振り返ると、4月末から5月初旬に飼料用大豆の需要懸念が生じていたが、アメリカ政府が食肉工場の営業継続を命じたこと、中国向けの輸出が順調だったこと、冷え込みによる生育懸念で一旦、大豆価格は下げ止まって、大幅な上昇に転じて前々週の取引を終えていた。しかし、前週は需給報告で需要引き下げによる在庫の積み上げ見通しが発表されたこと、米中対立の再燃による需要懸念が生じて下落した。ほぼ、連日中国向けの大口成約が発表されていたが、ほとんど材料視されずに終わった。

テクニカル指標は3週前までの大豆価格の下げ止まりと上昇で、反応の早い指標だけでなく多くの指標が上昇と判断する結果となった。ところが、前週の相場は需給とヘッドラインで動いたため、予想を読み間違える結果となり、的中率が0%の指標が多く出た。100%の的中率となる指標もあるが、内情を確かめてみると、下落の大きなトレンドを掴み続けていたと言える。今回は、上昇の後に5日連続で陰線となる極端な相場となったが、このような場合にも当たっている指標はある。これは、長期的なトレンドを捉えていると考えられるが、長期的な予想だけでなく、指標の計算範囲を変えることなどで有効な指標を選べるように使用法を考えていきたい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。