穀物速報:クロッププログレスレポートと天気予報(つらつらコラム5月27日)

クロッププログレスレポートによるアメリカの作付け状況

今週は戦没将兵追悼記念日のため発表が遅れたが、昨日、USDAが発表したクロッププログレスレポートを見ていこう。2020/2021年シーズンの大豆とコーンの作付け進捗状況について紹介する。5月26日の時点での作付け率は以下の通り。

今週    前週    前年同時期 平年(5年平均)  
大豆作付け率65%53%26%55%
大豆発芽率35%18%9%27%
コーン作付け率    88%80%55%82%
コーン発芽率64%43%28%58%
表1 大豆とコーンの作付け率と発芽率

今週より大豆の発芽率が掲載されている。今週はコーンベルト西側で降雨が続いたが、東側は好天に恵まれて大豆、コーン共に農作業が大きく進展した。作付け進捗率は平年に比べて概ね1週間先行しており、遅れていた発芽率も気温の上昇により、平年を上回るまで回復している。

作付け率と発芽率を州ごとにまとめたデータは次の通りとなる。表2は大豆のデータで作付けで、低温により作付けが遅れたノース・ダコタ州以外のコーンベルト各州は順調に進行、全国では65%の作付けが終了した。発芽も順調で5年間の全国平均の27%をおよそ8%上回る35%が発芽した。

大豆
作付け率
前年同時期
      

作付け率
前週
      

作付け率
今週
      
作付け率
平年(5年平均)
      
    発芽率前年同時期
      
発芽率前週
      
発芽率今週
      
発芽率平年(5年平均)
      
アーカンソー3947586727304355
*イリノイ135965566213733
*インディアナ105666483183824
*アイオワ318692647255225
*カンザス2137523110152916
*ケンタッキー3339463714243318
ルイジアナ7875838659557077
*ミシガン195665454112517
*ミネソタ317488702184628
ミシシッピ-5966788041415867
*ミズーリ112739406102023
*ネブラスカ5178896218295625
ノースカロライナ4733474329163224
*ノースダコタ40929603416
*オハイオ9435344362023
*サウスダコタ540624781915
テネシー4429394824142126
*ウィスコンシン    18617950162517
全国平均265365559183527
表2 大豆の作付け率と発芽率(出展元 USDA)
*印はコーンベルトの州

次に表3は今週のコーンの作付け率と発芽率の州別のデータとなる。コーンの農作業も順調に進んでおり、作付けの約90%、発芽の約65%が終了した。これまで作付け作業が遅れていたコーンベルトのノース・ダコタ州やペンシルベニア州で作業が急速に進展した。発芽率の方もコーンベルト北部のミシガン州や、ノース・ダコタ州以外は例年並みから例年より速いスピードで発芽が始まっている。

コーン
作付け率
前年同時期
      

作付け率
前週
      

作付け率
今週
      
作付け率
平年(5年平均)
       
    発芽率前年同時期
      
発芽率前週
      
  発芽率今週
       
発芽率平年(5年平均)
      
コロラド6979917521306142
*イリノイ3283898217436669
*インディアナ207280698315548
*アイオワ7496979136628266
*カンザス6774878146456060
*ケンタッキー7974798561566466
*ミシガン295970655112832
*ミネソタ6395988817578061
*ミズーリ6483908849587678
*ネブラスカ7891978943547761
ノースカロライナ9495989686879190
*ノースダコタ57205479611235
*オハイオ185766647113243
ペンシルヴァニア591547653511041
*サウスダコタ236786741204441
テネシー9179869578607185
テキサス9393948779818877
*ウィスコンシン    438190749154540
全国平均5580888228436458
表3 コーンの作付け率と発芽率(出展元 USDA)
*印はコーンベルトの州
コーンベルトの天候予報

図1は5月10日から16日(最新)の気温の平年からのずれのデータで、コーンベルトは季節外れの冷え込みで、全体的に平年よりも華氏でおおよそ4度から8度低温だったことが分かる。

図1 5月10日から16日の気温の平年からのずれ(出展元 NOAA)

図2は7月から9月の気温予報で、全国的に平年よりも高い気温となることが予想される。一方で図3は降水量の予報で、コーンベルトは平年よりも降水量が多いことが予想されている。現時点では、コーン・大豆ともに十分な雨の元で成育が進むと考えられる。

図2 7月から9月の気温予報(出展元 NOAA)
図3 7月から9月の降水量予報(出展元 NOAA)

図4はイリノイ州の河川の水位の観測データで画面中央を北東から南西に流れるイリノイ川で局地的な豪雨による洪水が発生している。被害の懸念はあるが、具体的な被害については不明。

図4 イリノイ州のイリノイ川の洪水(出展元 NOAA)
紫:大規模洪水、赤:中規模洪水、黄:小規模洪水、緑:平常、水色:分別未定義
まとめ

まとめると、農作業を遅らせていた季節外れの冷え込みが去ったことで、冷え込みの影響を受けていたコーンベルト北側でも農作業が進展している。全国平均では平年に比べて約1週間農作業の進展が速い。ここ数日、コーンベルト全体で雨が降り続いているが、イリノイ州で集中豪雨による洪水が発生している他は特に大きな被害は出ていない。現時点の3か月予報では7月から9月にかけて平年より温暖となるが、降水量も平年より多いと予想されている。筆者は今年の生育は順調に進むと考えており、少なくとも平年作以上、作付け面積の拡大を考えると相当な豊作となるのではないかと考えている。中国向けの農産物の拡大期待、新型コロナウイルス後の景気回復による需要増期待などはあるが、まだ先行きが不透明なため、期近の大豆価格とコーン価格の低迷が少なくとも年末まで続くのではないかという従来からの筆者の考えは変わっていない。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。