エネルギー速報:OPECの6月総会を巡る綱引き(つらつらコラム5月28日)

現状のOPECプラスの減産

5月に始まったOPECプラスによる協調減産は、現在日量970万バレルで行われている。加えて、OPECプラスの枠組みの外にあるアメリカ、カナダ、ノルウェーなどの産油国も減産を行うことで、今回の協調減産は1500万バレル規模となっている。そんな中来月6月9~10日の予定で開かれるOPEC総会、OPECプラス会合を前に産油国各国の綱引きが続いている。

まず、以下が現在行われている減産案となる。

OPECプラス:

加えて6月からサウジアラビアは日量100万バレル、UAEは日量10万バレル、クウェートは日量8万バレルの自主的な追加減産を当面の間行う。

OPECプラス外:

合計:今後2か月間、枠組み内で1370から1470万バレルの減産

今週に入って、月曜日にはロシアのノバクエネルギー相による

との声明が出された。

水曜日になると、サウジアラビアやクウェート、UAEといった国々が7月以降も6月の減産規模を維持することを検討していると具体的に報道され、サウジアラビアとロシアの間で減産へ一層の協力とも報道されたことから、7月以降もOPECプラスの現状の減産規模が維持されるとの期待感が高まり、原油価格が上昇した。

ところが、昨日になってロシアは7月から予定通り減産幅を縮小する方針と複数の同国関係者が述べたと報道された。これまで再来週(6月9~10日)に予定されているOPEC総会まで状況見守るとも報道されていたため、上昇していた原油相場は全く梯子をはずされた形となって急落した。

今後の見通し

アメリカでは今週から9月第1月曜日のレイバーデーまで、夏のドライブシーズンに突入し原油需要が盛り上がる季節にとなった。そんな中、API(アメリカ石油公開)の最初の統計が今日の朝発表された。その内容は、原油在庫873万バレル増、ガソリン在庫112万バレル増、留出油在庫690万バレル増、クッシング原油在庫337万バレル増というもので、原油在庫が在庫増加へ転じただけでなく、事前予想の約150万バレルに対して大幅な積み増しとなった。加えて、ガソリン在庫が前週の減少から増加に転じた。
主要石油製品であるガソリン・留出油在庫の積み増しと同時に原油在庫が増加したということは、原油輸入が急増したか、原油処理量が減少したかのどちらかであると思われる。特に処理量の減少はガソリン生産量の減少を意味するが、ガソリン在庫も増加しているため、生産が減っても在庫が積み上がるという状況、つまり、ガソリン需要の大幅な減少を意味している。今日の深夜にはEIAの在庫統計も発表される。今朝のAPIの報告と同様にEIAのレポートが、需要が盛り上がらないことによる需給のバランスの悪化を示した場合には、7月からは予定通り減産規模の縮小が始まるとの見通し、そもそも10億バレル以上の余剰在庫が積みあがっている状況であることなど売り材料が集まり、原油価格が大幅下落する可能性があるので注目したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。