目次
ダイジェスト(クロッププログレスレポートと天気予報)
- 大豆の作付けは93%終了、発芽率は81%
- 大豆の作柄予測は良以上が72%(前週と同値)
- コーンの作付けは終了、発芽率は95%
- コーンの作柄予測は良以上が71%(前週より4%悪化、前年より12%良好)
- 気温は平年並みから平年以上、降水量は東部と西部でまちまちとなるが、干ばつの予兆は無い
クロッププログレスレポートによるアメリカの作付け状況
USDAから最新のクロッププログレスレポートが発表された。今週も2020/2021年シーズンの大豆とコーンの作付け進捗状況について紹介する。6月14日の時点での作付け率、発芽率は以下の通り。
今週 | 前週 | 前年同時期 | 平年(5年平均) | |
大豆作付け率 | 93% | 86% | 72% | 88% |
大豆発芽率 | 81% | 67% | 49% | 75% |
コーン作付け率 | 終了 | – | – | – |
コーン発芽率 | 95% | 89% | 74% | 92% |
大豆、コーン共に農作業は順調に進展している。大豆の作付けは93%、コーンの作付けはほぼ終了した。発芽率は大豆、コーン共に平年以上のペースを維持している。
大豆では作付けが遅れていたカンザス州やノース・ダコタ州で作業が進展しおよそ9割の作付け作業が終了した。発芽率でもノース・ダコタ州が遅れている。
コーンではノース・ダコタ州で発芽が遅れているが、その他の州では順調に発芽が進んでいる。
州別のより詳細な農作業の進捗データはこちら。
今期の作柄予想
表3は大豆の作柄予想となる。平年以上(FairとGood、Excellent)が96%、豊作以上(GoodとExcedllent)が72%と作柄予想は前週より据え置かれた。前年は天候不順により農作業が遅れたため前年同時期のデータはない。
Very Poor | Poor | Fair | Good | Excellent | |
2週前 | 1 | 3 | 26 | 60 | 10 |
前週 | 1 | 3 | 24 | 60 | 12 |
今週 | 1 | 3 | 24 | 60 | 12 |
前年 | – | – | – | – | – |
表3はコーンの作柄予想で、全体の95%が平年並み以上(FairとGood、Excellent)の作柄となる予想は変わらないが、豊作以上(GoodとExcellent)は71%と前週比で4%悪化している。ただし、前年の59%は大きく上回っている。
Very Poor | Poor | Fair | Good | Excellent | |
2週前 | 1 | 3 | 22 | 61 | 13 |
前週 | 1 | 3 | 21 | 60 | 15 |
今週 | 1 | 3 | 25 | 56 | 15 |
前年 | 2 | 8 | 31 | 52 | 7 |
コーンベルトの天候予報
図1は2週間後の気温予報でコーンベルトでは北側は平年以上、南側は平年並みの気温となる見通し。

降水量予測と土壌の乾燥度
図2は2週間後の降水量予測で、コーンベルト西部では例年より雨がやや少なく、コーンベルト東部では例年より雨が降る予報となっている。

Very Short(欠乏) | Short(不足) | Adequate(十分) | Surplus(過剰) | |
前週 | 4 | 18 | 69 | 9 |
今週 | 7 | 24 | 61 | 8 |
前年 | 2 | 10 | 67 | 21 |
Very Short(欠乏) | Short(不足) | Adequate(十分) | Surplus(過剰) | |
前週 | 4 | 14 | 71 | 11 |
今週 | 5 | 19 | 68 | 8 |
前年 | 2 | 8 | 68 | 22 |
表4と表5は土壌の水分量を示している。アメリカ西部の一部の州(ニューメキシコ州やアリゾナ州、コロラド州、テキサス州)で乾燥が進んでいるが、多くの州では長雨だった前年度より、十分で適切な水分量となっている。
まとめ
コーンベルトでは順調に農作業が進展している。今シーズンの大豆は93%、コーンの作付け作業は終了した。現時点で作物の生育は順調に進んでいる。2週間後の天気予報によれば、気温は平年並み以上、降水量はまちまちだが、土壌中の水分は十分で、順調な生育に必要な条件が揃っている。作柄予想では大豆畑の72%、コーン畑の71%で豊作以上の作柄が期待されている。
今日は6月13日付のサバクトビバッタの最新情報を掲載する。図3は現在の東アフリカのバッタの群れの位置で、イエメンから紅海を渡ってジブチやエリトリアへ群れが移動している他、ケニアで生まれた新しい成虫は北のエチオピアと南スーダン、ウガンダとスーダンへ向けて群れが風に乗って移動している。これらは7日間でスーダンまで到達する見込み。図4は今後の移動予測で、イラン南部やパキスタン西部で誕生した群れは東進して続々とインド北部へ向かっている。今後、イエメンやソマリアの群れの一部は風に乗ってインド洋を渡りインド北部へ到達する見込み。スーダンへ向かった群れは6月末にはサハラ砂漠の南端を回って、早ければ7月にはアフリカ西端へ移動する見込み。

*色の違いは群れの規模による

*赤線で囲まれた地域が繁殖地
※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。