穀物速報:クロッププログレスレポートと天気予報、サバクトビバッタ速報(つらつらコラム6月23日)

ダイジェスト(クロッププログレスレポートと天気予報)
クロッププログレスレポートによるアメリカの作付け状況

昨日6月22日にUSDAから最新のクロッププログレスレポートが発表された。今週も2020/2021年シーズンの大豆とコーンの作付け進捗状況について紹介する。6月21日の時点での作付け率、発芽率は以下の通り。

今週    前週    前年同時期 平年(5年平均)  
大豆作付け率96%93%83%93%
大豆発芽率89%81%66%85%
大豆開花率5%1%5%
コーン作付け率    終了
コーン発芽率終了
コーンシルキング率2%1%2%
表1 大豆とコーンの作付け率と発芽率

大豆の農作業は順調に進展している。大豆の作付けは96%終了、発芽率は89%に達し、平年より農作業が1週間程度早くなっている。今週より公開されている開花率は平年並みの5%となった。発芽が遅れていた、カンザス州やミズーリ州、オハイオ州やノース・ダコタ州で発芽が進んだ。

コーンは作付けに続き発芽まで作業が終了したため公開が終了した。代わりにコーンあシルキング(受粉)期に入っており、シルキング率は平年並みの2%と同等となっている。
州別のより詳細な農作業の進捗データはこちら

今期の作柄予想

表3は大豆の作柄予想となる。平年以上(FairとGood、Excellent)が95%、豊作以上(GoodとExcedllent)が70%と作柄予想は2%低下した。それでも前年の54%を大きく上回っている。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前13246012
2週前14255812
前週14245813
今週14245714
前年3935467
表3 大豆の作柄予想(出展元 USDA)

表3はコーンの作柄予想で、全体の95%が平年並み以上(FairとGood、Excellent)の作柄となり横ばいだった。豊作以上(GoodとExcellent)は72%と前週比で1%改善しており、前年の56%も大きく上回っている。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前14245615
2週前14235715
前週14225716
今週15235417
前年39314710
表5 コーンの作柄予想(出展元 USDA)
コーンベルトの天候予報

図1は2週間後の気温予報でコーンベルトの南側の一部で平年並みの気温となる以外は全体的に平年より気温が高くなる見通し。

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図1 6月から8月の気温予報(出展元 NOAA)
降水量予測と土壌の乾燥度

図2は2週間後の降水量予測で、コーンベルト西北部では例年並みの降水量となるが、コーンベルト東部では例年より雨が多い予報となっている。

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図2 6月から8月の降水量予報(出展元 NOAA)
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
2週前418699
前週724618
今週826597
前年286426
表4 表層土の水分量(出展元 USDA)
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
2週前4147111
前週519688
今週622657
前年286525
表5 深層土の水分量(出展元 USDA)

表4と表5は土壌の水分量を示している。アメリカ西部の一部の州(ニューメキシコ州やアリゾナ州、コロラド州、テキサス州)で更に乾燥が進んでいる。前年度と比較すると、多くの州では長雨多雨で水分過剰だった前年度より、適切な水分量となっている。

まとめ

コーンベルトでは順調に農作業が進展している。今シーズンの大豆は作付けの96%、発芽の89%が終了した。コーンは作付け作業に続き発芽も終了しシルキング期に入った。現時点では生育は順調となっている。2週間後の天気予報によれば、気温がほぼ平年以上、降水量は一部を除く平年を上回る見通し。土壌中の水分は十分な量があり、順調な生育に必要な条件が揃っている。作柄予想では大豆畑の70%、コーン畑の72%で豊作以上の作柄が期待されているため、供給過剰懸念から価格の低迷が予想される。また、大豆については中国向けの新規大口成約が6月15日以降見られていないことも懸念材料となっている。


6月20日付のサバクトビバッタの最新情報を掲載する。図3は現在のバッタの群れの位置を示している。ケニアで生まれた新しい成虫は北のエチオピアと南スーダンとウガンダ、スーダンへ向けて移動している。ケニアのバッタは春の繁殖期を終えており、7月には減少に向かうが、新しい群れはケニアからスーダンやエチオビア北部まで到達し夏の雨で繁殖に入る見込み。イラン南部で生まれた新しい群れの一部は東のパキスタンを通ってインドへ向かっている。南に向かった群れはオマーンへ移動する見通し。イラン南部での繁殖は終了し、東への移動に伴ってこれらの地域のバッタは減少する見込み。代わりにインドとパキスタンの国境地域で夏の雨季の到来と主に繁殖が始まる見通し。

図3 サバクトビバッタの群れの状況(出展元 FAO)
*色の違いは群れの規模による

図4は今後のバッタの群れの移動予測で、イラン南部やパキスタン西部で春に産卵された卵から誕生した群れは東進し、続々とインド北部へ向かっている。イエメンやソマリアの群れの一部は風に乗ってインド洋を渡りインド北部へ到達する見込みで、夏の雨を受けてインドとパキスタンの国境地域で繁殖に入る見込み。ケニアやエチオピアからスーダンへ向かう群れは6月末から7月初旬にサハラ砂漠の南端を回って、早ければ7月末にはアフリカ西端へ移動する見込み。従来の予想より群れの動きが遅く、西アフリカへの移動は2週間程度遅くなった7月下旬となる見込み。

図4 サバクトビバッタの群れの移動予測(出展元 FAO)
*赤線で囲まれた地域が繁殖地

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。