穀物速報:クロッププログレスレポートと天気予報、サバクトビバッタ速報(つらつらコラム6月30日)

ダイジェスト(クロッププログレスレポートと天気予報)
クロッププログレスレポートによるアメリカの作付状況

6月29日にUSDAから発表された最新のクロッププログレスレポートに基づき、2020/2021年シーズンの大豆とコーンの作付進捗状況について紹介する。6月28日の時点での作付率、発芽率、大豆の開花率とコーンのシルキング率は以下の通り。

今週    前週    前年同時期 平年(5年平均)  
大豆作付率終了
大豆発芽率95%89%80%91%
大豆開花率14%5%2%11%
コーン作付率    終了
コーン発芽率終了
コーンシルキング率4%2%2%7%
表1 大豆とコーンの作付率と発芽率

大豆の農作業は順調に進展し、カンザス州やミズーリ州、オハイオ州やノース・ダコタ州で発芽が進み、作付に続いて発芽もほぼ終了した。開花率は平年(11%)よりやや早い14%となった。

コーンは作付に続き発芽まで作業が終了したため公開が終了した。代わりにコーンはシルキング(受粉)期に入っており、シルキング率は4%となっており、平年(7%)よりやや遅れている。
州別のより詳細な農作業の進捗データはこちら

今期の作柄予想

表2は大豆の作柄予想となる。平年以上(FairとGood、Excellent)が95%と据え置きだが、豊作以上(GoodとExcellent)が71%と作柄予想が1%改善し、前年の54%を大きく上回っている。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前13246012
2週前13246012
前週14255812
今週14245813
前年2935477
表2 大豆の作柄予想(出展元 USDA)

表3はコーンの作柄予想で、全体の95%が平年並み以上(FairとGood、Excellent)の作柄となり横ばいだった。豊作以上(GoodとExcellent)は73%と前週比で1%改善しており、前年の56%も大きく上回っている。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前13216015
2週前14245615
前週14235715
今週14225716
前年3932479
表3 コーンの作柄予想(出展元 USDA)
コーンベルトの天候予報

図1は8月以降の気温予報でコーンベルトでは全体的に平年より気温が高くなる見通し。

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図1 8月から10月の気温予報(出展元 NOAA)
降水量予測と土壌の乾燥度

図2は8月から10月の降水量予測で、コーンベルト西北部では例年並みの降水量となるが、コーンベルトの他の地域では例年より雨が多い予報となっている。

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図2 8月から10月の降水量予報(出展元 NOAA)
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
3週前418699
2週前724618
前週826597
今週925597
前年2106919
表4 表層土の水分量(出展元 USDA)
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
3週前4147111
2週前519688
前週622657
今週721657
前年296920
表5 深層土の水分量(出展元 USDA)

表4と表5は土壌の水分量を示している。アメリカ西部の一部の州(ニューメキシコ州やカルフォルニア州、コロラド州、ワイオミング州)で乾燥が進んでいるが、コーンベルトでは多くの州で土壌に生育に十分な水分が存在している。

まとめ

コーンベルトでは今週も順調に農作業が進展した。今シーズンの大豆は作付に続き発芽が終了し、生育が進んでおり開花の14%が終了した。コーンはシルキング期(受粉期)に入り、現時点では平年よりやや遅れている。8月以降の天気予報によれば、気温が平年以上、降水量はコーンベルト北部を除いて平年を上回る見通しで、コーンベルトに干ばつの兆候はない。作柄予想はほぼ据え置かれて、大豆畑の70%、コーン畑の73%で豊作以上の作柄が期待されている。
6月末の四半期在庫と作付面積が今日発表される。作付意向面積よりコーンから大豆への転作が進んでいると予想されている。

2020年3月作付意向面積今日発表の作付面積予想
大豆8350万エーカー8550万エーカー
コーン9700万エーカー9500万エ-カー
表6 作付面積予想(出展元 各社予想)

6月27日付のサバクトビバッタの最新情報を掲載する。図3は現在のバッタの群れの位置を示している。
アフリカではエチオピアにケニア北部からの移動や自国内での繁殖でより多くの群れが出現している。ソマリア・ケニアでも群れの数が増加している。エチオピア国内を北上しているが、南スーダンではいまだ確認されていない。南アジアでは春に生まれた群れがインド・パキスタン国境付近に移動している。パキスタン国内の群れの一部は産卵を始めている。インド国内の群れは北部に広がっており、一部は国境を超えてネパールへ侵入した。イラン南部においては東方への移動により域内の群れの数が減少している。

http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/200626eth.jpg
図3 サバクトビバッタの群れの状況(出展元 FAO)
*色の違いは群れの規模による

図4は今後のバッタの群れの移動予測で、イラン南部の群れはインド北部へ向かって移動中。一部は産卵を始めており、モンスーン後の増殖が警戒されている。イエメンやオマーンの群れはインドへ、サウジアラビアの群れは紅海を渡ってスーダンへ移動する可能性がある。一方で、ケニアやエチオピアからスーダンへ向かうとされる群れはいまだ南スーダン・スーダンに出現していない。

http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/200616forecast.jpg
図4 サバクトビバッタの群れの移動予測(出展元 FAO)
*赤線で囲まれた地域が繁殖地

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。