エネルギー速報:OPEC総会開催(つらつらコラム6月8日)

OPEC総会及びOPECプラスの会合が予定より前倒されて6日に開催された。会合の結果、7月の減産量を6月の減産量である日量960万バレルで継続(メキシコ分が外れるため10万バレル減)すること、5月と6月の減産の未達成国は7月からの3か月で補償減産を行うことが決定した。詳しい内容をみていこう。

OPEC総会とOPECプラス会合で合意内容

まず、OPEC広報によるとOPECプラス会合に先立って開催されたOPEC総会では、以下のことが全会一致で決定された。

会合実施の障害ともなっていた、OPEC内部のイラクやナイジェリア、アンゴラなどによる減産破り問題は当事国が減産の約束したことでいったん解決した形となった。

続いて、OPECプラスの会合では、上記のOPECの総会の結論を基に協調減産の取り決めが継続されること、それらに加えて以下の取り決めが加えられて、こちらも全会一致で決定された。

結果、7月の減産量は日量960万バレルと決定された。これに加えて自主減産分が約120万バレル、量は不明だが減産未達成分の補償が7月から9月までの3か月に渡って追加で減産される。過去の協調減産でも不正による減産効果のただ乗りが問題視されていた。今回の会合で、強制力はないものの不正を行っている国々の減産の約束を取り付けることに成功したといえる。

今後の見通し

7月のOPECプラスによる協調減産は6月と同量で行われることが決定された(メキシコ分が外れるため10万バレル減産量が減る)。協調減産に加えてサウジアラビアなどの自主減産分と、イラクなどによる減産破りの保証分の減産が7月から9月にわたって行われる。まとめると、

となり、7月の減産は約1100万バレル以上の減産となる。

4月の合意に基づくOPECの減産量は、2020年の原油需要が2019年に比べて日量900万バレル減少するとの前提に基づいている。その後、新型コロナウイルスの流行は収まってはいないが、欧米での都市封鎖の緩和で原油需要は上向いていると考えられる。ただし、航空燃料の需要が全く回復していない状態な上、最大消費国であるアメリカではガソリン在庫やディーゼル燃料在庫の積み上がりが未だ続いており、原油需要の回復が起きているのかについては不透明な部分が多い。
加えて、原油価格の上昇が続き6月8日には1バレル40ドルを超えた。この原油価格の上昇により、アメリカのシェール業者が生産再開・増産の動きを始めている。8月には最初の増産が行われ、これまで減少を続けていたアメリカの産油量が上向くと報じられている。
3月以降に積み上がった10億バレル以上の原油在庫がある状態で、仮に第2波の流行が先進国で広がり再び需要が落ち込むようなことがあれば、大暴落が起きるのではないだろうか。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。