穀物速報:クロッププログレスレポートと天気予報、サバクトビバッタ速報(つらつらコラム6月9日)

クロッププログレスレポートによるアメリカの作付け状況

昨日、USDAからクロッププログレスレポートが発表されて。今週も2020/2021年シーズンの大豆とコーンの作付け進捗状況について紹介する。6月7日の時点での作付け率は以下の通り。

今週    前週    前年同時期 平年(5年平均)  
大豆作付け率86%75%54%79%
大豆発芽率67%52%30%61%
コーン作付け率    97%93%78%94%
コーン発芽率89%78%57%84%
表1 大豆とコーンの作付け率と発芽率

今週もコーンベルトのほとんでの地域で降雨が多かったが、大豆、コーン共に農作業は順調に進展している。作付け進捗率、発芽率共に平年以上のペースを維持している。

作付け率と発芽率を州ごとにまとめたデータは次の通りとなる。表2は大豆のデータで作付け率と発芽率で、全体の86%の作付けが終了している。コーンベルトではノースダコタ州が平年より多少遅れているが、今週20%以上作付け率が上昇し、急速に作業が進展している。そのほかの州では平年並みから平年以上の進捗となっており、全体では86%の作付けが終了、作付け予定畑の3分の2では発芽している。

大豆
作付け率
前年同時期
      

作付け率
前週
      
  作付け率
今週
      
作付け率
平年(5年平均)
      
    発芽率前年同時期
      
  発芽率前週
      
  発芽率今週
      
発芽率平年(5年平均)
      
アーカンソー6366768149576572
*イリノイ4174887922506765
*インディアナ3576887716587458
*アイオワ6295978730768767
*カンザス4262795522465937
*ケンタッキー5852686140395042
ルイジアナ9488949585798790
*ミシガン4176887520496856
*ミネソタ7195999235738973
ミシシッピ-8486929070748183
*ミズーリ3249636018304345
*ネブラスカ7595988850738568
ノースカロライナ6555686252425348
*ノースダコタ8351749134123261
*オハイオ2866837515425758
*サウスダコタ358092798446757
テネシー7349636954314451
*ウィスコンシン    5388948221537557
全国平均5475867930526761
表2 大豆の作付け率と発芽率(出展元 USDA)
*印はコーンベルトの州

表3は大豆の作柄予想となる。平年(Fair)以上が96%、豊作(Good)以上が72%と良い作柄が予定されている。前年は天候不順により農作業が遅れたため前年同時期のデータはない。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
前週13266010
今週13246012
前年
表3 大豆の作柄予想(出展元 USDA)

次に表4は今週のコーンの作付け率と発芽率の州別データとなる。コーンベルトではノースダコタ州が一番遅れている。その他の州では概ね平年を上回っており、全体では97%の畑で作付けが終了し、ほぼ今シーズンの作付け作業は終了した。発芽率は南北ダコタ州で大きく遅れていたが、今週、急速に進捗している。他の州では概ね平年並みから平年以上の発芽率となっており、全体では89%と9割近い発芽率となった。

コーン
作付け率
前年同時期
      

作付け率
前週
      
  作付け率
今週
      
作付け率
平年(5年平均)
       
    発芽率前年同時期
      
  発芽率前週
      
    発芽率今週
       
発芽率平年(5年平均)
      
コロラド8597989463849578
*イリノイ6592989246769084
*インディアナ5787958930738576
*アイオワ8998999869939790
*カンザス8692979469748683
*ケンタッキー9286939582727986
*ミシガン5783928628537268
*ミネソタ87991009763919789
*ミズーリ7892959365859089
*ネブラスカ92991009876889589
ノースカロライナ991001009995939896
*ノースダコタ9075879653265277
*オハイオ4580948527557373
ペンシルヴァニア8580918870366074
*サウスダコタ5895989028729077
テネシー9890969992788695
テキサス9996989286969790
*ウィスコンシン    7294969742738677
全国平均7893979157788984
表4コーンの作付け率と発芽率(出展元 USDA)
*印はコーンベルトの州

表5はコーンの作柄予想で、全体の96%で平年並み(Fair)以上の作柄が予想されており、75%が豊作(Good)以上で、前年の59%を大きく上回っている。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
前週13226113
今週13216015
前年2732527
表5 コーンの作柄予想(出展元 USDA)
コーンベルトの天候予報

図1は今月から8月にかけての気温予報で今年の夏は全国的に平年より高い気温となることが予想されているが、コーンベルトの西側では平年並み、東側では平年以上の気温が予想される。図2は降水量の予報で、コーンベルトは平年よりも多い降水量が予想されている。現時点では、コーン・大豆ともに十分な雨の元で成育が進むと考えられる。

図1 6月から8月の気温予報(出展元 NOAA)
図2 6月から8月の降水量予報(出展元 NOAA)
まとめ

前週もコーンベルトは雨がちで、作付け作業の遅れが懸念されたが、順調に農作業が進展している。今シーズン、大豆は約9割、コーンはほぼ全ての作付けが終了した。現時点で農作物の生育は平年・前年より順調に進んでおり、天気予報によれば、今年の夏は気温、降水量とも生育に有利な条件が揃うことから、天候的には豊作となるのではないかと考えている。実際、USDAの予想でも大豆畑の72%、コーン畑の75%で豊作以上の作柄が予想されている。
USDAが今週末に予定している今月の需給報告では、クロッププログレスレポートへ記載される作柄が良いことから、前年に比べて収穫量予測と収量予測が上向き修正されるのではないかと筆者は予想している。一方で、香港を巡っての米中対立が激化しており、非公式ながら中国がアメリカ産の大豆や豚肉の輸入を一時停止すると報道されている。とはいえ、前週は輸入停止発表後も大豆の大型成約が発表されていたので影響がどこまであるのかが不透明。ただし、今週に入ってからの中国向けの大口成約は見られていないため、輸出情報からは目が離せない状況が続いている。


今日は最新のサバクトビバッタの情報を掲載する。図3は5月に発見されたバッタの群れの位置で、東アフリカのイエメンとエチオピアでは、6月中頃から7月にかけて若いオスの群れが誕生し、成熟が進むみこみ。南アジアではイラン南部やパキスタン南部で群れが次々に誕生し、アラビア半島からの群れと合流しつつ、インドへ移動している。西アフリカのスーダンや南スーダンでは雨季にはいった。仮にバッタが到達した場合、繁殖に絶好の場所となる。現在すでに食糧危機が予想されているが、人口の極めて多いインドへ侵入が続いており、どれほどの被害が出るのか、まだ未知数となる。

http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/DL500map_pgE.jpg
図3 サバクトビバッタの群れの位置(出展元 FAO)
*色の違いは群れの規模による

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。