穀物速報:クロッププログレスレポートと天気予報(つらつらコラム7月21日)

ダイジェスト(クロッププログレスレポートと天気予報)
クロッププログレスレポートによるアメリカの作付状況

7月20日にUSDAより発表された最新のクロッププログレスレポートに基づき、2020/2021年シーズンの大豆とコーンの作付進捗状況について紹介する。7月19日の時点での大豆の開花率と着サヤ率、コーンのシルキング率とドウ率は以下の通り。コーンのシルキング期は受粉、ドウ期は粒の形成が始まったことを意味する。

今週    前週    前年同時期 平年(5年平均)  
大豆作付率終了
大豆発芽率終了
大豆開花率64%48%35%57%
大豆着サヤ率25%11%6%21%
コーン作付率    終了
コーン発芽率終了
コーンシルキング率59%29%30%54%
コーンドウ率4%3%9%7%
表1 大豆とコーンの作付率と発芽率

大豆の農作業は順調に進展し、開花率は平年(57%)より進んだ64%となった。着サヤ率は25%と平年並み(21%)からやや早い進捗となっている。

コーンはコーンはシルキング(受粉)期が続いている。2週連続で大きな進捗が見られ、シルキング率は59%となり、平年(54%)を追い越した。一方、ドウ率は4%と平年(7%)並みとなっている。
州別のより詳細な農作業の進捗データはこちら

今期の作柄予想

表2は大豆の作柄予想で、豊作以上の作柄(Good、Excellent)は69%と前週と比べて豊作以上の割合が1%改善した。降雨による改善だと考えられる。豊作以上の割合は59%で前年の54%を大きく上回っている。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前14245813
2週前14245714
前週25255414
今週25245415
前年3934468
表2 大豆の作柄予想(出展元 USDA)

表3はコーンの作柄予想で、豊作以上の作柄(Good、Excellent)は69%で前週から据え置きとなった。豊作以上の割合59%とはこちらも前年の57%を大きく上回っている。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前14225716
2週前14235417
前週26235217
今週26235217
前年310304710
表3 コーンの作柄予想(出展元 USDA)
コーンベルトの天候予報

図1は直近2週間の気温予報(図1左)と8月から10月の気温予報(図1右)となる。今後3か月の間、コーンベルトでは全体的に平年より気温が高くなる見通しが続いている。

降水量予報と土壌の乾燥度

図2は降水量予報で、直近2週間の予報(図2左)ではコーンベルトのほとんどで平年並みか平年以上の降水量となっている。3か月予報(8月から10月、図2右)でも、コーンベルトの多くの地域で平年並みから平年以上の降水量となる予報となっている。過剰な雨もなく、干ばつ懸念も後退している。

Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
3週前925597
2週前1026577
前週1026577
今週1327555
前年5196412
表4 表層土の水分量(出展元 USDA)
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
3週前721657
2週前824626
前週825626
今週1026604
前年3157012
表5 深層土の水分量(出展元 USDA)

やや乾燥が進んできているが、コーンベルトの多くの州では降雨により土壌に生育に十分な水分が存在している。アメリカ全体での土壌中の水分についてまとめた表が表4と表5となる。

まとめ

降雨があったことでコーンベルトの高温乾燥懸念が後退した。今週も農作業が順調に進展しており、大豆では開花と並行して着サヤが進んでいる。コーンはシルキング期(受粉期)に続いてドウ期(粒形成期)始まっている。シルキング率は先週に引き続き大きな進捗があり、平年並みから平年をやや上回っている。
今後の天気予報によれば、降水量は場所によって平年並みから平年より多い予報となっている。高温乾燥による作柄悪化の可能性が小さくなり、逆に降水量が全体的に多いということもない見通し。来月以降の3か月予報でも平年並みの降水がある予報となっている。このままであれば、収穫期前の乾燥が必要な時期に雨が多すぎるということもない見込み。豊作が期待される。
作柄予想は大豆畑の69%、同じくコーン畑の69%で豊作以上(Good、Excellent)の作柄が期待されている。コーンベルトの雨により大豆では1%作柄が改善、コーンは据え置きで作柄悪化が止まった。作柄悪化懸念が後退し、一時大きく相場が下落したが、その後、中国からの購入期待や緩和資金の流れ込みもあり、相場は持ち直している。今後も大豆の開花期とコーンのシルキング期が終わるまでは、天気予報(雨)から目が離せない状態が続く。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。