穀物速報:クロッププログレスレポートと天気予報(つらつらコラム7月28日)

ダイジェスト(クロッププログレスレポートと天気予報)
クロッププログレスレポートによるアメリカの作付状況

7月27日にUSDAより発表された最新のクロッププログレスレポートに基づき、2020/2021年シーズンの大豆とコーンの作付進捗状況について紹介する。7月26日の時点での大豆の開花率と着サヤ率、コーンのシルキング率とドウ率は以下の通り。なお、コーンのシルキング期は受粉、ドウ期は粒の形成が始まったことを意味する。

今週    前週    前年同時期 平年(5年平均)  
大豆作付率終了
大豆発芽率終了
大豆開花率76%64%52%72%
大豆着サヤ率43%25%17%36%
コーン作付率    終了
コーン発芽率終了
コーンシルキング率82%59%51%75%
コーンドウ率22%9%11%17%
表1 大豆とコーンの作付率と発芽率

今週の大豆の農作業は順調に進展し、開花率は平年(72 %)より進んだ76%、着サヤ率は平年(36%)に比べて43%とやや早い進捗となっている。大豆の開花の4分の3が終了、着サヤ率は4割強となっている。

コーンはコーンはシルキング(受粉)が大幅に進展した。シルキング率は82%となり、平年(75%)に差をつけている。一方、ドウ率は22%と平年(17%)と比べて進んでいる。
州別のより詳細な農作業の進捗データはこちら

今期の作柄予想

表2は大豆の作柄予想で、豊作以上(Good、Excellent)の割合は72%と前週と比べて3%改善し、平年の54%を大きく上回っている。コーンベルトで生育に適した天候が続いたことによる改善だと考えられる。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前14245714
2週前25255414
前週25245415
今週15225715
前年31033459
表2 大豆の作柄予想(出展元 USDA)

表3はコーンの作柄予想で、豊作以上(Good、Excellent)割合は72%で前週から3%と大きく改善し、前年の58%を大きく上回っている。コーンベルトの降雨と高温が作柄改善に寄与したと思われる。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前14235417
2週前26235217
前週26235217
今週25215517
前年39304711
表3 コーンの作柄予想(出展元 USDA)
コーンベルトの天候予報

図1は直近2週間の気温予報(図1左)と8月から10月の気温予報(図1右)となる。2週間後のコーンベルトは南側で気温が平年以下となる予報となっているが、今後3か月の中期予報では、コーンベルトでは全体的に平年より気温が高くなる見通しが続いている。

降水量予報

図2は降水量予報で、直近2週間の予報(図2左)ではコーンベルトの多くの地域で平年以下から平年以上の降水量と地域によってまちまちとなっている。3か月予報(8月から10月、図2右)ではコーンベルトのほとんどで平年並みか平年以上の降水量となっている。今後、前週まで雨の比較的少なかったコーンベルト西部(アイオワ州・ネブラスカ州)で雨が多くなる予報となっている。

土壌水分量
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
アイオワ州1127593
イリノイ州111799
ネブラスカ州1229572
ミネソタ州277318
48州平均1126576
表4 表層土の水分量(出展元 USDA)
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
アイオワ州626653
イリノイ州28837
ネブラスカ州929602
ミネソタ州168013
48州平均1025605
表5 深層土の水分量(出展元 USDA)

コーンベルトの内、コーンや大豆の生産量の多い代表的な4州の畑の土壌中水分のUSDAによるフィールド調査結果についてまとめた表が表4と表5となる。表4は地表の、表5は土中の水分量を示しているが、コーンベルト東側のイリノイ州とミネソタ州では9割近くの畑に十分な水分が存在している。この2州より乾燥しているコーンベルト西側のネブラスカ州やアイオワ州でも今後2週間の天気予報では平年以上雨が期待されていることから今後も順調に生育が進むと思われる。

まとめ

温暖な気温と適度な降雨が揃ったことで、コーンベルトでは農作物の生育が順調に進展している。大豆では開花の4分の3、着サヤの4割以上が終了。コーンはシルキング期(受粉期)が8割以上終わり、ドウ期(粒形成期)へ順調に移行している。
今後の天気予報によれば、今後2週間の気温はコーンベルト南側で平年より低下、降水量は場所によって平年以下から平年以上とまちまちとなっているが、これまで雨の少なかったコーンベルト西側で雨が増えると思われる。来月以降の3か月予報ではコーンベルト各地で平年並みの降水がある予報となっている。このままの天候が続けば大豊作が予想される。
作柄予想は大豆畑の72%、同じくコーン畑の72%で豊作以上(Good、Excellent)の作柄予想となり、前週比でどちらも3%と大きく改善した。今日は豊作懸念が高まり下窓が開いた相場となった。大豆については中国からの購入期待が続いており買い材料となっている。あと半月ほどは、大豆の開花期とコーンのシルキング期が続くため、天気予報(雨)に注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。