テクニカル指標:2か月間の金相場の振り返り(つらつらコラム7月29日)

前週の金の予想の振り返り

今日は上昇の続く金相場をサンプルに普段予想に使っているテクニカル指標を振り返ってみたい。本コラムに掲載している週のまとめで使用しているテクニカル指標の一覧は以下の通り。それぞれの指標を使った予想法は以下のページに別途まとめてあるので参照されたい。

テクニカル指標予測一覧月   火   水   木   金   的中率(%) 次の日   順位 
総合上げ上げ上げ上げ上げ100上げ
SMA上げ上げ上げ上げ上げ100上げ1
一目均衡表上げ上げ上げ上げ上げ100上げ2
ドンチャン上げ上げ上げ上げ上げ100上げ3
ROC上げ上げ上げ上げ上げ100上げ4
アルーン上げ上げ上げ上げ上げ100上げ
今週未使用
パラボリック下げ上げ上げ上げ上げ80上げ
AO上げ上げ上げ上げ上げ100上げ
EMA上げ上げ上げ上げ上げ100上げ
MACD上げ上げ上げ上げ上げ100上げ5
実際上げ上げ上げ下げ上げ
オシレータ
CCI上げ上げ上げ上げ上げ
RSI676779828585
ストキャステクス(%K, %D)75,8277,9690,9696,9995,8994,94

前週の値動きは上昇相場を予想したが、5日連続の上昇となり全く予想に差が出なかった。上表を見てもらうとわかるように、普段から確認している9つの指標の内8つが連日上昇とする中、パラボリックだけが月曜日に下落予想を行っていた。今週2日間を含んだ約2か月間の各テクニカル指標の振る舞いを解説していきたい。

SMAとストキャスティクス
図1 SMAとストキャスティクス(出展元 サクソバンク証券)

SMA: 長期線(25日線)は長期の上昇トレンドにあり、短期線(5日線)が6月中旬以降上昇に転じた。6月15日まで横ばいの状況でゴールデンクロスを生じて、以降当初は短期戦と長期戦の間隔が狭かったが、6月22日以降明確な上昇トレンドへ転換した。

ストキャスティクス:6月22日以降の上昇で買いの過熱感を示す80以上に張り付く日々が多い。7月13日から20日の間でいったん上昇が止まった際に、80以下に落ち込む状態が発生している。

一目均衡表とMACD
図2 一目均衡表とMACD(出展元 サクソバンク証券)

一目均衡表:
雲:上昇トレンドでレートは雲のはるか上にある。
転換線(青)と基準線(赤):転換線が基準線を6月22日以降上回った状態。
遅行スパン:26日前のレートを現在のレートが大きく上回る状態が続いている。

MACD:
6月22上昇トレンドへ転換して、上昇シグナルを出し続けている。ただし、MACDとシグナルの間隔はしばらくの間狭く、いつでも転換しうる状態だった。

EMAとAO
図3 EMAとAO(出展元 サクソバンク証券)

EMA:
6月8日にゴールデンクロスが生じ、その後上昇トレンドを示し続ける。

AO:
6月15日以上昇トレンドを示す。

ドンチャンチャネルとアルーン
図4 ドンチャンチャネルとアルーン(出展元 サクソバンク証券)

ドンチャンチャネル:
6月8日以降、上昇シグナルを示し続けた。6月20日以降は高値を連日更新しているので高値線がレートに張り付いている。

アルーン:
反応の早い指標であるが、6月15日以降アルーンアップ(赤)がアルーンダウン(青)を下回っている状態が続いている。7月13日から20日の間でいったん上昇が止まりアルーンアップが下がったが、持ちこたえた。

パラボリックとROC
図5 パラボリックとROC(出展元 サクソバンク証券)

パラボリック:
6月8日に上昇トレンドに転換したが7月13日から20日の間でいったん上昇が止まった際に下落トレンドを4日間示した。これにより的中率が下がることになった(後述)。

ROC:
6月中旬以降、上昇トレンドを強く示している。

ボリンジャーバンドとRSI
図6 ボリンジャーバンドとRSI、CCI(出展元 サクソバンク証券)

ボリンジャーバンド:
7月20日以降、+2σ線上できれいなバンドウォークが発生している。

RSI(14):
7月20日以降は買いの過熱感を示す80以上で高値張り付きが続いている。

CCI:
RSIと同様、7月20日以降は買いの過熱感を示す80以上で高値張り付きが続いている。


直近4週間の金相場に対するテクニカル指標の的中率

下表は直近4週間の金相場に対するテクニカル指標の的中率とをまとめたものとなる。

指標6/29-7/37/6-7/107/13-7/177/20-7/24総計
SMA80606010080.0
MACD80606010080.0
一目均衡表80606010080.0
EMA80606010080.0
AO80606010080.0
ドンチャン80606010080.0
アルーン80606010080.0
パラボリック8060608070.0
ROC80606010080.0
相場(陽線)433515
相場(陰線)12205
表2 直近4週間の的中率
今週の予想と総括

金の値動きを振り返ると、6月上旬は新型コロナウイルスの感染拡大懸念で株価が下落すると金には換金売りや利食い売りが出ていた。6月のFOMC(6/9、 6/10)の終了後に金融緩和策の強化が発表されても2週間ほどは同様の状況が続いた(6/11-6/19)が、次第に金融緩和の資金が流れ込み上昇が始まる(6/22-7/3)。利食い売りや新型コロナウイルスワクチン・治療薬の開発情報で陰線がつく日々もあった(7/6-7/20)が、7月20日以降は金融緩和によるドル安に米中対立の激化が支援材料に加わり、連日の上昇が続いている。

テクニカル指標は3週前までの金価格の上昇で多くの指標が上昇と判断する結果となり、的中率としてはまずまず高くなった。その状況は今でも続いているが、細かく見ると7月13日の週に一旦上げが一服した際に、一部の反応の早い指標(パラボリックやアルーン)がトレンド転換の兆候を示していたことがわかる。結局は上昇トレンドが続いたが、トレンド転換の警告と見れば有用な情報だった。アルーンは上昇を示したままとなり、反応の早いパラボリックは7月20の上昇で再度上昇トレンドへ転換している。他の指標は横並びで上昇を示し続けたため、それ等だけを使っていたら、仮に下落が起きた場合には大きな損失を生んでいた可能性もある。やはり、複数のなるべく多くの指標の結果を総合的に判断するべきという当然の結論を再確認できたと考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。